ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

「花粉症薬」「湿布薬」の保険適用

2019-11-12 10:25:27 | 時事
今年8月健康保険組合連合会から「花粉症薬」や「湿布薬」などを保険適用からから外すべきであるという提言が出されました。

この健保連というのは、企業の保険組合の連合体ですが、こういった施策により医療費が約600億円削減されるというものでした。こういった市販薬がひろく流通して代用できる薬品は、医療機関に行って処方箋をもらう必要もないような気もします。

この提言についてはマスコミなども大体批判的な報道が多いような気がします。特に個人負担が増えるという点での反対意見が多かったようですが、それほど個人負担は増えないような気もします。

私も毎月クリニックに行って吸入薬を出してもらっていますが、病院にもそれなりの金額を支払い、薬局も薬代以外かなり取られていますので、もしドラックストアなどに売っていれば間違いなくそれを購入するでしょう。

金額よりも病院に行くという手間暇を考えれば、安くなるような気がします。既に風邪薬などは、それほどひどくなければ市販薬を使っています。

現在国の医療費は40兆円に達し、2000年から10兆円も伸びています。医薬品費については7.5兆円に達し、2000年と比べて2.5倍となっています。中医協では薬価のマイナス改定で膨張を抑えようとしていますが、既存の医薬品についても保険適用の是非を見なおそうという動きもあるようです。

これには高額医薬が開発され、保険適用されているのも一つの要因とされています。典型例が抗ガン剤のオプジーボですが、その薬価はひと瓶73万円で、年間に約3500万円もかかるとされていました。

その後需要の広がりとともに薬価も下がり、それでも年間1000万円近くの負担となっています。その他C型肝炎治療薬ハーボニー配合錠は12週間で約670万円、脊髄損傷に効果のある再生医療製品のステラミックスは1回の投与で1500万円、急性リンパ芽白血病の点滴薬キムリアも1回の投与で3349万円となっています。

こういった高額だが効果の高い新薬に対しては、進んで保険適用していくようで、こういった高額医薬が医療費の高騰につながっているという事もあります。

ところが必ずしもそうではないというデータもあるようで、薬価3349万円のキムリアの対象となる白血病患者は200人程度で、その保健医療から支払われる金額は72億円程度となるようです。

湿布薬は薬価は100円程度と低額なのですが、保健医療から支払われている総額は1000億円超と推定されています。保険財源を圧迫しているのは、高額医薬品ではなく市販薬で十分代替できる低価格の医薬品といえるようです。

それでも保険適用から外すというと、見捨てられたような感じになりますので、医療機関にかからずに市販薬の使用を推奨するというようなことになるのかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿