ノートパソコン 不調で書き込みがままならない。
なもんで、下記ブログの少しばかり具体的内容が
2017年10月10日にブログ載せたので再掲です。
男の恋の履歴書 女の恋の履歴書。
再掲
2017年10月10日 ブログ
10月8日(土)10時、
高瀬海岸は、釣り人もなく、貨物船が
エンジン音が鳴り響き
時折、護岸の巨大運送基地から
エンジン音を一気に吹かし大型宅配便が通過する。
高瀬海岸1
東京湾の海原を吸い込んだ風は
ジャージの隙間を冷たく通過する。
海風は刻一刻、秋到来告げる。
高瀬海岸2
空と海は、水をたっぷり吸いこんだ灰色の水墨画の如く
静かさだ。
秋だから、もの思いに耽るのではない。
先日、柳橋事務所でサラリーマン時代の同僚と飲んだ。
その中の一人
突然
「10年前、S子の写真を見た」
「S子と仲良かった女から見せてもらった」
「老けていたね」
「俺は言ったんだ」
「俺と結婚すれば、君を絶対幸せにする」
と言ったんだが
「S子 まだ独身だった」
私は、黙って聞いた。
問いかけもしなかった。
心中の動揺を抑えた。
それっきり、その話は途絶えた。
その会話から、一週間が過ぎた。
ずっと想い出すこともなかったのだ。
44年前にプレイバックしたのだ。
当時 誰も知らないことだった。
私は中途入社であった。
配属先に、30代前半の男性上司一人
女性が3人いた。
その一人
私より三つ年下の女性がはす向かいの席にいた。
秋田県出身
秋田美人の言葉は知っていたが
現実の秋田美人を見たことはなかった。
秋田出身女優佐々木希というより
先日 亡くなれた歌手三条正人さんの夫人
顔もキツイが性格はキツイのも
仕事しだして直ぐに分かった。
私の言葉使い電話対応に、一々口を挟んだ。
仕事上は先輩であるので、黙って受け入れた。
私的会話は殆どしなかった。
仕事も分かるようになり、自分のペースで進められるようになった。
金曜日
S子がミスで慌てていた。
状況は分からなかった。
下請け業者のオジサンがやって来て
S子と話していた。
概要は、明日土曜日9時までに宮城県石巻に届けなければならい。
当時は、宅配便など無く
東北には、早くて2日間を要した。
東北縦貫道も開通せず
片道400キロの行程。
下請けの50代の小柄なオジサンは、
一人で納品に行くと言っていた。
言い残すと帰って行った。
既に夕刻7時を回っていた。
その後、オジサンの自宅兼事務所に電話を架け
同行することを伝えた。
午後10時 準備して浅草を出発。
私が運転を続けた。
唯ひたすら、でこぼこ道をトラックの間に挟まれながら
翌朝、8時20分に着いた。
午前10時出発 ハワイツアー団体客への旅行鞄等納品だった。
そのまま、寝ずにトンボ帰り
上野に夜8時着。
下請けのオジサンには、この事は口止めにさせた。
上司、S子にも黙っていた。
翌週、数日何事もなかった。
突然、上司が怒鳴った。
許可も得ずにした行為。
次にしたら、首だ。
S子は下を向いて沈黙。
下請けの奥さんが、S子に喋ってしまったのだ。
S子は上司に告げ口したのだ。
職場は大手町にあった。
その夕方、東京駅北口にS子に来るように電話した。
北口ドーム下にS子は颯爽とやって来た。
真向いあうと、私はS子の右頬を平手打ちにして
無言で湘南電車に乗車した。
S子は、翌日2日間体調不良との連絡で休んだ。
S子が出社した朝。
彼女の顔を見て驚いた。
上司が言った。
「何だ その厚化粧は」?
美貌が、化粧を塗りたくり
般若のようだ。
それからは、無言の冷戦が何日も続いた。
素直になれなくて [日本語訳付き] シカゴ
社内の宴席があり
私とS子は、二人で手伝することになった。
宴席が終わり、皆は先に帰った。
S子は、私の顔を見ずに呟いた。
「私が心配して上司に言ったのに
そんな馬鹿な人と仕事なんかしてられない」
私の脳は一瞬秒針が止まった。
その直後、私達は
FALL IN LOVEと化した。
社内には知られずに
私達は、銀座で食事
互いに、相手に自分達が見立てたブラウス
セーターを給料日に買って交換したのだ。
日比谷で映画を見た。
横浜、湘南海岸をドライブ。
現在のようなスマートおしゃれなデートではなかった。
秘めた過行く日々の中で
彼女の生い立ちを垣間見たのだ。
秋田から高校卒業して集団就職により上京。
下町の中堅規模の衣料品販売店に就職。
その後、転職して現在の会社に勤めた。
貧しい出自と学歴コンプレックスが
彼女の負けまいとする気持ちが
仕事に現れていたのだ。
新入社員も入ってきた。
職場の人数も多くなった。
それから一年が過ぎようとしていた。
私は上司の不正に巻き込まれていた。
悩んで悩んだ末に部長に事実関係を報告した。
部長は言った。
「管理不届きで処罰されるより、成績不振で処罰されるほうがましだ」
翌週、部長より、新橋勤務を命ぜられた・
軽食喫茶で皿洗いすることになった。
部長も不正にグルだったのを後に知るのだ。
部長は、私が退社するのを願っていたのだ。
ギブアップする訳にはいかない。
そうして、前の職場と一切のシラガミを断った。
S子から電話があった。
生返事した。
彼女の仲良し女性を通じて連絡もあった。
断ち切った。
失意の日々であったが
山岳部先輩の紹介で女性を紹介された。
上司の不正が社内に噂となり
役員が調べに私をホテルに呼び出した。
その後、まもなく、銀座4丁目ビルの営業部に復帰した。
一切、大手町の元の職場に顔を出すことはなかった。
S子は、仲良し女性から私の結婚を伝え聞き
「目が赤く充血していたわよ」
彼女はまもなく退社した。
その間、後輩の社員二人は
彼女争奪戦を繰り広げていた。
互いに想いは叶わなかった。
銀座営業部で、二人の会話を耳にしたことがあった。
「お互い頑張ったが駄目だったな」
複雑だった。
彼女の対象相手でなかった。
見た目だとか、学歴を鼻にかけるのを嫌悪していたのだ。
又、私が付き合っていたのも知らなかった。
先日 柳橋で話した男は
ドン・キホーテの如く独りよがりで妄想と思い込みが強く
本当に愛していたのら、彼女が57歳で独身でいることを
心配して上げなければならない。
自分は結婚もして子供、孫もいる身分でありながら
「俺と結婚しないから不幸だ」などと非難するのは
恥知らずの愚か者だ。
奥さんへの背信だ。
人生の出会いは、思い通りにはならない。
山岳部同期のように、想い叶わぬまま
ガルシア男には、その優しさ、敬いがなく
一方的な自我欲求しかない。
当時は、男女雇用機会均等法施行前であり
男女も妥協しながら婚姻した。
現在の多様な男女間生き方。
同性婚も認知されようとしている。
結婚を臨まない女
結婚ができない男
結婚が面倒な男
事実婚という同棲
あの時代適齢期で
すれ違い、タイミングを逸した男女。
今では、加齢の未婚男女は増加中。
彼女達は、容姿も良く、頭も優秀だが
共通するのは、男に媚びない。
男勝りの女性達だ。
「大手企業の部長だからといって
それが何なの」?
彼女達が結婚を否定している訳ではない。
むしろ、心奥底に強い結婚願望があるのだ。
秋風の護岸をヨタヨタ歩きながら
過ぎ去った恩讐を想った。
追憶 [日本語訳付き] バーブラ・ストライサンド
私には妻 子供二人 孫もいる。
S子の心に去来する混然とした苦悩悲しみに想い馳せる。
美貌に翻弄された女。
美貌に惑わされた男。
今では、70歳の小便垂れ流し爺さんになった。
S子に幸あれ
願わずにいられない。
護岸から、ちょろちょろと放尿した。
高瀬海岸3
尚、不正の上司は夜逃げ
部長は定年前に癌で亡くなった。
わかれ (別離)/岸洋子(本人歌唱ステージ) Yoko Kishi
追記
S子は、妻と、どことなく容姿に面影はあるが
性格は穏やかで貧乏にも耐える。
振り向かないで
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