HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

ネギ(葱) 

2022-04-28 | 【独り言】

植物の分類体系についての話を何年か前に書いた。
ネギ科なんてあるのですか?と質問されたのがきっかけだった。
殊更、何々の特徴がありますね…などと、会話の中で科名などを吹聴なさる方が多い。
ブログ上でも同じことだと思うのだけれど
一つの研究テーマのまとめが体系として編まれているのであって
専門家でもない素人が平然と口にするようなものでもないと今でも思っている。






















ネギ(葱) 
ネギ(←ユリ)科ネギ属 Allium fistulosum
(2021.05.10 王子町)



▲ 花数は違うけれど、ハタケニラの花後と同じように
一つ一つの花は子房部分が3室に分かれる果実が出来、黒い種子がばら撒かれる。▲

従来の分類体系ではユリ科とされてきた多くが、分子レベルでの分類体系では新しく「ネギ科」として分離・独立した。
ネギ属、ハナニラ属、ハタケニラ属、ツルバキア属の4属で、確かに見た目ではユリ科の特徴があったものも多い。
分類体系を編む手法そのものの変化なので、どの体系が正しい、どれが間違い…と言う単純なことにはならない。
アガパンサス(アガパントゥス)は現時点ではユリ→、ネギ→、ムラサキクンシラン→と変遷して
ヒガンバナ科に分類されていると書いている。
ユリ科、ネギ科は従来の見た目からの類似性で編まれてきた分類体系であり
ヒガンバナ科は、従来のエングラー体系の見直しで編まれた「新エングラー体系」での分類。
アガパンサス(ムラサキクンシラン)科は、近年分類体系の一手法として採用されている分子レベルでの分類体系から
変遷したものであり、細かな部分などまで素人が手出し口出しできるはずもない
出来ることは、どの分類体系を使うか、使うのであればあれもこれも混ぜ合わせるのではなく一つの体系に絞ってゆくことだ。
ただ、分子レベルの手法を用いての植物分類体系構築はまだ緒に就いたばかりで今後も書き換えが進むだろう。
だから、アガパンサス(ムラサキクンシラン)科 → ヒガンバナ科 と記述するのは
新エングラー体系を混合して使用することになるのだと判断したのだけれど
APG第3版ではヒガンバナ科ネギ亜科(アガパンサス亜科、ヒガンバナ亜科など)とされている。
どの体系を使うかは、素人レベルで個人の判断で良いのだろうけれど、混合して使うのは避けたい。
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 ネギ2021 チャイブ(エゾネギ)2021 ノビル2020 ハタケニラ2021 ニンニク2021
  ニラ(韮、韭)2020 ルリフタモジ2021 ラッキョウ019 ヤマラッキョウ2020 
 トリスタグマ・レクルビフォリウム2020 ハナニラ(花韮)2021 アリウム・ネアポリタヌム(アリウム コワニー)2020
 アリウム・ギガンテウム(花葱)2019 アリウム・トリケトラム2020 アリウム・ミレニアム2020 アリウム・ロゼウム021


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