ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

久しぶりに始まったマイコプラズマ肺炎

2024-08-26 10:34:08 | 健康・医療
私は新型コロナで肺炎となり入院して以来肺が弱くなったようで、その後も肺炎になりかかったりしています。それでもここ数カ月は問題なく過ごしていますが、色々と感染予防に注意を払っています。

最近新たに流行が始まったのが、マイコプラズマ肺炎です。別に新しい感染症ではなく、一般的な肺炎の20%から30%を引き起こす原因として知られており、特に6歳以上の子供の肺炎では、半数以上がマイコプラズマが原因だという報告があります。

マイコプラズマ肺炎は通常3〜7年ごとに流行し、その流行は1〜2年続くことが知られています。ここ数年は流行が無く、特におおきな流行としては8年ぶりとなります。他の感染種と同じように、新型コロナ感染症の流行により、感染対策を徹底して感染が治まっていたことも一因でしょう。

長期間流行が無かったため、多くの人がマイコプラズマに対する免疫を十分持っていない状態になっているようです。2023年秋に中国で原因不明の肺炎が流行しているという報道がありました。

この感染症の原因はマイコプラズマではないかと考えられ、北京では2023年9月に患者数が急増したことが報告されました。実に外来患者の25.4%、入院患者の48.4%、呼吸器疾患患者の61.1%がマイコプラズマ肺炎に感染していたとされています。

さらにこの肺炎は、デンマーク、フランス、オランダなどの国々でも症例が増加しました。マイコプラズマ肺炎は、一般的な肺炎と似ています。発熱、咳、倦怠感などが主な症状で、その中でも頑固な咳が最も有名です。

しかしこの肺炎は「歩く肺炎」とも呼ばれ、症状が比較的軽いケースも多いため、気付かないうちに感染を広げてしまう可能性があります。最近まで小児科外来でマイコプラズマ肺炎の確定診断を行うことは、時間と手間がかかる作業でしたが、新しい検査法「LAMP法」が普及してきています。

LAMP法はマイコプラズマを高い精度で検出できる方法で、最近になって保険適用も認められました。ただこの検査は、通常専門の検査機関で行われるため、結果が出るまで数日かかることがあるようです。

またマイコプラズマは肺炎だけでなく、体のさまざまな部位で感染を引き起こす可能性があるため、のどや鼻の検査だけでは見逃してしまう可能性もあります。

マイコプラズマ肺炎の治療には抗生物質が用いられますが、一般的な肺炎に使用されるβラクタム系抗菌薬は効果がありません。代わりにマクロライド系やテトラサイクリン系の抗菌薬が使用されます。

この様に症状や治療法は一般的な肺炎と同じですので、特にマイコプラズマに注目する必要はないような気がしています。

自民党総裁選有力候補は絞られたのか

2024-08-25 10:31:58 | 時事
政治に興味がなくよく分からない私でも、自民党の総裁選は次期総理大臣を決める選挙として注目しています。

同じような時期に立憲民主党も代表選をやるようですが、単なる野党の党首を決めるだけの選挙ですので、埋もれてしまうのはやむを得ないでしょう。

少し前に岸田首相の総裁選不出馬についてブログで書きましたが、実は岸田首相は全く知らない政治家でした。いつの間にか総裁選で選ばれ、首相になったという感じでした。この時の総裁選の記憶がありませんので、それほど注目されていなかったのかもしれません。

今回は自民党が危機に瀕しているという状況といわれていますが、日本はまだ2大政党制になるには野党がいかにも貧弱な感じがします。民主党政権時代があまりにもひどく、立憲民主党と名前が変わっても内容は変わっていないような気がします。

そういった点では、今回の総裁選で誰が選ばれても自民党政権は当分続くでしょう。さて今回の総裁選では、最初に出馬を表明した小林氏に続いて、高市氏や石破氏も近く出馬を表明し、小泉氏も出馬の意向を固めていると報道されています。

今回は出馬を目指す候補は11人とも12人ともいわれており、これまでにない乱戦模様です。総裁選は言うまでもなく、自民党員と党所属の国会議員が選ぶ選挙であり、私のような一般の国民には投票権がありません。

従って国民に人気のある候補が選ばれるとは限らず、時に国民の民意とはずれた総裁が誕生することがあります。しかし今回は事情が異なると言えそうで、誰が見ても驚くような候補を選ぶ必要がありそうです。

どんな候補かといえば、ひとつは「女性」です。これまで女性の自民党総裁はいませんので、女性というだけで相当なインパクトがあるのは確かです。今候補に挙げられているのは、高市氏、川上外相、野田氏の3人です。

もうひとつは「若さ」といえるでしょう。多くの候補者の中で、ともに40代の小林氏と小泉氏は群を抜いて若くなっています。もちろん政治家は若ければいいという話しではありませんが、今回は別です。多くの国民が既成の自民党政治家にうんざりしています。

そうした視点で眺めると、茂木氏、林氏、石破氏、河野氏辺りは古い政治家といえるのかもしれません。こういった点を考えると、高市氏、小林氏、小泉氏が有力候補として残ることになります。

ただ私は「カネと政治」を問題視しているのは、多くの国民ではなく騒ぐのが好きな人とマスコミだけではないかと思っています。

そういった点からは、上記3人ではなく、これが最後になりそうな石破氏辺りが選ばれても良いのでは、と感じています。

心臓・血管修復用の頑丈なパッチを製品化

2024-08-24 10:32:04 | 健康・医療
大阪医科薬科大学と企業の帝人などが、心臓や血管を修復する際に用いる、劣化しにくく頑丈なパッチを製品化しました。

これまで化学合成品や生体組織を使う方法がありましたが、成長のたびに手術が必要にとなったり、使用可能な量に限界があったりと欠点が多くありました。

今回製品化した「シンフォリウム」は、日本で古くから伝わる編み物の要領で、隙間に細胞がうまくフィットするような形状にしました。従来用いてきたフッ素系工業製品や牛の心膜などを使うと、癒着で再手術の難易度が上がったり、心臓の表面が分厚くなったりします。

さらに素材の劣化や成長に伴い、再手術が必須となっていました。新素材にできそうな丈夫で伸びる布の形態を考えてみましたが、着物や帯のようにタテヨコの糸が直角に交わる織物の形状では、強度があって組織が入り込めません。

ストッキングに見られるような、ふわふわの編み物では組織が入り込めるのですが強度不足になります。これらを解決するハイブリッドな素材を作るため研究チームは産学連携で取り組むことにしました。

福井市の生地製造業が絹の編み物を作っているというニュースを見て、連絡を取り「心臓や血管に使える劣化しない布を作って欲しい」と伝えたところ、快諾し多くの試作品を作りました。

試行錯誤の末、1年かけて結晶性高分子のポリ乳酸を使った吸収糸と、ペットボトルの素材であるポリエチレンテレフタレートを使った非吸収糸を編み、そこをゼラチン膜が覆うような柔らかい素材のパッチに仕立てました。厚みは0.4ミリメートル以下となっています。

研究チームが試しに実際の手術に使用している針と糸で縫ってみると、スムーズに縫い合わせができました。体内に入れると3か月でゼラチン膜が分解されて、組織がそこに入りこみます。

2年経つと吸収性糸が溶け、それ以上の年月が経つと非吸収性糸が伸びて組織になじむ仕組みとなりました。このパッチを心室中隔欠損症の赤ちゃん3人に実際に使ったところ、5年経過後も異常はありませんでした。

帝人と組むことで医療品としての承認が得られ、保険適用となりました。今年6月から全国の医療機関への販売を始めました。今後は幅広い世代の心疾患がある患者に、パッチを使った全国31施設の150症例を追跡調査し、経年での問題が生じないか精査するとしています。

これからは心臓の人工弁といった常に動く素材についても考えていきたいとしています。今回の承認にどのくらいの時間がかかったか分かりませんが、こういった有効な医療品は一刻も早く実用化すべきと考えられます。

ヒトの寿命がどんどん延びている意外な理由

2024-08-23 10:32:47 | 
私は現在77歳ですが、67歳まで現役を貫き引退してからの10年はあっという間に過ぎたような気がします。歳をとるると1日が長くなり、1年が短くなるというのは本当の感覚なのかもしれません。

現在高齢者の定義を65歳から70歳に引き上げるという議論がなされていますが、高齢者が元気になっているのは確かなようです。私が若いころは70歳というとよぼよぼの年寄りというイメージがありましたが、現在では80歳でも十分元気なようです。

現役の労働環境が変わり、腰が曲がってくることが無くなったのも見た目に関与しているのかもしれません。超高齢化に至ったその背景には様々な要因がありますが、そのひとつは医療の発達です。

罹ったら終わりと思われていたガンも、医療の発達によってもはや治らない病気とはいえなくなっています。ヒトの生物学的な寿命は何歳ぐらいと想定されているかというと、だいたい「120歳」ぐらいと考えられているようです。

ただ私は色々な話を聞くと110歳ぐらいにひとつの壁があるような気もしています。また最近の研究によると、100歳以上の人の寿命の延びるペースはここ20年ほど鈍化しており、105歳以上の人が増えておらず、人間の寿命の限界は115歳ぐらいだと考えられるとしています。

寿命の話しになるとよく出てくるのが、アフリカに生息するハダカデバネズミです。近年多くの企業や研究機関がハダカデバネズミを対象として抗老化研究に投資をしています。こういった研究からもヒトの生物学的寿命は120歳ぐらいとするのが妥当とされているようです。

ハダカデバネズミの寿命は30年で、これは通常のネズミと比べると10倍も長い寿命です。ネズミの中にこれほど長寿の種がいるという事は、人間にも当てはめることができるとしていますが、私はかなり疑問に思っています。

人間の臓器の耐用年数はだいたい50年ぐらいだと考えられています。ネズミの亜種であるハダカデバネズミのように、人間の中にも理想的な環境が整えば150歳ぐらいまで生きる人がいてもおかしくないとしています。

終戦直後の1947年、日本人の平均寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳でした。だからといってみんなが50歳前後で死んでいたわけではありません。50年という目安を超えてしばらくするとようやく60歳、「還暦」を迎え盛大にお祝いされました。

最善の生存環境が整い、突然死に見舞われなければ、120歳ぐらいまで生きるのは理屈の上ではやはり可能としています。

私は120歳どころか平均寿命ぐらい生きればよいと思っています。最近親しい友人が3人もガンで亡くなりましたが、どこまで生きられるかは自然に任そうと考えています。

1兆円市場のクスリ「降圧剤」の恐怖の「罠」

2024-08-22 10:31:47 | 
私の知人でも降圧剤を飲んでいるのは多いようですが、私は昔は低血圧で現在はほぼ正常な血圧になっています。

日本では年間に、およそ11兆円分もの膨大なクスリが処方されています。そのうち1兆円に迫る市場規模を誇り、大きな割合を占めるのが高血圧のクスリ降圧剤です。

高血圧の受領者、つまりクスリを飲むなどして治療を受けている人の数は3000万人といわれています。降圧剤にも無数ともいえる種類がありますが、実はそれぞれに「重大な副作用」のリスクがあることを、あまり意識せずに飲んでいる人が大半となっています。

降圧剤は主に、ARB、ACE阻害剤、Ca拮抗薬など6つのカテゴリーに分けることができます。中でも近年「使いやすい」として広く普及し、良く処方されるクスリがARBで、1998年に初めて発売され、2000年代からポピュラーになりました。

降圧剤の中では新しいジャンルで、アジルバやオルメティックなどこれまで7種類が承認されています。ARBの正式名称は「アンジオテンシン2受容体拮抗薬」で、体内で作られる血圧を上げる作用を持つアンジオテンシン2の働きをブロックすることで、血圧を下げるクスリです。

一般に降圧剤の中でもARBは副作用が少ないとされています。ところが厚生労働省が随時発表している「医薬品・医療機器等安全性情報」を見ると、そのARBにも新しく見つかった副作用が次々と報告されています。

特に7種のARBすべてに共通している副作用が、腎臓と肝臓に障害を起こす恐れです。腎機能障害、高カリウム血症および低血糖を起こす恐れがある、肝機能障害があらわれることがあるとしています。

医師の間では、ARBは他の降圧剤よりも、血圧を下げるうえで重要な腎臓への負担が小さいとされていますが、高齢者だとそうならない場合があるようです。

高齢になると腎臓の働きが弱くなる患者が多いので、ARBを処方すると血圧が下がりすぎて腎臓の血流が減り、腎臓がいわば貧血になって腎機能を低下させる恐れがあるようです。

レニベースなどのACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬は、腎臓への負担は少ないものの、重大な副作用として血管浮腫や無顆粒球症といった耳慣れない症状が記載されています。血管浮腫とは顔や口の中などの皮膚が、大きく腫れあがる症状です。

喉の中が腫れることで呼吸困難になる事例もあるとしています。また無顆粒球症を発症すると、体内で病原菌などを殺す白血球の一種「好中球」が激減し、免疫力が弱まってしまいます。最初は風邪のような症状ですが、放っておくと敗血症といった命にかかわる病気にもつながります。

その他色々な副作用がありますが、クスリは何らかの阻害などで薬効を出しますので、副作用が出るのは当然と思っています。

本来医師はこの副作用まで熟知してクスリを処方すべきですが、その辺りが疎かになっていることが問題かもしれません。