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ポスト物質主義


http://expandingrealitythemovie.com/

昨日のブログの続きです。
"Manifesto for a Post-Materialist Science"のことです。
強く心打たれました。

中世ヨーロッパに存在したキリスト教支配。
それが自由な科学的探究を妨げました。
地動説を擁護したジョルダーノ・ブルーノは
そのせいで処刑されました。
自然界のことハーブのことに詳しく
知恵があり癒しの能力のある女性を「魔女」だと判決し
火あぶりの刑に処しました。

時代は変わり、科学が著しく発展し
科学のチカラで産業革命が起き
人間の生活スタイル、環境、産業、医療は一変します。
新幹線、飛行機、高速道路、インターネット、スマホ
高層ビル、人工頭脳、原子爆弾、原子力発電・・・

科学万能の時代です。
でもこの科学はいわゆるマテリアリズムの科学。
唯物主義の科学だったために
魂とかスピリチャル、意識、精神といわれるものを軽視し
それらもまた物質の働きであると考えた。

でもそうなると人間はモノになってしまう。
機械の部品の一部のようにみなされてしまう。
経済効率で動かされてしまう。

「霊的存在」としての尊厳は奪われる。
霊的とかスピリチャルとか
そういう見方は「非科学的」であると非難される。

パソコンとかロボットが壊れた・・・
「死」はそのようなものとみなされ
粗大ゴミのように効率よく焼却される。
死は消去でしかない。

人々の記憶のなかに生き続けるとか
やすらかに眠るのだとか
天国に行くのだとか
墓とか仏壇のなかで生きるのだとか
さまざまに想像、迷妄されているけれど
悲しみを避ける慰めのためにそういうふうに言うだけで
科学的認識としては死は消滅を意味します。

科学と宗教の立場は逆転し
科学はかつての中世キリスト教のような
絶対的な権力を持っています。
おごりたかぶった科学は
科学的根拠(エビデンス)があるので
原子力発電所は絶対に事故は起きないのだと豪語した。

"Manifesto for a Post-Materialist Science"を読むと
科学の新しい時代が始まったと感じることができます。
科学と宗教、芸術や哲学の和解が始まったようです。
本当はそれらが対立する必要なんかなかったんです。

多様な角度・視点で世界を感じ考え探求し
みんなで協力して世界を豊かにしていく・・・

18条
The shift from materialist science to post-materialist science
may be of vital importance to the evolution of the human civilization.
It may be even more pivotal than the transition from geocentrism to heliocentrism.

物質主義科学からポスト物質主義科学への移行は
人間文明の進化にとって極めて重要であるかもしれない。
それは、地動説から天動説への移行(コペルニクス的転回)よりも
もっと重要であるかもしれない。

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ものすごく重要だと思います。
希望でもあると思います。
もし科学が物質主義・唯物論にとどまり続けたら
人類と地球の破壊が早々にやってくると思います。
というかすでにそのプロセスが急激に進行している。
かなり絶望的・危機的状況になってきた
そのことがこのマニフェストを生んだのでしょう。
起草者のひとりであるラリー・ドッシー博士のWebサイトをみると
ここまで追いつめられたからこそ、このタイミングで
こういう思想がでてくるみたいな表現がありました。
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