ごっとさんのブログ

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猫の寿命が2倍に? 腎不全特効薬

2018-02-22 10:34:09 | 
久しぶりに猫の話ですが、家猫ではなく猫の死因トップの腎不全の薬の話です。

猫は全体的に腎臓が弱いようで、原因はわかりませんが腎機能が低下してしまうことが多いようです。症状としては初期には水を多く飲むようになり、食欲が落ちてきて体重が減ってくるというものですので、よほど気を付けていないとなかなかわかりません。

痩せてきたからといって獣医に連れて行っても、もう腎機能がかなり落ちており、静脈への点滴などが応急処置になります。これも単なる対症療法ですので、腎機能が改善することは無くそのまま弱って死んでしまうということになります。

私の家でも何匹かがこの腎不全で死んでしまいました。最近になりこの猫の腎不全の薬が開発されたようです。

東京大学の研究チームが猫の腎不全の特効薬を発見したと発表しました。研究チームは、血液中にある「AIM」というタンパク質に注目しました。これは細かい部分は省略しますが、約350個のアミノ酸からなるタンパク質で、人間やネコの腎機能改善に大きく寄与していることを立証しました。

ネコは人間と違って、先天的に活性化しないAIMしか持っていないため、腎機能障害に陥りやすいというメカニズムも解明しました。そこで人為的に大量抽出したAIM製剤を開発し、それを猫に投与すれば腎不全の治療に画期的な効果を及ぼすことを確認しました。

問題はこのAIMタンパク質をいかに大量に純度良く製造するかです。この程度の大きさのタンパク質であれば化学合成も可能ですが、研究チームは体外で培養した細胞の培養液から抽出する生物学的な手法を選択しました。

この方法はいろいろなメリットはあるのですが、抗体医薬などと同様に効率的に大量生産するには、コスト面で高いハードルがあるようです。これは研究室で培養してきた細胞と比較すると、最大500倍という効率の良さで、かつ高純度のAIMが生成できる細胞を開発できたとしています。

研究チームは、全世界のネコが潜在的な患者になり、最終的にはヒトへの応用を見込んでいると話しています。

今後は農林水産省への薬事申請に向けて、薬剤の安全性や安定性を確認し、順調に行けば今年10~11月には第1号の治験原薬を完成させる予定です。その後、半年〜1年かけて臨床試験を行い、最短で2年後の商品化を見込んでいます。

一方、高齢猫に多く見られる体内の老廃物を排出できなくなる「慢性腎臓病」の進行を遅らせる抑制剤が昨年4月に発売されています。このようにネコの腎不全が改善されれば、ネコの寿命が2倍になるというのも夢ではなくなるのかもしれません。

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