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■ローマのナイチンゲール

2005年11月24日 | 私のこだわり・音楽編
私が参加しているアマチュア・オーケストラで、 レスピーギ作曲の 『ローマの松』を練習しています。 前にも松についての話を書いた時 そこ でも触れましたが、 ローマの街の4つのヴューポイントをテーマに作られたものです。 

この中に 満月の夜にジャニコロの丘に立つ松の梢でナイチンゲールが歌い戯れているのを音楽に取り入れた部分があります。 楽譜には 《ナイチンゲールの鳴き声を録音したレコードをかける》 と注意書きがしてあり、 現在でも管弦楽のコンサートではそれに従っているところが多いようです。

レスピーギがこの曲を作ったのは 1923~4年にかけてで、初演は24年の12月にローマで行なわれたと記録されています。 この時期、円盤レコードはかなりでまわっていたのでしょうが、 再生する蓄音機は手動の手回しが主流で、 電動蓄音機はまだ発売されていなかったはずです。 仮に開発研究中の装置を使ったとしても、 スピーカーシステムは無かったに違いありません。 実際の演奏会場で聴いていたお客さんたちの耳には、 ナイチンゲールの鳴き声がどのように届いたのか興味があるところです。

私たちのオケでも鳥の鳴き声は録音されたものを音源として使います。 普段の練習では省きますが、 演奏会の本番が近づき会場のホールでのリハーサルで、サウンドチェックを兼ねて試してみました。  他の演奏会を聴きに行ってもCDを聴き比べてもそうなのですが、 巨大なサンクチュアリーに迷い込んだかのように感じ・・・、 小鳥が多すぎるんです。

都会の真ん中でも 日が暮れるとねぐらにしている街路樹におびただしい数のスズメが戻ってきて、 チュンチュン チュンチュン とうるさく鳴いているのを目にすることがありますが、 「ローマの松」 の 「ジャニコロの丘」 はまさにそんな感じがします。 レスピーギはロマンティックな情景を演出するために レコードを使うことを考え出したのかもしれませんが、 私には ロマンティックどころか、 上から落ちてくる鳥の糞が心配で、 ジャニコロの丘でのデートはご免被りたいものだ・・・ と考えてしまいます。