ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

健康診断が「病人を生む」カラクリとは

2023-11-12 10:36:29 | 健康・医療
私は現役のころは会社の健康診断を受けており、引退後は自治体補助の健診を受けています。

実は私は「75歳、医療からの卒業」という本を出しており、75歳を過ぎたら受けないつもりでいましたが(現在76歳)、医師に説明するのも面倒ですので何となく受診を続けています。

一口に健康診断といっても、「対策型」と「任意型」という2つのタイプが存在します。対策型は主に自治体などが実施しているもので、住民健診ともいわれます。住民健診の検査は、受けた人の死亡率が減ったりQOL(生活の質)が改善すると証明されたものに絞られています。

従って医療費削減などに繋がり税金を使って検査するメリットがあると認められています。任意型はいわゆる「人間ドック」のことで、受ける本人の希望でオプション検査を選べるようになっていて、ガンのマーカー検査やCT検査などさまざまな検査が行われます。

会社員が毎年受けている健康診断も任意型となっています。健康診断を受ける際気にするのは基準値でしょう。血圧や血糖値など項目別に正常範囲が示され、そこから外れると「要注意」「要精密検査」などとされます。

この基準値は最新研究の結果や医学会の意向、各国の政策など多くの影響を受けて決まるので、固定されたものではありません。例えば日本の高血圧の基準は、1980年代には180/100だったのが、今では140/80に引き下がっています。

最近も中性脂肪が空腹時とそうではない時で分けて基準値を設けるように変更が提案されており、今後「空腹時中性脂肪」という言葉も浸透していくことになりそうです。基準値が厳しくなれば、新たに「病人」と認定される人が増えていきます。

厳格化された基準値によって、「過剰診断」や「過剰治療」が生み出されていく問題があります。過剰な検査が行われてしまうのかについては理由が2つあります。ひとつは医療機関の収入につながるからです。

病気が見つかるほど病院は儲かるので、病気を見つけたいと必要以上に行動する可能性があるようです。もうひとつは医療機関のリスク回避です。見逃すと後で訴えられるかもしれないので「念のため」と検査をすることを薦めるのです。

受ける側も「念のため受けておこう」と思いますが、それは無駄な検査に自ら足を突っ込んでいる可能性があります。この健康診断の基本を踏まえ、次回は「本当に必要か」と疑ってみることが必要なようです。

以上が健康診断が病人を生む仕組みですが、色々なところに出てくる「念のため」という考えが過剰医療の根本にあるような気がします。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿