7月11日（金）渋谷駅スクランブル交差点前に着いたのは17時14分。
足底筋膜炎発症して一ヶ月余りお袋の見舞いに来られなかった。
痛みはあるが、お袋の見舞いをしない訳にはいかない。
駅前広場には日の丸を掲げた3人の男達。
集団的自衛権についてマイクでがなり立ている。
群集は立ち止まり聞き入ることもなく
スクランブル交差点を渡り何処かに飲み込まれて行く。
私もセンター街を通り、春の小川の道に入った。
人通りも少なくなり、氣志團（きしだん）のマネキンがある
ブティックを通り過ぎた。
その先の駐車場から大声の怒鳴り声が聞こえる
「おい！謝れよ、謝れ」
3人の警察官と3人の気志團風の兄ちゃんが争っている。
脅しているのは気志團、脅かされているのが警察官。
何だか分からん。
道を急ごう。
坂を上がると人通りは絶え、閑静な松涛の住宅街に入る。
犬を連れたスタイル抜群の中年女性が横切る。
横顔が瞬間見えた。
女優のように美しい。
山手通りに出て左折すると介護病院。
道すがら、この世の縮図が垣間見える。
18時 3階の部屋へ。
弟はまだ来ていなかった。
お袋はマスクした私を弟と間違えているようだ。
まもなく弟もやって来た。
心優しい弟を見るとお袋の目は輝く。
4人のベッドがある。
後ろのベッドでは娘らしき中年女性が
うつろな目の老女の手を握り耳元で
「夕焼け小焼け」の歌を囁いている。
この施設に来て約1年八ヶ月。
部屋では一番長い。
何回もベッドの住人は三途の川を渡り
泉下の客になったのだ。
お袋だけが三途の川の手前で留まっているのだ。
突然 外から歌が聞こえる。
防音窓なので外壁音は聞こえないのだが
右翼の街宣車が「同期の桜」を
音量一杯で流している。
この近辺には、現総理、副総理がお住まい。
午後にウクライナ上空で民間航空機が撃墜された。
都心の街角には得たいの知れない不穏な響きが漂い出した。
看護士さんが来て、食事をする。
食事とは点滴でもなく
空気の入った栄養剤を血管から注入して
5分で食事は終わる。
19時 病院を出た。
スクランブル交差点は饗宴の煌きだ。
銀座線に乗り、三越前で総武快速乗車。
20時20分 駅に着いた。
スマホの歩数計を見た。
歩行距離14351ｍ
結構歩いたのだ。
ランチはヘギソバだったので腹も空いた。
飲み屋小路に足が向いた。
カウンターでホワイトボールを二杯
煮込みとシロ、ハツで美味しく頂く。
21時 1.230円払って出ると
雨小路で降りも強い。
小路の角のドラッグストア前に
「今日もお疲れ様」と言うように
ブリキ缶に497円の貼り紙。
口惜しいが買った。
20分程歩き自宅前で雨は止んだ。
傘代497円払うくらいだったら
チューハイ2杯飲めたな！
土砂降りで出て行く雨宿り！
