ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

カタツムリの粘液にガンや細菌を抑える効果

2024-02-19 10:30:37 | 
少し前までは庭の植木にカタツムリをよく見かけたのですが、最近は見たことがありません。庭に来る小鳥が増えたのか、やはり自然環境は変化しているようです。

カタツムリの粘液を配合した化粧品は、世界中で人気を集めています。カタツムリの粘液(主成分は「ムチン」と呼ばれる高分子糖タンパク質)を用いたスキンケア製品は、韓国でブームになった後、ソーシャルメディアでも広く話題になりました。

この歴史は古く、1980年代にはカタツムリを食材としてフランスに出荷していたチリの養殖業者たちが、自分たちの手がすべすべになり、ケガをしても傷が速く治ることに気づきました。この発見がきっかけとなって、南米ではカタツムリの粘液が人気となりました。

カタツムリが分泌する粘液は、保湿効果があり抗酸化物質が豊富に含まれ、老化のサインを減らすコラーゲンの生成を促すと宣伝されています。

科学者たちは、スキンケア以外の利用法についても研究を進めています。カタツムリの粘液がやけどの治療や傷の回復に役立つことは研究で示されており、この粘液には抗菌性や抗真菌性もあることが分かっています。

2018年に発表された初期段階の研究では、ヒメリンゴマイマイの粘液が皮膚ガン細胞の成長を抑えたことが確認されました。ニューヨーク市立大学は、エスカルゴ養殖場からカタツムリを集め、3種類の粘液を分析しました。

背側を保護する粘液、腹足から得られる粘着性の粘液、同じく腹足の潤滑性の粘液の3種類です。その結果3種類の粘液は硬さや粘り気が異なり、成分の構成も違っていることが分かりました。野生のカタツムリの場合、この3種類の粘液が異なる役割を担っています。

潤滑性を担う粘液はコラーゲンが多いので硬めで、粘着性を担う粘液はカルシウムが多いので粘り気が強くなっています。この様な性質のおかげで、カタツムリは移動したり、表面に貼りついたりすることができるとしています。

この粘液には、体内の潰瘍や感染症による傷を修復する接着剤として、また生物工学における天然接着剤としての用途が考えられます。さらに「薬物送達物質」としても十分に機能し、薬と一緒に投与すると、体の粘膜で薬が吸収されるのを促します。

またカタツムリ粘液から抽出された潤滑成分は、ドライアイの治療に使う点眼薬の開発に利用されています。このようにいろいろな使い方が開発されていますが、現在の需要に応じるには大量のカタツムリが必要となり、十分な量の粘液を採取するには高額な費用が掛かるようです。

やはり合成粘液の開発が必要ですが、まだ難しい段階と言えそうです。

脳梗塞リスクが5倍になる「不整脈」

2024-02-18 10:34:54 | 健康・医療
私は若いころからやや脈が速く(90前後)、気にした時期もありましたがどうも体質のようで放置しています。

健康な成人の脈拍数は1分間に60~100回ですが、何らかの原因があって脈が遅くなったり早くなったりするのが「不整脈」です。不整脈には脈拍が遅くなる「徐脈」と、速くなる「頻脈」があります。

脈拍が1分間に50回未満が徐脈で、息切れ、倦怠感、足のむくみなどが現れ、意識を失う失神が起きることもあります。1分間に100回を超えるものが頻脈で、動悸、息切れなどがみられ、徐脈と同様に失神を起こすこともあります。

そのほか脈が不規則に飛ぶ「期外収縮」と呼ばれる不整脈もあります。日ごろから自分の安静時の脈拍数を把握しておくことが、不整脈の早期発見には必要です。

心臓は四つの部屋に分かれており、右上に右心房、その下が右心室、左上が左心房、その下が左心室です。頻脈性不整脈が起きている場所によって、心室頻拍、心室細動、心房細動、心房頻拍などの名前がつけられています。

細動は細かく痙攣する様子を表し、頻拍は細動よりも痙攣の程度は低くなっています。「心房細動」では心房が300〜400回の割合で細かく震え、痙攣したような状態となり、心房から血液をうまく送り出せなくなります。

そのため心房内には血液が滞り、血栓を形成することもあります。また脳への血流も低下して、失神をきたすこともあります。「心室細動」では心室が同様に細かく震えるため、心室のポンプ機能は急速に失われて脳や全身に血液が送られない状態となり、失神・突然死をきたします。

突然死につながる危険性が高い頻脈が心室細動と一部の心室頻拍で、「致死性不整脈」とよばれることもあります。年間の患者数は心室細動が約5000人、心室頻拍が約1万2000人と推計されています(厚生労働省調査)。

この発作が起こる人で最も多いのが心筋梗塞や重症心不全などの心臓の病気が原因の物で、70~80%を占めるとされています。また30〜50代の比較的若い世代の男性に多い遺伝性不整脈のブルガダ症候群が心室細動の原因となることもあります。

頻脈の中で最も患者数の多いのが心房細動で、推定患者数は100万人以上と言われています。心房細動が怖いのは、放置すると脳梗塞のリスクが約5倍高くなるそうです。

さらに心房細動が原因の脳梗塞は脳のダメージを受ける範囲が広いために、死亡率が1.2倍になり重い後遺症になるリスクが1.4倍になるとされています。

心房細動の発症の大きな誘因は加齢ですが、そのほかに高血圧や心血管障害などの循環器系の持病や病歴があること、糖尿病、過度な飲酒、肥満などが挙げられています。

結局予防はいわゆる生活習慣病を注意する程度しかないのかもしれません。

「老後」とは生物学的にいつからなのか

2024-02-17 10:34:00 | 自然
私はもうすぐ77歳の喜寿を迎える歳になり、「老い」を感じることが多くなりました。

59歳で長年勤めてきた会社を退職し、すぐ住んでいる市にある企業研究所に派遣社員として勤務し、同時に2つの大学の非常勤講師を始めました。

こういった仕事も67歳でいわば定年となり、その後英文特許の翻訳という自宅でできることをやっていましたが、アメリカの特許制度の改革により中止となりました。現在は囲碁や麻雀、スロット、ギターやマリンバといった趣味を中心に過ごしています。

こういった生活も10年近くなり、何となく物足りない気がして、昨年末市の高齢者支援施設である「生きがい事業団」に登録しましたが、まだこれといった仕事の紹介はありません。

さてどこからが「老後」と定義づけられるのか、ヒトと似たゴリラやチンパンジーも老いを感じるのかという問題です。多くの生物にとって、老化して動きが緩慢になることは生存には不利なので、老化で身体がだんだん衰えていく状態は、積極的に選択されてきたものではなかったと思われます。

つまり生物の種の存続から考えれば、老化などない方が良く老いずに死ぬ、つまりピンピンコロリと死ぬほうが良いことになります。ヒト以外の動物は、単純に子供の産める期間まで、つまり未成熟期および生殖可能年齢を老いていない期間としています。

ヒトは50歳前後で閉経を迎える女性が多く、この時期で排卵がなくなるので以降は子供を産めません。その前後でのホルモンバランスの変化(いわゆる更年期症状)によって体の不調を訴えることもありますが、それ以外の肉体の衰えはそれほど顕著ではありません。

他の動物との比較の都合で、ヒトの場合も閉経を老いの境界線として使っています。ヒトでは未成熟期間も含めた生殖可能年齢、つまり「老いていない期間」は閉経までの約50年で、その後亡くなるまでの期間が約30年あります。

つまり生物学的には人の約40%の期間が産むという機能を喪失した、ある意味老化した「老後」となります。ここで着目するのは人と同じ大型霊長類であるゴリラとチンパンジーです。

だいたいヒトと同じ時期に閉経を迎えますが、その後子供が産めなくなったらすぐに寿命を迎えて死んでしまい、老後はないのです。他の哺乳動物を見ても、若干の例外はありますがほとんどが「老後」はなく、死ぬまで子どもが産めるのです。

このように老後は人という「種」の特徴となっていますが、なぜ老後があるのかについては色々な説がありますが、主なものは子育ての特徴のようです。この点については色々な面白い説がありますので、また取り上げるかもしれません。

科学的根拠の信頼度が低い血圧の基準値

2024-02-16 10:31:15 | 健康・医療
私は血圧が低い方で、77歳になっても120代しかありません。低血圧かもしれませんが、特に症状もなく問題なく過ごしています。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」では、上が130~139かつ下が85~89の場合は、高血圧予備軍とみなされます。上が140、下が90を超えるとひとくくりに高血圧とみなされ、薬を処方されるというのが今の高血圧事情です。

1960年代後半に日本の医学部で最も広く使われていた「内科診断学」という教科書には、日本人の年齢別平均血圧の算出法として、「最高血圧=年齢+90」という算式が載せられていました。つまり私なら160以下で正常ということになります。

ところが1999年にWHO(世界保健機構)とISH(国際高血圧学会)が「140/90」以上は高血圧と定義しました。すると日本高血圧学会もこれにならい、2000年に140以上を高血圧とし、目標数値を130未満にまで引き下げたのです。

しかしこの時点ではまだ、70歳代の高血圧の目標値は150〜160、80歳代では160〜170と年齢によって幅を持たせていました。ところが2003年になるとこの年齢別の数値も撤廃し、何歳だろうと一律に140/90以上で降圧剤を処方するとしたのです。

その一方で日本人間ドック学会は、2014年に「健康の検診の基準範囲」で、健康な血圧上限を147/94としました。このため高血圧の基準がゆるくなったと報道されたりしましたが、日本高血圧学会は「科学的根拠の信頼度が低い」と強く反論しました。

その為多くの医師は140を超えたら「高血圧」と降圧剤を処方しているのです。私は最低血圧はあまり気にしていませんが、120/90などと幅が狭めだったり逆に150/80と広かったりすると気になる人もいるようです。

一応の目安としては血圧の差が40〜60の範囲に収まっているなら、特に心配する必要はないとしています。差が狭い場合も、最高血圧が正常範囲なら気にしなくてもよさそうです。実際は血圧計の使い方が間違っている場合が多く、病院で測定してもらう方が確実です。

むやみに高血圧を恐れる必要がない理由は、いろいろあります。そのひとつに「血圧の個性」があります。上が140ぐらいでちょうどいいという人もいれば、反対に100ぐらいしかないという人もいます。

血圧にも個性がありますので、140以上は高血圧ですとしてしまうのはおかしいといえるようです。薬を飲むと血圧は下がるが、またすぐに上がってしまう。薬を飲む前の血圧が自分にとっての正常値ではないかという意見はかなり正しいようです。

結局極端に高くなければ、140という数値にあまりこだわる必要はないと言えるのかもしれません。

ガンの再発を予防する「簡単なこと」

2024-02-15 10:36:46 | 健康・医療
健康のため運動が重要とよくいわれますが、私はこれを若干疑っています。

ひとつは私の母のことで、母は小児まひで右足が麻痺していました。歩くには松葉づえが必須で、若いころはそれなりに出ていましたが、歳をとってからは全く出掛けなくなり家でじっとしていました。

当然運動など全くやっていないのですが、89歳というまあまあの長寿を全うしました。さて筋肉は年齢とともに衰え、そのことが原因で免疫力が下がったり、生活習慣病を引き起こしたりすると言われています。

運動がガン予防に効果的であると言われ、既にガンを患った人の生活の質を改善することも報告されています。

ある研究グループが、ガンを患って手術・化学療法の治療が一応終了した20名(女性18名、男性2名、年齢30〜70歳)を対象に、6カ月間のインターバル速歩トレーニングを実施し、その前後で体力測定やQOLに関するアンケート調査を行いました。

その結果トレーニングの実施率は50%で2日に1回と非常に高く、6か月後には最高酸素消費量が18%、膝の進展筋力が14%向上し、血中総コレステロールが5%低下しました。

さらにアンケート調査によれば、ガン発症前の生活習慣について、全く運動をしなかったあるいは少し運動をしていた程度の人が全体の90%以上でした。

また仕事が多忙で生活にストレスを感じて睡眠不足だったと答えた人が全体の80%もいましたが、インターバル速歩によって70%以上の人が睡眠が深くなった、体長が良くなったと答えています。

通常患者ががんの再発を予防するために何か自らできることはないかと医師に尋ねると、大抵の医師はとりあえず何もない、定期検診に来て後は任せてくださいと答えるそうです。

その結果自分の人生を医師に握られてしまったという印象を持ち、いつもがんの再発を気にして、積極的に自分の人生を切り開く意欲をなくしてしまうことが多いようです。

運動によってガンの再発リスクを下げることができるという研究結果は、患者がガンと闘える大きな武器を手に入れたと感じるようです。そしてガン患者同士お互い励まし合いながら運動をするという行為は連帯感を生み、社会からの孤立感を和らげることになり、生活の質が大いに改善するとしています。

こういった運動ががんの再発を予防できるかの科学的証明ができているとは言い難いようですが、患者の精神的よりどころになることは確かかもしれません。

私は基本的歩くのは嫌いですので、下手なテニスでもして少し運動するという事になるのかもしれません。