40年前 円安から円高へ (10)円安に翻弄される息子

(9)円安に翻弄される息子へ、捨てる神あれば拾う神あり❕

続きです。
国内仕入ルートを失い、海外に活路を求めた。
現在、急激な円安により、国内物価は上昇
庶民は生活費高騰に苦しんでいる。
40年前　円はドルにたいして240円前後であった。
プラザ合意

を受けて、急速に円高が進んだ。
海外から廉価な生活用品が流入しだした。
国内軽工業品町工場は倒産に追い込まれた。
一心を袖にした取引先は、その胎動に気付いていなかった。
驕り高ぶりでの対応。
後に知ったのだが、取引担当者は、毎夜キャパクラ通い
年間５００万をキャパクラ女に入れあげた。
一人の女を巡って客同士で争った。
場所は、最近、那須殺人事件があった。
飲食店が立ち並ぶ上野のネオン街経営者夫婦
勝利した担当者へ負けた相手は、腹いせに
担当者とキャパクラ女がラブホテルに入る動画を撮り
担当者の自宅妻宛てに送った。
バブル真っ盛り。
一心は、海外輸入品サンプルを両手に持ち
営業に這いずり回った。
ネオン街で接待。
キャパクラで顧客に愛想を振りまき
トイレで、あと幾ら金があるか調べた。
自宅に戻る金がなく、銀座から銀座通りを歩き
神田の３畳一間の事務所で寝た。
野良犬の母親が、生まれた子犬に乳をのませる為
見知らぬ人間に尻尾を振る。
一心にも幼い子供二人が待っているのだ。
車無し、あるのは手足だけ。
両手が痺れて激痛。
腱鞘炎発症。
痛み止め注射を打つ。
続く
阿 里 山 的 姑 娘