ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

抗生物質耐性菌で8000人が死亡

2019-12-18 10:32:04 | 健康・医療
抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」によって国内で8000人以上が死亡しているとの推計結果を、国立国際医療センター病院などの研究グループが発表しました。

耐性菌による死者は世界的に増加し、6月に大阪で開かれた20か国・地域首脳会議でも取り組みの強化が盛り込まれました。

抗菌薬投与は細菌による感染症治療の基本ですが、細菌も遺伝子を変えるなどして薬に耐える耐性菌が出現し始めます。この問題にどう取り組むかは世界の医療・保険分野での重要な課題になっています。

耐性菌は免疫力が落ちている人や高齢者が感染すると重症化しやすく死亡するリスクが高まります。日本でも全国の医療現場で院内感染を含めて耐性菌による死亡が増加するなどの深刻な影響が出ており、抗菌薬の適正使用などの対策が求められていました。

研究グループは、代表的な耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とフルオロキノロン耐性大腸菌(FQREC)の2種を対象に調査しました。

全国の協力医療機関から情報が集まる「厚生労働省院内感染対策サーベランス」のデータを基に、耐性菌による死亡の主要原因と考えられている菌血症の患者数を割り出して、死者数を推計しました。

その結果、MRSAが原因とみられる2017年の推定死者数は4221人で、2011年から減少傾向が見られました。その一方でFQRECは3915人で右肩上がりに増えていました。2種類の合計は8100人を超え、この2種以外の耐性菌による死亡も含めると死亡者数はかなりの数に上るとみられます。

研究グループによると、米国では年間35,000人以上、欧州では33,000人が死亡しているとの推計が発表されており、2050年には世界で年間1000万人も耐性菌により死亡するという予測もあります。

世界保健機関(WHO)も事態を重視して各国が協力して対策を強化するよう求めています。私はこの耐性菌は全く問題にする必要はないと思っています。今回の死亡者数もほとんどすべてが、他の病気による長期入院の高齢者ではないかと思われます。

病院は日常的に多くの抗生物質が使われており、いわば耐性菌の巣窟となっているはずです。そのためほとんど免疫力がない重症の患者が院内感染すると、元々の病気に重なり感染症の症状が出ますので死亡するケースが出てくる、つまりもともとの病気が原因か感染症が原因かわからないような状態となるわけです。

ですから今回の研究結果も推計値となります。健康な人が耐性菌に感染し、例えば肺炎で死亡するなどという事は絶対にないと言えます。

抗菌薬の適正使用を議論するよりも、病院内の院内感染を防ぐ方法を議論することが、耐性菌対策になるような気がしています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿