私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

米国は、新大統領にトランプ氏選出しました。ロシア、英国に続き米国までも保守主義者を指導者としました。世界は協調から戦国時代に入りました。

2016年11月10日 | 国際協調

 

横浜港の夕景

米国は、世界の警察官役から手を引いただけでなく、米新大統領トランプ氏は移民を犯罪者と呼び、強制送還や国境線に壁をつくる。自国産業を守るためTPPから脱退し、日本の防衛のために経費は出さない。日本や韓国の安全保障には核兵器を持てばよいとします。

トランプ氏は、自国を優先して同盟関係にあった他国と利益を奪い合うパワーゲームをすると言っているのです。

米国世論は、開票当日までトランプ氏の当選を予測していませんでした。民主党との接戦が予想された州の多くを共和党が獲得して当選しました。

トランプ氏は、選挙中に白人至上主義の暴言や女性蔑視、移民排除を唱えました。中間層の衰退で貧富の格差拡大により目覚めた中間層は、SNSなどネットを通じて見も知らずの人と意気投合によって、トランプ現象が起きたのです。

グローバル化した世界経済が低迷しているから貧富の格差が拡大するのです。成長がないから経済の収益が一般市民に分配されないのです。中間層が貧困化するのは当然のことです。

米国内陸部でのヒスパニック系及びアジア系移民の増加が白人の安定した生活を揺るがしており、多くの共和党支持者は自分達の利益を移民が奪っていると考えているのです。

現在では世界の国家の多くは、政治状況が流動的になって、刹那的な共感や反発のまま政治的判断をしています。欧州連合(EU)離脱をめぐる英国の国民投票も同じでした。欧州連合は移民や難民問題を抱えて瓦解の危機にあります。

しかし、英国では欧州連合離脱を選択したのは65歳以上の高齢者でした。トランプ現象は白人層・高学歴集団の投票でした。

「階級断絶社会」の著者チャールズ・マレーは高学歴集団が「見掛け倒しのエリート」と化し、労働者階級は貧困に沈んで「結婚、勤勉、正直、信仰」と無縁の「新下層」に転落したと解き、この危機が白人社会を直撃したと断じています。この新下層が選挙においてテレビやネットワークで「仲間」を見出したのでしょう。

グローバル化した経済の中で中間層が恩恵を受けないことは、社会の底辺で働く外国人のせいではありません。人口減少期に入って移民や外国人はそれぞれの国に大切な人的資源となっています。感謝すべきで排外主義を掲げることは慎むべきです。

世界の警察官米国が自国中心主義・孤立主義をとるのであれば、国際秩序は一挙に崩れて、中国、インド、ロシア等が気ままな経済政策とITを活用して世界経済を混乱に巻き込んでくることが予想されます。

無秩序な国際関係が予想される中で、日本は、軍隊を外国に派遣して紛争の片棒を担ぐのでなく、平和憲法の下に地道に国連の中で世界の紛争を無くする努力が欠かせません。

日本の保守政権も米国との協調関係を模索していくでしょうが、従来通りの緊密な連携は難しくなって、アジア諸国との関係強化のために独自の軍拡政策を進めるでしょう。この道の先には大きな戦争が待っています。

欧州の安全保障体制にも揺るぎが出て来ました。北大西洋条約機構(NATO)が米国の協力が得られ無くなれば、フランスとドイツの右傾化で、バルト三国とともに欧州解体に進む心配が出て来ます。

国際関係が混乱せる時こそ平和憲法を持っている日本が、後進国の先頭に立って、国際協調主義を進めて行きべきです。

蘇生

 

 

 

 

 



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