女性を敵にしない。Ⅱ さよならの手紙。Ⅰ
続きです。
お便りありがとうございます。
頂いてから2週間も過ぎてしまいましたが何をどう書いても
私の気持ちを伝えることは出来ないと悩んで
半ばあきらめながら、これを書いています。
貴方の何の力にもなれなかった私に
心のこもったあの手紙は凄いショックでした。
多少は貴方の気持ちの近くにいるといううぬぼれていました。
けれど、本当は何もわかっていなかったと思い知らされました。
誇り高い貴方が敵意、妬み、憎しみ、猜疑ともろもろの
渦の中で人間の自己中心の醜さにどれほど傷ついた事が
貴方のお便りでやっと実感したようです。
自分の生活の中から貴方を失う不安と淋しさの中で
夏から秋へと季節が過ぎました。
思い返せば組合の事、仕事の事
挙句は、家庭の事まで自分本位にすべてを貴方にぶっつけていました。
私にもほんの少しでも勇気と忍耐があったなら、こんな脆い人間でなかったら
貴方一人に辛い思いを背負わせなくてもすんだのではと悔やまれてなりません。
友達、仲間というより恋人であり、兄であり先生でありと
頼りに頼りきってきた2年間でした。
どんなにか貴方の負担になっていたことでしょう。
もっと、大人であったならもっと思いやりの心があったならと
しみじみ思います。
でも。2年間至らない私でししてけれど貴方の身近にいられた事感謝しています。
貴方程私心の無い人、信じるものに自分を投げ出せる人を
他に知りません。
生きることの喜びも悲しみも奥深く受け止め、自身の美意識で人生を切り開いていく貴方。
私はそんなあなたが大好きです。
これで良いのか正しい道なのか悩みに悩んで末に決断を迫られた2年間.
貴方はいつの時もそして最後まで見事にその重荷を背負いきりました。
私などがうかがうこともできない孤独の淵で貴方がどれほど
長い夜を苦しみ悩んでいたことか胸が痛みます。
今更、私がどう言ったところで貴方の傷は癒されるとは思いませんが
どうしても知ってほしいと書き続けています。
何ほどの能力もなく生きている間にすぐれた事など出来るはずのない
卑近な人間だからこそ、より正しい事を求めて生きていくべきだと思っています。
でも弱い私は自身の過失や嫉妬には甘く、他人の過失になどには
極めて厳しい勝ってな人間です。
貴方の人に対する優しさと寛大さの中で始めて責任らしい
責任を果たせたことが忘れられません。
今は引っ張ってくれる人がいなくなって気が強いだけの私は
進むべき道が見つかりません。
ただ貴方がすべてを投げ出して創り上げた道を又少しずつでも
伸ばしていきたいと思っています。
いろいろ書き連れねていますが、書いても書いても
いいえ、書けば書くほど言葉は嘘になり、私の本当の心から遠くなって
いくようです。
本当は大好きで大嫌いなあなた。
私の事は女だと思っていないといつも言っていましたね。
私は男性としてのあなたしか見ていませんでした。
あなたが潔い男らしい男だったからこそ
辛い苦しい2年間ついて行ったですよ。
でも、楽しかった。
私達の未来を夢を追っているという喜びがありました。
会社に入って良かったと思えるのは、人の縁を得たことです。
どうぞ、これからも私の財産でいてください。
私もあなたの生き方に負けないように努力しますから
失いたくない女友達として決して忘れないでください。
あなたが辛い苦しい時、手助けをしたいと待ち構えている友達が
ここにも一人いることを思いだしてください。
あなたの努力と献身があなたの今後の糧となり、
道を照らす光となることを固く信じています。
どうぞ、身体に気おをつkてて頑張ってください。
あなたのの明日がより良い日になりますよう
心より祈っています。
最後に言います。
死んではダメよ。
奥様と幼い二人のお子さんがいるのですから
貴方を陥れた会社側と組合役員を
生きて見返してあげて。
ヤハギフミヨ
追 この頃、あなたの夢を見ます。
元気な声を聴かせてくだい。
待ってます。
彼女は現在行方不明
コロナ終息が見えたら、探す。
私にとってはかけがえのない友人なのだ。
宮本浩次 喝采(The Covers’ Fes.2020)