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コロナとアルツハイマーに類似の関連性

2022-02-04 10:25:26 | 健康・医療
新型コロナはオミクロン株感染が拡大しており、そろそろピークになるのではと思っています。

コロナの感染症から回復した後の後遺症で日本ではあまり聞いたことがありませんが、脳に霧がかかったようにぼんやりしてしまう「ブレインフォグ」と呼ばれる症状が出ることがあるようです。

この後遺症について判明したことのいくつかは、全米で600万人といわれるアルツハイマー病と関連性が出てきました。

アルツハイマー病の原因として最も広く受け入れられている仮説は、アミロイドβとタウという2つの異常なタンパク質が脳で増えてしまうという説です。アミロイドβは神経細胞の合間に凝集し通信を遮断し、タウタンパク質は神経細胞の中に溜まって細胞を死滅させるといわれています。

また別な原因として、ウイルスか細菌または真菌の感染が引き金となって体内で様々な異変が起こり、神経変性を引き起こすのではないかという仮説もあります。

重度の新型コロナ感染症で死亡した患者の病理解剖の結果、脳にウイルスの痕跡が全く見られない患者から、脳血管の中に少量のウイルスが隠れていた患者、さらに脳全体にウイルスが広がっていた例もあります。

また新型コロナに罹って亡くなった8人の脳サンプルを調べたところ、脳の免疫系の一部として機能するミクログリアという細胞が、アルツハイマー病患者と似たような病理変化を見せていたという報告もあります。

アリゾナ州にある研究所のグループは、ウイルスが匂いを分析する嗅球から脳に入り込んでいることを示す証拠があると指摘しています。嗅球から感情を調節する偏桃体へ、そしてさらに海馬へと移動するルートを示しています。

これらは認知と記憶に関係する領域で、この経路をウイルスが移動しているとすれば、他のタイプの認知症に酷似して見えるようになるのもうなずけるとしています。

最近ではニューヨーク大学のチームは、新型コロナに感染して入院した患者の13.5%が脳障害やてんかん発作、脳卒中などの神経疾患を新たに発症していたと報告しています。

また同大学のチームは入院時に患者から採取した血液サンプルを分析し、認知症の既往歴がなく入院中に認知症状を示したコロナ患者の血液中に、脳に損傷があることを示すタンパク質が多量存在していたことが明らかになりました。

この中にはp-tauというアルツハイマー病に特徴的なタンパク質もあったようです。このような研究で新型コロナに感染することでアルツハイマー病を発症するリスクが高まるのかは、あと数年はかかるとみられています。

それでもこの種の脳損傷をもっとよく理解することで、認知症の研究に新たなドアが開かれる可能性は十分にあるようです。


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