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マイクロCTC検査で全身のガンを早期発見

2023-04-19 10:35:42 | 健康・医療
ある統計によると5大ガン(肺ガン、胃ガン、大腸ガン、子宮ガン、乳ガン)では、ステージ1で発見された場合の5年生存率が94%なのに対し、ステージ4まで進行していた場合では23%と低下するというデータがあります。

こういう点からも早期発見が重要で、色々な検査法が報道されています。受診者に負担がないものとして、血液中のガンマーカーの検出や線虫による尿検査などが宣伝されています。しかしなかなか一般化せず、ガン検診などには入ってこないというのが現状のようです。

順天堂大学などが開発した1回5分の採血だけでガンリスクを発見できる「マイクロCTC検査」が今年5月から実施されるようです。

ガンは1ミリぐらいの大きさになると血管とガン細胞自身をつなげる新生血管を作り、それを通して血管から酸素や栄養を吸収し更なる増殖をしていきます。その新生血管を通して血中に漏れ出したガン細胞を「CTC:血中循環ガン細胞」と呼んでいます。

これを捕捉できる検査が欧米のガンの先端研究で大きな注目を集めるCTC検査で、この検査をさらに進化させたものがマイクロCTC検査です。

ガンは悪性度の低い「上皮性ガン細胞」が悪性度の高い「間葉系ガン細胞」に変化すると、浸潤・転移の高い能力を持つようになります。マイクロCTC検査は、この悪性度の高い間葉系のガン細胞のみを血液検査で特定し、個数まで正確に見つけ出すことができます。

それによりたった一度の採血だけで、白血病や悪性リンパ腫などの血液のガン以外の全身のガンリスクを明確に発見可能としています。どんな検査をするにしても、正確な結果を出すために血液は新鮮であることが重要です。

マイクロCTC検査は採血してから翌日には直営の検査センターに血液を輸送し、血液が新鮮な状態で検査を行います。

日本の厚労省に当たる米国FDA(食品医薬品局)の承認を取っている米国の会社の検査法でも特異性は83.35%であったのに対し、マイクロCTC検査では94.45%とより高精度でガン細胞を検出できるとしています。

ガンは国内における死因トップであるにもかかわらず、時間がないとの理由でガン検診の受診率は50%にも満たない状況です。時間に余裕がなく普段健診を受ける機会が少ない人でも、短時間で受けられるのが良いポイントとなっています。

このマイクロCTC検査が一般的なガンの検査法になるかは難しい問題です。ガンマーカー検査などは30年以上前に方法が確立していますが、唯一前立腺ガンのPSAのみが認められているにすぎません。

日本は昔から実績を重んじる国ですので、よほど画期的でないと一般に使われる様なガン検診の項目には入らないようです。この検査法も一部の医療機関のみのマイナーな検査法で終わりそうな気がします。


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