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アルツハイマー病を原因タンパク質の血液検査で予測

2024-06-17 10:36:59 | 健康・医療
アルツハイマー病は私にとっても最もかかりたくない病気ですが、予防のために何をすればよいのかどうもはっきりしていません。

東京大学などの研究グループが、アルツハイマー病の原因とされる2種類のタンパク質を血液検査で測定、分析することで、発症を高い精度で予測できることが分ったと発表しました。

アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβ、次にリン酸化タウ217と呼ばれるタンパク質が蓄積します。次第に神経細胞が壊れて脳が委縮することで発症するとされます。特にアミロイドβは発症のかなり前から蓄積することが知られています。

昨年発売された新薬「レカネマブ」はアミロイドβが固まる前の段階で、人工的に作った抗体を結合させて神経細胞が壊れるのを防ぎます。

投与対象者はアミロイドβが蓄積した軽度認知症や軽度認知障害(MCI)の人で、陽電子放射断層撮影(PET)や脳脊髄検査で蓄積を確認する必要があります。こうした検査ができる医療機関は限られ、高齢者の身体の負担も大きくなります。

研究グループは、MCI期や発症の前駆時期で無症状の「プレクリニカル期」と診断された日本人474人を対象に血液を採取しました。血液中のアミロイドβやタウをバイオマーカーの指標として測定しました。

次に測定結果を臨床データと組わせた新しい検査方法が、実際のPET結果とどの程度近いか、つまり新検査方法がPET検査をどの程度予測できるかを調べました。

その結果、1に近い数値が出るほどPET検査に近いという指標の比較分析で、アミロイドβでは0.85、タウでは0.91となり、PETによる実際の画像診断と高い精度で一致しました。2つのタンパク質の測定を組み合わせると精度はさらに高まったとしています。

研究グループは、今後簡便な臨床診断と血液のバイオマーカー検査を組み合わせることで、効率的にプレクリニカル期などの発症前やMCI期の診断が可能になることを実証し、早期の予防や治療に繋げていきたいとしています。

アルツハイマー病は認知症全体の6〜7割を占めるとされています。厚生労働省研究班が5月に公表した認知症全体に関する最新推計によると、認知症の人は2025年に471万人で、さらに2040年には584万人、MCI期の人は613万人に達するとしています。

これだけ多数の人が発症すると予測されていますが、初期に効く非常に高価な抗体医薬があるだけで、治療法も予防法もないと言える状態です。もっと安価で確実な治療法が開発されることを願っていますが、当分は難しいのかもしれません。

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