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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

健康によさそうだがガンリスクを大幅に高める食品

2025-08-01 10:35:27 | 健康・医療
私はガンについては、細胞分裂時の遺伝子のコピーミスによって起こる、いわば自然現象と考えていますので、これといった予防方法もありませんし、逆にリスクが高くなることもないと思っています。

フルーツジュース、特に100%フルーツジュースと聞くと、なんとなく健康的なイメージがあります。コーラなどの砂糖が入った清涼飲料水よりは体によさそうな気がします。

スーパーに行くと、リンゴジュースやグレープジュースなどたくさんの種類がありますし、朝はフルーツジュースを飲む習慣がある人もいるでしょう。ガン予防の点からは、フルーツジュースは問題ないのでしょうか。

フルーツジュースとガンとの関係について、2019年に報告された論文があります。フランスで実施された大規模な研究で、10万人以上の成人男女(平均年齢42歳)を対象として詳細な食事内容のアンケート調査を行い、ガン発症リスクとの関連を調査しました。

その結果、100%フルーツジュースを最も多く飲む人では、ほとんど飲まない人に比べて、すべてのタイプのガンのリスクが12%上昇していたとのことです。このフルーツジュースの何がガンのリスクを高めるのかというと、果糖(フルクトース)でした。

果糖とは自然界に存在する糖で、果物やはちみつに多く含まれています。糖は単糖類と二糖類に分類され、単糖類にはブドウ糖と果糖、二糖類にはショ糖と乳糖が含まれます。このうちどの糖が一番ガンのリスクを高めるのかを調査した研究があります。

2021年に報告された論文によると、スペインで高齢者7000人以上を対象として、様々な糖の摂取量とガン発症リスクの関係を調査した研究が行われました。

食べ物のアンケート調査から解析した糖のタイプは、固形または液体のすべての糖、ブドウ糖、果糖、フルーツおよびフルーツジュースからの果糖です。

その結果固形の糖では、すべての糖、ブドウ糖、果糖いずれも、ガンのリスク上昇は見られませんでしたが、液体の糖ではガンの発症リスクが上昇していました。

1日あたり5gの摂取量が増えるごとに、ガンのリスクが増える割合は、液体のすべての糖が8%、液体のブドウ糖が19%、液体の果糖が14%、最もガンのリスクが高かったのがフルーツジュースからの果糖で、39%も高くなっていました。

この結果はかなりおかしなところもあり、そのまま信じてよいのか疑問が残りますが、こんな調査もあるという程度のことかもしれません。

たぶん朝のフルーツジュースには、それ以上のメリットがあるような気がします。

胃ガンはピロリ菌、乱れた食生活が原因

2025-07-31 10:30:46 | 健康・医療
日本人の胃ガンの罹患率は依然高いようですが、その原因が主にピロリ菌にあるとされています。私はピロリ菌の検査もしていませんので、当然除菌なども行っていません。

この歳(78歳)になるとあまりやっても意味がないような気がしています。ただ私の古くからの友人(同級生)が2人亡くなっていますが、2人とも主な原因が胃ガンということで若干気にしてはいます。

胃ガンを発症する最大の原因は、ピロリ菌への感染です(私はこの説を若干疑っています)。ピロリ菌は胃の粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、長い年月をかけて胃ガンの土台を作っていきます。

実際に一般的な胃ガンの約99%は、現在もしくは過去にピロリ菌に感染していた人に発生します。感染経路としては、かつては井戸水や衛生環境が原因とされてきましたが、現在では幼少期に家族間感染が主流となっており、今の若い世代でも一定数ピロリ菌の感染者が存在しています。

胃ガンは、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることが珍しくありません。だからこそ症状が出ない段階、あるいは食欲の低下や胃もたれなどちょっとした体のサインを感じた段階で検査を受けるのがとても重要です。

特に家族にピロリ菌の感染歴がある人や、胃ガンや胃潰瘍の病歴を持つ人がいる場合は、自覚症状がなくとも胃カメラ検査とピロリ菌の検査を一度受けておくことが重要です。胃ガンの発症リスクを高める食べ物として、特に注意が必要なものが高塩分食です。

IARC(国際ガン研究機関)やNCI(米国国立ガン研究所)も、高塩分食が胃ガンの明確なリスク要因と位置付けています。日本人の食生活は世界的にみても塩分が高めです。厚生労働省が公表する塩分摂取量の推奨値は、男性で1日7.5グラム未満、女性で6.5グラム未満です。

WHO(世界保健機構)はさらに厳しく、1日5グラム未満としています。しかし例えばカップラーメンや袋入りのラーメンを食べるときにスープ迄飲み干した場合、それだけで6~7グラムの塩分を摂取するケースもあり、あっという間に1日の上限を超えてしまいます。

さらに塩分過多は肥満の原因にもなり易く、肥満そのものもまたガンのリスクを高める要因とされています。ラーメンを食べるのをやめるべきとまではいいませんが、スープは残す、減塩タイプの商品を選ぶ、調味料の追加を控える、などの食べ方を意識することがよいようです。

一見すると体によさそうと思われる食品の中にも、胃ガンリスクと関係しているものがあります。その代表的な食べ物が漬物です。

漬物は発酵食品として、腸内環境に良いイメージを持つ人も多いですが、その反面塩分濃度が非常に高いものも多く、胃の健康にとって決して好ましいとは言えないようです。

腸内細菌が免疫を活性化するメカニズム

2025-07-29 10:34:29 | 健康・医療
このブログでも以前紹介しましたが、抗がん剤に免疫チェックポイント阻害剤というものがあります。これはメカニズム的にも面白く有用と思われますが、タンパク質製剤であるため非常に高価なものになっています。

薬価は実用化されると下がってくるものですが、現在どの程度の値段になっているのかはわかりません。またこの薬はよく効く人が非常に少ないことも問題となっていました。

国立がんセンターを中心とする研究チームは、この免疫チェックポイント阻害剤が効く患者が持つ腸内細菌を同定し、その作用メカニズムを解明しました。

この菌によって免疫応答をつかさどる樹状細胞が腸内で活性化され、腸から離れたガン組織に移動して免疫効果を発揮していました。ガン免疫療法の効果を高める賦活化剤として使用できる期待があります。

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫機構が自己への攻撃や過剰な活性化を防ぐための免疫のブレーキの仕組みを阻害します。この仕組みを利用して免疫から逃れているガンへの攻撃を促し、治療効果を発揮します。

しかし長期にわたり治療効果を得られる患者は20%程度にとどまり、改善が求められていました。そこで研究チームは、阻害剤の一種である抗PD-1抗体の投与前のガン患者から便とガン組織を採取しました。

阻害剤が効いた患者から新種の細菌としてルミノコッカス科のYB328株を発見しました。ガンを移植したネズミに抗PD-1抗体とYB328株を投与すると、腫瘍が縮小していました。このネズミの腸内では樹状細胞が活性化し、免疫機構で攻撃を担うT細胞が増加していました。

さらに骨髄由来の樹状細胞やネズミを用いた実験で、YB328株が抗腫瘍効果を発現するメカニズムを調べました。この結果メカニズムにはCD103陽性樹状細胞の誘導と活性化が不可欠で、これには細胞内のTLRシグナル経路が中心的な役割をはたしていることがわかりました。

また腸内由来の細胞を追跡できるネズミを使い、腸内で活性化された樹状細胞がリンパ節やガン組織へ移動することを確認しました。

国立がんセンターは、抗PD-1抗体が効きにくい患者においても、YB328を投与することで腸内細菌群の構成が変化し、効きやすい腸内環境へ整える可能性があると説明しています。このように腸内細菌叢が免疫チェックポイント阻害剤などの効果に大きな影響を与えているようです。

現在は脳腸相関など腸の重要性が指摘されていますが、抗がん剤の分野でも腸内細菌叢が重要というのは新しい発見といえるかもしれません。

脳卒中はピーナッツでリスク低下

2025-07-28 10:35:29 | 健康・医療
私は子供のころはピーナッツが好きで、いつも食べていたような気がします。ただそのころはピーナッツぐらいしか間食がなかったのかもしれません。

特に殻付きのピーナッツをよく食べていました。日本人を対象とした大規模コホート研究「JPHC研究」により、ピーナッツの摂取が脳卒中、特に虚血性脳卒中のリスク低下と関連することが明らかになりました。

研究では、45~74歳の男女7万4793人を対象に、中央値14.8年にわたり追跡調査が行われました。研究の結果、ピーナッツ摂取量が多い人ほど、全脳卒中、虚血性脳卒中、心血管疾患の発症リスクが有意に低い傾向が認められました。

特にピーナッツ摂取量の最も多い層は、最も少ない層と比べて虚血性脳卒中のリスクが約20%低いという結果が得られました。一方で、出血性脳卒中および虚血性心疾患との関連性は確認されませんでした。

ピーナッツに含まれる不飽和脂肪酸などの栄養成分が血圧や脂質の改善、炎症抑制に関与している可能性があると考えられています。本研究の結果は、日本人のようにナッツ類の摂取量が比較的少ない集団においても、ピーナッツが脳卒中予防に役立つ可能性を示しています。

脳疾患を予防する可能性のある食べ物には、青魚、野菜、果物、海藻、大豆などが挙げられます。サバやイワシなどの青魚に含まれるDHAやEPAは、血栓の予防やLDLコレステロールの低下に効果があり、動脈硬化を防ぐ働きがあります。

緑黄色野菜に含まれるビタミンCやβーカロテンは抗酸化作用により血管の健康を守ります。海藻に含まれる水溶性食物繊維やカリウムは、血圧を下げる効果もあります。果物のポリフェノールにも抗酸化作用があり、血管の老化を防ぎます。

大豆のマグネシウムは血液の凝固を防ぎます。こうした食品を日々の食事に上手に取り入れ、脳疾患が予防できるようです。

ピーナッツの脳卒中予防への有用性を示す興味深い研究結果ですが、こうした食事調査の結果を解釈する際には、食事調査の限界についても考慮する必要があります。疾患や血液検査のデータなどの情報に比べて、食事ついての情報はその正確性や客観性を担保するのが難しいのです。

今回の研究でも食事内容を知るのにアンケートが用いられていますが、自分の食事アンケートに答える際にどれだけ正確に答えられるかを想像するだけでもその難しさがわかるのではないでしょうか。また調査期間が長くなれば、対象集団の食事内容事態も変化していきます。

そうなると仮に脳卒中を予防する効果が出たとしても、その効果が本当にピーナッツの摂取によるものであるのかどうかの信頼性が揺らいできてしまうのです。

まあ一定の参考にはなる程度なのかもしれません。

免疫力は食事によって高められる

2025-07-27 10:31:05 | 健康・医療
普段免疫力などあまり気にすることはありませんが、ウイルスが感染したり細菌感染が起こったりして軽い風邪などの症状が出ても、体内の免疫によって排除され治ってしまいます。

こういったとき薬を飲んだりしますが、あくまでの補助的なものであり治すのは免疫の力です。若干体調が悪くなったりしたときでも、特に何もしなくてもよくなるのは免疫の力であり、人は思っている以上に免疫に頼って生きているのかもしれません。

こういったさまざまな病気に負けないための免疫力は、日々の食事や生活習慣の改善によって、大幅に高めることができるそうです。しかし巷にあふれる健康や免疫力に関する知識は刻一刻とアップデートされ、間違った情報や古びてしまったものも少なくありません。

もともと私たちの体には、外から入ってきた異物や病原微生物や、体内で発生したガン細胞などを排除する自己防衛システム(免疫システム)が構築されています。そのシステムを、正しく働かせる力のことを免疫力と呼ぶのだといっていいでしょう。

この正しく働かせるというところが大事で、免疫システムはがむしゃらに働けばいいのではありません。暴走させては大変なことになります。新型コロナで命を落とした人の多くが、サイトカインストームという免疫暴走を起こしていたということが分かっっています。

サイトカインは体に異常が起きると、それを知らせるために細胞から血液中に出てくるタンパク質です。本来ならサイトカインによって、私たちの体は危機から守られています。

ところがあまりにも多量に出てくれば、血管の壁を傷つけて血液の塊を形成し、それが剥がれ落ちて血栓となり、肺や心臓、脳などの血管を詰まらせてしまうのです。

当初新型コロナウイルスは、肺炎を起こすウイルスと思われていましたが、検証が進むにつれて全身どこでもやられてしまう血管病という認識が強くなっていきました。

ですからこれからの時代を健康に生きぬくために最も必要なのは、誰もが生まれつき備えている免疫システムを正しく働かせることにつきます。言い尽くされたことですが、食事は大事で、免疫力を高く保つためにここを避けて通れません。

ところが食事の重要性について述べると、たいていの人がややうんざりしたような反応を示します。バランスよく食べるという行為は、非常に難しいものです。単純に好き嫌いなく肉も魚も野菜も食べるということでは、免疫力を最高に保つことはできません。

現代ならではの食事情があるからです。単純に何を食べるかだけではなく、何を食べないかについても考えなくてはなりません。これからの食事はだんだん難しくなっていくのかもしれません。