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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

生産的な人の脳の秘密

2025-06-10 10:35:06 | 健康・医療
私は会社を定年少し前(59歳)に辞め、市内の研究所での勤務や大学の非常勤講師をしていましたが、大学の定年を期に退職しました。

その後自宅で英文特許の翻訳という内職をしていましたが、米国特許制度の変更で終わりになりました。その後はPCの前で過ごすことが多くなり、週1回くらいの碁会所やパチンコ、月に1回の麻雀を楽しみにしています。

ここでは脳科学などの知見をもとに、なんとなく動けない日々から抜け出し、自然と動ける自分になるための科学的アプローチを紹介します。

やるべきことがあるのに、ついスマホなどを見て時間を浪費してしまう。今日は気が乗らないからあとでやろう、と先延ばしにする。そんな経験は誰にでもあるでしょう。一方で目の前のタスクにすぐ取り掛かり、淡々と片付けていく人もいます。

この違いは、意志の強さや性格ではなく脳の仕組みによるものかもしれません。意図的な行動をとるたびに、神経伝達物質のドーパミンが放出されます。ドーパミンが放出されると、気分がよくなってやり続けようという意欲がわいてきます。

つまりやる気があるから動くのではなく、動くからやる気が生まれるのです。たとえば机の上の整理を始めたら、つい夢中になって部屋全体を片付けていたというような経験もありそうです。

これは小さい行動がきっかけとなってドーパミンが分泌され、脳がもっとやりたいというモードに入っている証拠です。このドーパミンの分泌にかかわっているのが、ワクワク回路と呼ばれる神経回路です。

この回路は、やる気を失ったり感情に流されたりすることを抑制し、主体的な行動を引き出す働きがあるとされています。このワクワク回路を活性化するためのヒントがあります。

今日意志を貫いてわずかでも生産的な行動をとれれば、ワクワク回路が有効になり、明日も同じような生産的な行動をとりやすくなります。完璧な行動を目指す必要はありません。

たとえば1分だけ机に向かう、5分だけ資料を読む、そうした小さな主体的な行動がワクワク回路を刺激し、次の行動を後押ししてくれるのです。あとでやるが習慣化してしまうと、ワクワク回路を有効に使えなくなってしまいます。

一方で今少しだけやるを繰り返せば、行動は自然と習慣となり、生産的な毎日へとつながっていきます。人生に変化を起こしたいと思いながら、何も変わらない日常を繰り返してしまうのは、意志の弱さではなく、脳の仕組みによる自然な反応かもしれません。

だからこそ動けない自分を責めるのではなく、小さくても主体的な行動をとることが何よりも大切です。この小さな一歩を踏み出すのが、予想外に大変なことのような気がします。

日本人の98%が足りていない最強のビタミン

2025-06-08 10:30:46 | 健康・医療
現在は飽食の時代といわれており、十分栄養がいきわたっている感じがしますが、それでも不足しているビタミンがあるようです。

ちょっと不思議な気がしますが、それがビタミンDとされています。日本人の多くは栄養素の摂取量が不足また過剰であることが、様々な調査から明らかになっています。

カロリーや塩分は必要以上に摂取している反面、タンパク質、食物繊維、カリウム、カルシウムなど、大切な栄養素は足りていないようです。中でも注目されているのがビタミンDです。2023年には日本人の98%は足りていないという調査結果が発表され、話題になりました。

ビタミンDといえば骨を丈夫にする栄養素くらいの認識しかないと、事の重大性はなかなかわからないかもしれません。ビタミンDには、骨を丈夫にするだけではない、超高額な処方薬をも凌駕するすごい効能があります。

足りない状態を放置するのは、人生にとって大損失のようです。そもそもビタミンとは、(1)人間が生きていく上で不可欠な栄養素のうち、体にとっての必要量は微量ながら、(2)体内で合成することができない、もしくは必要量が合成できないため、食品から摂取しなければならない栄養素を指します。

つまり食べ物であれサプリメントであれ口からとる栄養がビタミンなのです。ところがビタミンDに限っては、食事として口から摂取しているのはわずか1~2割程度にすぎず、必要量の8~9割は日光(紫外線)にあたることによって皮膚の下で合成されます。

そのうえビタミンDを多く含む食品も非常に限定されているため、現実問題として十分な量を食品から補うのは困難です。1日に必要なビタミンDは、夏季なら顔と手の甲を5分~8分程度日に当てれば合成できます。

ただし冬季は地域差が大きく、沖縄は10分ちょっと、関東は40分、北海道では140分近くかかるようです。これは子供や男性の話で、紫外線は美容の敵が常識となっている昨今、年間を通して肌に一切光を当てない女性は少なくありません。

しかも最も効率よく摂取できるといわれる干しシイタケでも、最低限必要とされる目安量をとるには、毎日2分の1袋(50g程度)を食べなくてはなりません。サケの切り身なら1枚で足りますが、あまりにも選択肢が少なく長続きするとは思えません。

そんなわけでビタミンDは厳密にはビタミンと呼べず、ホルモンに近いのかもしれません。ヒトはそれでもビタミンD不足にはなっていないようですので、それほど気にする必要がないビタミンなのかもしれません。

白血病になりやすい人の特徴

2025-06-06 10:33:58 | 健康・医療
白血病というと恐ろし病気というイメージがありますが、自分とは関係ない様な感じも持っています。これは身近にはこの病気にかかった人がいない、ということから来ているのかもしれません。

ここでは白血病になりやすい人の特徴・症状・原因などについて紹介します。白血病は血液のガンです。血液を作る細胞は骨髄の中にある造血幹細胞ですが、骨髄の中でガン化した白血球が増加してしまう病気です。

白血球には様々な形態があり、骨髄性白血病では好中球や単球、リンパ性白血病ではBリンパ球やTリンパ球が増加するのです。白血病のほとんどは原因が不明です。

風邪症状が続くため受診したところ、白血球の異常値を指摘されて総合病院を緊急受診するように言われた、といったケースが多くみられます。そのなかでも、なりやすいといわれている人の特徴を挙げます。

染色体異常がある:ダウン症の人は、非ダウン症と比較して10~20倍の確立で白血病を発症しやすいとわかっています。CRLF2という遺伝子に異常が生じることで、白血病リスクは高まってしまうといわれています。

子供である:小児ガンの発生頻度は15歳未満の1万人あたり約1人と非常に珍しいですが、もし小児ガンを発症した場合は白血病である可能性が最も高く、その割合は約40%です。小児白血病のうち約70%が急性リンパ性白血病(ALL)であるといわれています。

高齢者:成人における白血病発生頻度は年齢と共に上昇していくことが特徴で、発症年齢の中央値は、68歳といわれています。70歳代では年間人口10万人あたり男23.3人、女9.9人、80歳代では10万人当たり男42.8人、女19.9人と珍しい病気とは言えない頻度になってきます。

高齢者の白血病は骨髄異形成症候群関連の白血病であることが特徴です。白血病だと診断された人は、風邪症状だと思って受診したという人が多くみられます。ここでは白血病の代表的な症状を紹介します。

発熱:白血球数が非常に増加するのが白血病の特徴ですが、この異常にたくさん作られた白血球のほとんどは正常に機能しません。したがって、正常な白血球が減少することで外から来たウイルスや細菌に対して適切な対処ができず、感染症になりやすくなってしまいます。

感染症にかかると発熱するため、白血病の患者は健康的な人と比較し発熱する頻度が多く、病原体と戦う正常の白血球減少による重症の感染症になってしまうことが多くなります。

貧血:疲れやすくなった、身体がいつもだるい、顔色が悪くて息切れやめまいを感じる、といった症状は貧血かもしれません。

白血病細胞が増加すると酸素の運搬を行う赤血球をうまく作れず、数が減少してしまうため、全身に酸素がいきわたらなくなってしまい、貧血症状が出現します。

白血病の主な症状を挙げてきましたが、その他出血傾向などもあるようです。こうしてみると白血病は結構身近な病気なのかもしれません。

白血病を引き起こすウイルスの謎を解明

2025-06-03 10:34:27 | 健康・医療
病原性ウイルスについては、ヒト体内に入ってすぐに発症する新型コロナや、感染後何十年もたって発症する帯状疱疹ウイルスなどがあります。

なぜこのような現象が起きるのか、まだウイルスとはよくわかっていないのかもしれません。感染したウイルスが長期間潜伏し、数十年後白血病を引き起こす病気があります。

なぜウイルスはそれほど長期間、免疫システムを逃れ続けることができるのか、その謎について熊本大学などの研究グループが明らかにしました。

新型コロナもそうですが、ウイルスは自分自身では増殖できないため、感染した宿主の細胞へ自身の遺伝情報を送り込み、宿主のコピー能力を使って増殖します。ウイルスにはDNAウイルスとRNAウイルスがおり、RNAウイルスの一部はレトロウイルスといわれています。

レトロウイルスには大きく分けて、進化の過程で感染している生物の遺伝情報へ入り込んでいる内因性(共生型)のレトロウイルスと外から侵入してくる外因性(感染型)のレトロウイルスがいます。

内因性レトロウイルスは、時として宿主へ病気や老化などを引き起こし、突然変異などで生命進化を引き起こす役割を演じることがありますが、基本的には長い進化の過程で宿主と共生するため、サイレンシングと呼ばれる機能を発揮し、宿主の免疫システムを免れています。

一方外因性レトロウイルスのサイレンシング機能についてはまだあまり明らかになっていません。ウイルス感染による白血病に成人T細胞白血病(ATL)という病気があります。

この病気を引き起こすウイルスをHTLV-1といいますが、感染経路は授乳により母親から子へ、あるいは性交渉が多いとされています。HTLV-1に感染しても、免疫システムによって排除され、排除できなくても多くの人は無症状のまま一生を終えます。

しかし感染後数十年経ってからATLが発症することもあります。厚生労働省の調査によれば、HTLV-1のキャリアは全国で約108万人と推定され、ATLの年間発症数は1,146例(2009年)となっています。

潜伏期間が長いため、幼児や小児で発症することはほとんどなく、HTLV-1によるATLの患者は成人に多いと考えられています。熊本大学などの研究グループは、HTLV-1が感染後にヒトの体内でどのように潜伏しているのか、その分子メカニズムを明らかにしました。

この内容は非常に専門的であり、私もあまり理解できませんでしたので省略しますが、遺伝子が関連していることは確かなようです。

こういったウイルスが長期間潜伏する例は多いようですが、いわばヒトとウイルスの共存といえるのかもしれません。

寒い時期に生まれた人は肥満リスクが低下

2025-06-01 10:34:27 | 健康・医療
私は1月に入院した時に、かなり体重が落ちてしまいました。病院にいて体重が減るというのもややおかしな事態ですが、病院食があまり食べられなかったためと考えています。

体重が減ったことと、ズボンのベルトの穴がひとつずれてしまいましたので、痩せてしまったことは確かなようです。もう退院してから4か月以上たっていますが、ほとんど体重は増えていません。

食事の時に多く食べるというのは昔からできませんので、いわゆる間食を増やしているのですが、ほとんど増加がありません。まあ歳のせいで痩せてくるのが重なったのかもしれませんが、どうも当分このままのような気がしています。

さて寒かったり寒暖差が大きかったりする時期に受精して生まれた人は、体内で熱を作る組織細胞・褐色細胞の働きが活発になり、エネルギー消費量が高いことを東北大学や北海道大学などの研究チームが突き止めました。

褐色細胞の活性化は体脂肪の減少につながるため、その詳しいメカニズムの解明が進めば、生活習慣病の大きなリスクとされる肥満の予防に活用できる可能性があります。

東北大学の研究チームによると、人間を含めた恒温動物は、約37度の深部体温を維持しなければ生存できず、褐色細胞は寒い環境下で熱を作る役割を果たします。

褐色細胞が熱を作るには多量のエネルギーが使われ体脂肪の減少につながるため、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の要因となる肥満の予防への活用が期待されます。

ただ安全で効果的な活性化法は存在していないといわれ、研究チームが褐色細胞の活性が決まる仕組みの解明に取り組んできました。

研究チームは18歳から29歳の若年成人男性(356人)の褐色細胞の働きと、受精日と出生日の関連を調べたところ、受精日が暖かい時期だった男性に比べて、寒い時期だった男性のほうが褐色細胞の働きが活発だったことがわかりました。

また受精時の居住地と気象データを解析した結果、寒暖差の大きさが褐色細胞の働きに関係していたことも判明しました。

分析の結果、受精卵の時点で親が低い外気温や大きい寒暖差にさらされると、成人になった後でも褐色細胞の活性が高い状態で維持され、エネルギー消費量が高まって肥満リスクが低下することが明らかになりました。

受精前に親が低い外気温や大きい寒暖差にさらされるほど、生まれる子供は成人後も肥満リスクが低くなるよう、体内にプログラムされているとみられます。研究チームは、環境温度変化が激しい自然環境でも、子孫を生き残らせる不可欠な仕組みだったかもしれません。

住環境や衣服が発達した現代では、寒冷適応というよりはむしろ、肥満リスクの低下に働くことで、人間に役に立っていると考えられる、としています。