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アンチンボルド



高速道路も走って片道3時間以上かけて
福岡市博物館に行ってきました。
アンチンボルドのこの驚くべき絵を見るために。

なんと63種類の植物(花、フルーツ、野菜、穀物)を組み合わせて
肖像画を描いている。

描かれたのは神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ二世。
皇帝でありながら政治に情熱がなく
女性にも関心がなかったという。

錬金術師や占星術師を集め
天文学者ティコ・ブラーエやヨハネス・ケプラーを庇護した。
たくさんの優れた画家たちのパトロンになった。
そのひとりがアンチンボルドでした。

ルドルフ二世はこの肖像画をたいそう喜んだという。
描く画家も画家だけど、喜ぶ皇帝も皇帝。
そうとうぶっとんだセンスですね。
“平凡”という言葉と対極にある恐るべき感性です。

画家は1526年~1593年のひと。
皇帝は1552年~1612年のひと。

けれどこの絵、現代美術だと言われても通じます。
いいえむしろ自然、生命、大地、地球の存在を
忘れたことから生じる現代文明の危機に対して
何事か語りかけてるようにも見えます。
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