ごっとさんのブログ

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身近にある薬が腎臓に負担をかけている可能性

2023-07-08 10:34:55 | 
私は長年薬の研究をしていましたが、標的とする病気をいかに早く効果的に治すかを目的にして、多くの化合物を合成してきました。

しかし有効な薬を見つけることができても、それを投与し効果を発揮してから排泄されるまで、多くの臓器が関わっておりそこに何らかの負担がかかっていることが気になっていました。

実際最近では、鎮痛剤や胃薬など普段何気なく飲んでいる薬が実は腎臓に負担をかけている場合があることが分かってきました。

専門家によると薬局に売られていて普段から身近にある薬でも用法や用量を守らないと、腎臓にダメージが残ってしまい、最悪の場合透析を余儀なくされることもあるとしています。これは腎臓がほとんどの薬を尿として身体の外に出す役割を担っているためです。

従って使い方を守らないと、排泄されずに腎臓に薬が残ってしまい、ダメージを受けることになります。また腎臓の機能が落ちている人が、普通の人と同じ量の薬を飲むと代謝されず、過剰に効果が発揮されてしまいます。

薬によって腎臓にダメージを与えてしまうことを「薬剤性腎障害」といい、これにはいくつかのパターンがあります。ひとつは薬の影響で腎臓の血管がしめられてしまい、腎臓に血液が廻らなくなり腎臓の機能が落ちてしまうパターンです。

さらには薬の作用で尿細管という尿の通り道が詰まり、やはり腎臓の機能は落ちてきてしまいます。他にも薬のアレルギー反応によって、腎臓の機能が低下する場合があります。具体的には身近な存在である解熱剤と鎮痛剤です。

中でも非ステロイド性抗炎症剤、通称NSAIDsと呼ばれる薬が腎臓の機能を低下させてしまうことがあります。このなかでも処方されることが多いのがロキソニンです。

腰痛がつらくてロキソニンを飲みすぎたり、頭痛が治まらず飲み続けたりしてしまうと、急性腎不全や腎臓のクレアチニンの数値が上がって入院することもあるようです。解熱鎮痛剤は痛みや体温上昇のもとの原因となる炎症で発生するプロスタグランジンの生産を止めるものです。

このプロスタグランジンは血管を拡張する役目があり、ロキソニンなどの薬を飲みすぎると血管が収縮し、腎臓に十分な血液が流れなくなることがその原因です。

次が胃薬で、京都大学の21万人を対象としたデータでは、胃薬だけでも腎不全のリスクが上がり、解熱鎮痛薬を併用するとさらにリスクを上げてしまうという結果が出ています。

ここでは解熱鎮痛薬と胃薬を取り上げましたが、その他抗生物質や造影剤にも腎機能を低下させるリスクがあるとしています。やや腎機能低下リスクを強調しすぎた感はありますが、やはり薬は十分注意して使用する必要があるようです。


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