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毎日の浴槽入浴が高齢者のうつ病予防に

2023-10-06 10:38:27 | 健康・医療
このところ少し暑さが治まってきましたが、夜の入浴が面倒になりシャワーで済ますことが増えています。

東京都市大学の研究グループが、週に7回以上浴槽の湯につかり入浴している高齢者は、週0〜6回入浴している高齢者に比べてうつ病になる割合が低いことを明らかにしました。特に冬場のうつ病発症率が有意に下がっていました。

高齢者はうつ病発症をきっかけに介護状態に陥ることが多く、毎日の浴槽入浴がその防止につながる可能性があるようです。

今回の調査では、「JAGES(日本老年学的評価研究)」で全国14自治体の65歳以上の高齢者を対象に2010年、2016年に実施したデータを用い、夏と冬の浴槽入浴の頻度とうつ病発症との相関を調べました。

JAGESは高齢者の社会活動や身体の状況についての実態調査で、大学や各研究機関などが共同で長寿大国日本にはどのような因子が関わっているのかを調べたり、健康格差を是正したりすることを目標に行っています。

研究グループは「入浴は高齢者にとってヒートショックの問題など負の側面が多いとされているが、プラスの面もあるのではないか」との観点から調査を実施しました。

浴槽入浴の回数が週0〜6回の群と7回以上の群に分け、2010年に自立していてうつ病と診断されていない高齢者が6年後の2016年にどういう診断を受けたかという追跡研究を行いました。解析に際しては年齢、性別、治療中の病気の有無、飲酒や喫煙の有無などを調整しました。

その結果6年後のうつ病発症率は夏場で週の浴槽入浴の回数が0〜6の群は12.9%、7回以上の群は11.2%で、冬場では0〜6回の群は13.9%、7回以上の群は10.6%に抑えられ、特に冬場に有意差が見られました。

うつ病は季節によって発症率が変わるとされており、日照時間の短い冬場の方が好発するが、季節の差を抑えて有意に発症リスクを下げています。

高齢者のうつ病は若年者と違い、食欲がなくなったり眠れなくなったりすると医師に訴えても、「老化」によるものとみなされることも多いようです。「死にたい」という希死念慮の訴えがあって初めてうつ病と診断され、抗うつ薬などの投与で改善するケースもあります。

うつ病は介護状態を誘発し、健康寿命を縮めることにもつながります。私はこの研究に若干疑問を持っています。ひとつは有意差がるとはいえ、両者の発症率があまりにも近い気がします。

また週に6回と7回で差があるとは思えず、有意差が出るように分類しているのではないでしょうか。特に入浴の方法など個人差が大きく、単に回数を比較しても意味はないような気もします。

ただ私の経験としても、シャワーと入浴では身体の温まり方が違いますので、ゆっくり浴槽入浴が良さそうという感じはしています。


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