HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

ヒオウギ(檜扇)

2017-10-15 | 夏 橙色系

秋の漆黒の種子、射干玉(ヌバタマ)
気付くのがまた少し遅れた。
その分、萎み始めている。














(2017.10.08  大道町)

近隣ではこの場所でしか撮れない。

何年も撮っているのだけれど、今年は花が多い。
秋の漆黒の種子、
射干玉(ヌバタマ)が楽しみだ。


▲ ヒオウギは子房下位、花弁・萼片より下に子房。
ただいずれが花弁か萼片か区別しにくい。








▲ 黒い種子の楽しみが幾つもだが、手前の花は果実が出来なかったようだ。



▲ この果実の段階でも、中の種子の様子が見てとれるが種子が出来ていないモノもある。
花殻の捩れ方には右巻、左巻がある様で、画像は左巻。


▲ 同属の射干同様に、花被片に派手な紋様がある事で好き嫌いが分かれる。

▲ 花は一日花、翌日には花被片は捩れて萎むのだが
子房部分から上が脱落しているモノも見えるから、全数果実を結ぶのではなさそうだ。




▲ 花被片は内花被片3、外花被片3だろうが、いずれが外花被片なのか
その記述は見当たらない。

▲ めしべの柱頭は3裂、先端も3裂の変則的な裂け方。おしべは3本。

▲ 花は一日花、翌日には花被片は捩れて萎む。
上の画像では、受粉しなかった花は花柄を残して子房部分から脱落、
受粉して花は捩れた花被片を残したまま子房部分が膨らんでゆく。


▲ 捩れて萎んだ花(花被片)は、受粉していれば子房部分が肥大してくる。
毎年、一つ二つは花を咲かせている。
今年も二つは花後、今日は一つきり咲いていた。
(2017.07.24  大道町)






▲ かつてはヒオウギ属、現在はアヤメ属に編入されて学名も変わった。
アヤメ属の場合、花弁にあたるものを内花被片、萼片にあたるものを外花被片と呼ぶのだが
ヒオウギにはそういう呼び方は見当たらない。
敢えて言えば蜜が出ている広い方が内花被片…と言う事になるだろうか。


▲ 花後、蕾、開花直前の三つ揃い。

▲ 花殻の捩れ方には右巻、左巻がある様で、画像は右巻。



ヒオウギ(檜扇)
アヤメ科アヤメ属 Iris domestica(=Belamcanda chinensis)
かつてはヒオウギ属、現在はアヤメ属に編入され学名も変わっている。
英名は、果実の様子から Blackberry lily、花被片の様子から Leopard flower
漢字では、葉の様子が檜の薄い板で作った扇に似ていることから「檜扇」或いは「桧扇」
暖色系の花だけれど「緋扇」と書かれる事は無い。
別名は漆黒の種子から「烏扇」と呼ばれる事もある。
(2017.07.14 大道町)
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ヒオウギ ヒメヒオウギ ヒメヒオウギズイセン



2 コメント

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この色合いです (こいも)
2017-08-11 10:02:35
林の子さん
ヒオウギと言うとこの色を想像しています。
綺麗なお花ですね。
撮るたびに中心部に光るものを感じていたのですが
これは蜜・・・だったのですね。
やっと疑問が解決しました。嬉しいです。
雌しべ雄しべも素敵なことーーー(´▽`*)
緑の果実の中にも種子が感じられ今からワクワクします。
それに花の終わりの萎み具合が可愛いくて・・・
いつも画面に合わせてタオルを同じようにしぼってしまいます。
素敵なヒオウギ(檜扇)です。
「烏扇」とも呼ばれるのですね。
いつもありがとうございます。
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花の終わりの捩れ方。 (林の子)
2017-08-11 21:03:15
一つの花でも開花から、種子まで楽しめるモノが幾つもありますね。
それを追いかけていたら、他のモノが撮れない…とおっしゃる方もいらっしゃるようですが。
あれもこれもとお撮りになる方には観察など不向きかも知れません。
ヒオウギは花後の捩れ方を幾つか見ると、何故か知りませんが右巻き、左巻が見つかります。
不稔のモノは花柄を残して落ちてしまいますが、緑の果実が出来ていれば、漆黒の種子が飛び出してくるのまで楽しみが残ります。
「烏の濡れ羽色」まで確かめて下さいね。
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