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めまい、頭痛などが起こる「再生不良性貧血」のはなし

2023-02-24 09:42:58 | 健康・医療
あまり身近に聞いたことはありませんが、「再生不良性貧血」は重症例の半数ほどが亡くなるという国の指定難病となっています。

これは血液が正常に作られなくなる病気で、国内に約1万人の患者がいるとされています。血液は骨の中の骨髄で作られ、骨髄にある「造血細胞」から血液細胞の赤血球や白血球、血小板へと成長します。

血液細胞の寿命は赤血球で約120日、白血球のうち好中球が数時間から1日、リンパ球で数日から数年、血小板で1週間程度とされています。

血液細胞はヒトの細胞の中でも最も寿命が短いものですが、血液の働きを維持するにはこれらの血液細胞を絶えず骨髄で作り出し、供給する必要があります。体中に酸素を運ぶ赤血球が減れば、貧血の症状が起き、酸欠からめまいや頭痛、疲労感、動悸、息切れなどが現れます。

身体の外から侵入した異物を除く白血球が少なくなると、感染症にかかりやすくなります。出血を止める役割がある血小板が不足すると、皮下出血によるあざができたり歯肉から出血したりするほか、鼻血が止まりにくくなるなどの症状がみられます。

再生不良性貧血は、(1)免疫の働きが異常になり、造血幹細胞が白血球の一種「T細胞」から攻撃を受けている、(2)造血幹細胞自体に異常がある、と考えられています。原因として放射線被ばくなどのほか染色体異常による先天性の場合もありますが、多くの場合原因は不明です。

診断には血液や骨髄、染色体を検査するほか、MRI検査で胸椎や腰椎を調べます。血液成分が基準値より少なく骨髄の細胞密度が減少していて、他に原因となる病気が無い場合再生不良性貧血と診断されます。

治療法は造血機能の回復を目指すものと症状の改善を図るものがあり、症状や重症度、年齢からどちらを取るか判断します。

40歳未満で白血球の型「HLA」が一致する兄弟姉妹がいる場合、造血幹細胞の移植の適応を検討します。移植前に抗ガン剤や放射線で自分の造血幹細胞を破壊しなければならないため、体の負担や移植後の合併症の可能性を踏まえて検討されます。

軽症の場合や赤血球や血小板を補う輸血が不要な場合は、「免疫抑制療法」を実施します。T細胞の働きを弱める薬を内服し、造血幹細胞の働きが回復するか効果を確認します。

輸血が必要な中等症以上で40歳以上の場合、またはHLAが一致する兄弟姉妹がいない場合も免疫抑制療法を選択します。貧血症状がひどい場合は、この再生不良性貧血を疑い、専門医を受診するとしています。

この文章は「ヨミドクター」の記事を引用していますが、多くが原因不明というのはやや気持ち悪い病気といえそうです。


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