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失明の危険がある加齢黄斑変性の発症要因

2022-04-04 10:26:08 | 健康・医療
私は今のところ目に異常はないようですが、かみさんが数年前加齢黄斑変性の可能性があると診断されました。その後別の眼科医にかかったところ、この病気ではないと診断され一安心しました。

加齢黄斑変性(AMD)は多因子疾患といって、複数の要因が重なって発症する病気です。そのうちのひとつが老化ですが、成熟期を過ぎた細胞や組織が次第に弱って、最終的に生物としての終末を迎える現象です。

細胞が生きるための代謝活動で使う酸素の一部が「活性酸素」になり、これが細胞や組織を障害(酸化)することが挙げられます。これは酸化ストレスと呼ばれるもので、老化とは活性酸素による酸化ストレスで身体が錆びることなどと言われますが、これがAMD発症に深く関わっています。

視細胞は光刺激を電気信号に変える際に非常に多くのエネルギーを必要とします。起きている間絶え間なく働く視細胞は代謝が盛んで、多量の酸素を必要とします。

網膜の酸素濃度は身体のどの部分より高いといわれており、網膜はそれだけ活性酸素が発生しやすい状態にあるといえます。

また光を吸収する視色素も活性酸素の発生源になることが知られており、網膜色素上皮細胞の中に溜まっている老廃物であるリポフスチンも強力な活性酸素発生源になります。

網膜の視細胞にはDHAやEPAなどの酸化されやすい不飽和脂肪酸が多く含まれ、これらが活性酸素によって酸化され脂質ラジカルができます。これは細胞膜や細胞成分を傷害し変性してしまい、AMDを引き起こす大きな要因とされています。

次が遺伝ですが、特定の変異遺伝子を持つことで発症するのが遺伝病です。眼科領域で有名な遺伝病が「網膜色素変性症」で、この病気を引き起こす約100種類の遺伝子変異が見つかっており、日本人では8000人に1人の患者がいるとされています。

AMDには変異遺伝子がありませんので、いわゆる遺伝病ではないのですが、AMDになりやすい人とそうでない人がいます。AMDに関連する感受性遺伝子が複数判明しており、自分がどんな種類の感受性遺伝子を持っているかでなりやすいかどうかが決まるようです。

この遺伝子の詳細については省略しますが、これによってAMDの病態が加速するということがあるとされています。その他喫煙も発症要因であり、喫煙者は発症率が2.21倍になるという研究もあります。

こういったAMDの発症要因を見ていくと、主なものは活性酸素と遺伝子では予防する方法はないといえそうです。

この要因の最後に生活習慣病が挙げられていますが、結局食事や運動に気を付けることがAMDでも効果があるのかもしれません。


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