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血栓作るタンパク質でコロナ重症化を予測

2020-09-17 10:27:01 | その他
千葉大学が新型コロナ感染症患者の重症化を予測するシステムの開発に向け、臨床研究を始めました。

肺の血栓などを作るタンパク質を重症化の診断マーカーとして利用するのが特徴で、年内に研究を終える計画です。このシステムが実用化されれば、重症化が心配される患者を早期に治療することで重症患者を減らし、医療機関の負担軽減にもつながると期待されます。

研究グループは新型コロナの重症患者では肺梗塞や血栓症などが多いことから、血管の疾患を引き起こす「Myl9」(ミオシン軽鎖9)と呼ばれるタンパク質に着目しました。

重症化に伴ってMyl9の濃度も上昇すると想定し、千葉県や東京都の感染症指定病院に入院している100人の患者を対象に、週1回定期的に採血してMyl9の濃度と重症化の相関関係を調べます。

Myl9は小さな細胞内タンパク質で、通常の状態では血小板の中に蓄えられています。ウイルス感染などにより血小板が活性化すると血小板の外に放出され、固くなって血栓を作り気管支や血管の炎症の原因となります。

これまでに血管炎や関節リウマチ、気管支喘息、炎症性腸疾患などの重症患者は血中のMyl9濃度が高いことが分かっています。

研究グループは、臨床研究によってMyl9が新型コロナ重症化の診断マーカーとして活用できることが確認されれば、このマーカーを検査キットに組み込むなどして、重症化の可能性を早期に判定する予測システムの実用化を進めるとしています。

世界保健機構(WHO)などは新型コロナの重症化の要因として、糖尿病や心臓血管疾患、慢性の呼吸器疾患、腎臓病などの持病を挙げています。

厚生労働省に対策を助言する専門家組織は、男性の方が女性より重症化のリスクが高く、血液中の尿酸値が高い高尿酸血症もリスクが高いとしています。

研究グループはMyl9の濃度の調査と同時に、重症化した患者の免疫細胞の特徴や遺伝子的な違いを最先端の解析手法で調べることにしており、将来的には重症化のメカニズム解明や治療法の研究にもつなげたいとしています。

こういった手法により重症化の判定ができるのは良いことですが、早期発見につながるかはやや疑問に思っています。このタンパク質が血小板から出てくることを考えると、血小板の活性化すなわち炎症が発生してから出てくるような気がします。

こういった研究の計画段階で取り上げることはあまりしないのですが、この臨床試験であれば比較的早く結果が出そうな気がしました。

新型コロナは重症化が少なければ、インフルエンザなどと同じ扱いができますので、新型コロナと共存するための研究といえるのかもしれません。


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