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野生の思考



エンジェルファームの鉢植えのヴィオラ。











ヴィオラの花は、学生時代に読んだレヴィ=ストロースの
「野生の思考」を思い出させてくれます。
この表紙を飾っているのが野生のパンジー、つまりヴィオラです。
最近は、いろいろな品種をかけあわせた栽培品種がでまわっていますが
この表紙を飾っているのは、西洋の野生種なのでしょう。
私はこの本に大きな影響を受けました。

本の冒頭に、こんな話がでてきます。

 ネグリトの男はたいてい誰でもきわめて容易に少なくとも
 植物450種、鳥類75種、ヘビ、魚、昆虫、ほ乳類の
 ほとんどすべて、さらにはアリ20種の名称を言うことができる

 現地人(ガボンのファン族)はするどい能力でもって
 海陸の全生物の諸属性や、風、光、空の色、波のしわ
 さまざまな磯波、気流、水流などの自然現象のきわめて微細な
 変化を記すことができた。

 ハスノー族の活動のすべて(ほとんどすべて)には
 土地の植物に通暁し、植物分類の正確な知識をもっていることが
 重要である。自活経済の社会はその土地の植物のごく一部しか
 利用しないという説に反して、植物の利用率は93%にのぼる。

「La Pensee Sauvage」という題名の
Sauvage は「野蛮人」を意味する言葉・・・自分たちを文明人だと
思っているひとたちから見た侮蔑の言葉です。
でも植物に用いると、「野生の」という意味になり
Pensee もまた「パンセ(思考)」という意味であり
「パンジー」という意味にもなります。

「野生のパンジー」と「野蛮人の思考」をひっかけ
「野生の思考」とした・・・まあダジャレですね。

自分たちを優越した文明人だと思っているひとからみたら
アフリカやアジアの原住民族は無知蒙昧な野蛮人に見えた。
でも偏見を持たずに接してみると、彼らは驚くべき
野生の思考を持っていたわけです。
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