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科学的に「頭をよくする方法」はあるのか

2021-03-31 10:26:48 | 自然
歳をとるとだんだん頭が固くなってくるといわれていますし、柔軟な発想ができる人は頭が柔らかいと表現しています。

この頭が固い・軟らかいというのが科学的にみてどういうことなのかを解説した記事が現代ビジネスに掲載されていました。

科学的に見て頭が柔らかい状態とは、脳細胞同士のコミュニケーションが円滑で効率が良いことと言えます。脳細胞の情報伝達は常に一定ではなく、状況に応じて強めたり弱めたりすることでその効率が長期にわたって変化することが分かっています。

この現象を「シナプス可塑性」と呼んでいます。最新の研究では、グリア細胞の一種であるアストロサイトがシナプス可塑性の調節を行うことで、脳の情報処理に関与していることが分かってきました。

アストロサイトは、脳細胞のニューロン(神経細胞)と異なり電気的な信号を発生しないため、不活性な脳細胞であると考えられてきました。

ところがアストロサイトは活性化すると、「グリア伝達物質」と呼ばれる因子を放出することで、シナプス可塑性を引き起こし、ニューロンの活動に影響を与えることが分かってきたのです。知性やひらめきなど柔らかい脳の働きは、アストロサイトが重要な役割を果たしているのかもしれません。

またヒトのアストロサイトは、サイズが大きく突起の数も多く複雑な構造を持っており、他の動物には見られない多様性があることも分かっています。

この辺りはまだ完全に解明されていませんが、ヒトではアストロサイトもニューロンのようにネットワーク形成しており、これが知性やひらめきと関与しているのかもしれません。

2013年アメリカでの実験では、ヒトの胎児から採取したヒトグリア前駆体細胞(将来アストロサイトなどのグリア細胞になる)を幼若なマウスの脳に移植しました。その結果移植されたヒトグリア前駆体細胞は、マウスの脳の中で成長しヒトアストロサイトに分化しました。

こうして生まれたキメラマウスでは、シナプス伝達の効率が良い、すなわちシナプス可塑性が生じやすいことが報告されました。このマウスに複雑な記憶・学習実験を行ったところ、普通のマウスと比べて記憶・学習の効率が良くなっていることが分かりました。

つまりヒトのアストロサイトが「頭が良い」ということのカギを握っていたのです。このアストロサイトを活性化する方法もいろいろ述べられていますが、例えば脳に弱い電流を流すことなどが試されています。

実際問題としてはこのような物理的な刺激を与えることは困難ですが、単に新しいものに興味を持ったり、珍しいことをやったりするだけでもアストロサイトを活性化できるようです。

私も長いこと中断していた麻雀を始めたりすることで、柔軟な脳を取り戻せるのかもしれません。


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