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パーキンソン病の血液検査法を開発

2023-07-01 10:31:17 | 健康・医療
パーキンソン病は歳をとると比較的多い病気のようで、私の友人知人の中にも発症していますが、それほど日常生活に支障はないようです。

この治療薬は私が50年前に若干携わったDOPAをはじめ、有効な薬剤が開発されており、症状の緩和に役立っているようです。

パーキンソン病は身体の震え、動作がゆっくりになる、筋肉がこわばり手足が動かしにくくなる、転びやすくなるなどの症状を特徴とする病気です。脳の指令を伝えるドーパミンが減ることによって起こるとされています。

日本では1000人に1.5人ぐらいの割合で患者がいるといわれており、高齢者では比較的多い病気といえます。順天堂大学などの研究チームが、血液を調べる手法を開発したと発表しました。

現在は症状が表れてからCT検査などで診断しますが、より簡単に検査でき発症リスクが高い人の早期発見につながることが期待されます。パーキンソン病の患者の脳には、「αシヌクレイン」というタンパク質が溜まることが知られています。

このタンパク質の一部はバネのような形をしており、この部分が何かの原因で伸びると元に戻らない「異常型」となります。これが少量でも作られると、周囲の正常なαシヌクレインの構造も変わっていき、異常型がどんどん塊になっていきます。

研究チームは、患者の血液にもごく微量の異常型が漏れ出す可能性に注目しました。異常型が増殖していく性質を利用して、対象者の血液成分を5日間かけて処理することで、血中に少量でも「異常型」があれば何百倍にも増やして検出できる手法を開発しました。

症状などからパーキンソン病と診断された患者の95%(221人中210人)がこの手法で陽性となりました。一方健康な人では陽性は8.5%(128人中11人)と良い精度を示しています。

パーキンソン病の治療薬は、前述のDOPAをはじめとしてドーパミン作動薬、COMT阻害薬、ドーパミン放出促進剤、抗コリン薬などが開発されていますが、まだこのαシヌクレインに注目した薬剤はありません。

パーキンソン病の原因が今回検出可能となったαシヌクレインの蓄積であれば、これを防ぐ薬剤が新しい治療薬や予防薬になる可能性があります。またパ-キンソン病の早期発見ができれば、重篤な症状になる前に対処でき、早期の治癒が期待できるのかもしれません。

ただし今回の検出法はかなり面倒な処理が必要となりますので、どこまで広げることができるかが今後の課題かもしれません。


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