HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

セイバンモロコシ(西蛮蜀黍)

2019-10-19 | イネ・カヤツリグサ・シダ類など

河川敷ではないけれど
道路脇のセイバンモロコシは夏にすっかり刈り取られた。
明石川では、遊歩道を完全に塞いでしまうほどに広がっている。
歩くのも困難なほどに草丈も2㍍近くまで伸び
道を完全に塞いでしまっている場所も出来た。




▲ 芒の出てないタイプと芒の伸びるタイプとがここでは共存する。▼

▲ セイバンモロコシは円錐花序だが、小穂が多いと垂れる傾向が強い。▼

▲ 詳解は別図だが、小穂には2タイプある様だ。▼

▲ おしべが出ているのが雄性の小穂でやや小さい。
めしべの柱頭がのぞいているやや太目の小穂が両性(もちろんおしべも出る)で芒はこの護穎の先に出る。▼





▲ 花序は有柄(雄性)小穂と、無柄(両性花)小穂が対になっている。
小穂基部の苞穎には伏毛が密生している。▼







(2019.09.19 明石川)




▲ 芒の出てこないタイプ、芒の伸びるタイプとが共存する。
株として別に育つモノもあるのだろうが、ここでは同じ株に混じっていたりもする。▼




▲ 今日撮った場所では大半は芒の無いタイプ。
ススキとオギは小花の芒の有無で区別されるけれど、セイバンモロコシの場合は別種としてまで区別の要はない気がする。▼












セイバンモロコシ(西蛮蜀黍)

イネ科モロコシ属 Sorghum halepense(= S. halepense var. propinquum、S. propinquum)
ノギナシセイバンモロコシ(ヒメモロコシ・姫蜀黍)Sorghum halepense f. muticum
今日撮ったこの場所のセイバンモロコシは芒の無いものが殆どだったが
最近では敢えて芒の有無で区別しないようだ。

(2019.09.18 明石川)


▲ 道路脇のセイバンモロコシ(大半は芒が明瞭なタイプ)

▲ セイバンモロコシの果実 芒は殆ど落ちている。

(2019.10.17 伊川)

【イネ科植物に関する用語(備忘録)再掲
イネ科植物では他の植物の茎にあたるものを『(かん)』と呼び、その先に花序を付ける。
花序には三種類ある。
穂状花序 花序の中軸(花序の中央の軸)に柄の無い小穂がつく。
総状花序 中軸から枝分かれの無い柄が出てそこに小穂がつく。
この二つを合わせて『(そう)』と呼ぶ。
円錐花序 中軸から枝が出て枝分かれした先に小穂がつくもの。
通常、花序の下部で枝が長く枝分かれも多いので、外見が円錐状に見える。

花序には『小穂(しょうすい)』と名付けられた構造物がつく。
小穂の基部には『苞穎(ほうえい)』と呼ばれる変形した葉がある。
苞穎の上に『小花(しょうか)』がある。
小花は『小軸(しょうじく)』でつながっている。
小花には『護穎(ごえい)』『内穎(ないえい)』に包まれた、おしべ・めしべがある。
護穎や苞穎についている細長い突起物は『(のぎ)』と呼ばれている。
エノコログサのように小穂の柄にある突起物は芒ではなく、花序の枝が変化したもので『刺毛(しもう)』と呼ばれる。
イネ科の葉は互生、稈を抱く『葉鞘(ようしょう)』と、平らな部分『葉身(ようしん)』で構成されている。
葉鞘と葉身の間には『葉舌(ようぜつ)』と名付けられた膜状の構造がある。

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セイバンモロコシ(西蛮蜀黍)春 



2 コメント

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イネ科の用語 (こいも)
2019-10-28 12:41:59
林の子さん
綺麗なセイバンモロコシ見させていただきました。
まずイネ科の植物の用語から憶えないといけないですね。
難しそうです。
何とかおぼえたいと思うのですが
?(°_。)?(。_°)?…不安になってきました。
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防備録です。 (林の子)
2019-10-28 14:53:48
専門的にやっている訳では無いので、用語は防備録程度にいつも持っています。
いつの間にか覚えると思いますし、花などの構造を説明したりするのと同じですね。
知っている人同士だと通じるのですが、そうで無ければ
これは花びらでは無くて、萼片です…等と言っても、分かっては貰えません。
蝶の数え方に一頭二頭があっても、普通の方たちにはやはり一匹二匹です。
ですから、イネの桿などと言うよりは、イネの茎の方が通じるでしょう。
ただいつの間にか覚えられたものは、せいぜい使い続けた方が良いと思います。
使わないと忘れてしまいますから。
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