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病気の早期発見に新たな技術を開発

2023-02-09 10:46:37 | 健康・医療
病気の早期発見は、どんな病気であれ最も早く治すための必須の事項であることは確かです。

そのため健康診断やガン検診などが叫ばれていますが、なかなか受診率が上がらないのが現状で、そのひとつの理由が面倒な検査を受けるという事があるようです。

検査として血液や便、尿、唾液、汗などの液体のサンプルを検査することをリキッドバイオプシーと呼んでいますが、これは身体への負担が少なく、タンパク質の検出などによりガンや心血管疾患、認知症、感染症などを早期に検査できる手法となっています。

大阪公立大学の研究チームが、赤外線レーザーを照射することでタンパク質の抗原抗体反応を効率的に検出できる原理と技術を開発したと発表しました。

この技術を使って、一滴の血液からリキッドバイオプシーを行い、ガンや認知症、感染症などの病気に関する物質の検出を早期に発見できるようになるようです。

研究チームは、人間の血管の流路の中に抗体修飾ビーズと測定対象のタンパク質を導入して、レーザーによる光圧で濃縮すると相互使用効率を高めて抗原抗体反応を加速できるという基本的なアイデアから出発しました。

レーザー光という物理的な力を使い、物理学、化学、生物学の分野横断型の研究を行ってきました。ここで注目したのが、ヒトの身体の防御機構である免疫に関する抗原抗体反応です。この反応をレーザー光によって制御し、高感度かつ迅速に計測することで早期診断に繋げました。

抗原抗体反応では、抗原のタンパク質にエピトープという抗原決定基とパラトープという抗体決定基が結合します。例えば獲得免疫細胞の一種であるB細胞は、侵入してきた異物である抗原から抗体を作り出し、免疫機能として働かせます。

抗原であるターゲット分子と抗体であるホスト分子のような組み合わせが、他の分子とは結合できないような特異的な認識の仕組みを分子認識機構といいます。

この組み合わせを加速し、その反応を観察することでができれば、高感度に素早く抗原抗体反応を検出することができるわけです。

研究チームは幅100マイクロの狭い流路に抗原抗体反応を起こす分子を流し、上面から径70マイクロほどの赤外線レーザーを照射することでレーザー光の圧力により、抗原抗体反応の確率を高めるという技術を確立しました。

その後流路を流すことで結合した分子以外が除かれ、残った抗原抗体反応を捕捉することができます。この技術を使い3分間ほどのレーザー照射により、少量のサンプル中から極微量の標的タンパク質の検出に成功しました。

数時間が必要だった従来の方法と比べ、サンプル量で300分の1、感度で約100倍を短時間で実現しました。この手法は医療分野だけでなく、多くの検査への応用が可能な興味ある検出法といえるようです。


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