HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

シンテッポウユリ(新鉄砲百合 タカサゴユリ・高砂百合)

2021-08-17 | 夏 白色系

『種子繁殖、花冠はあくまで白で葉が細いもの』を「シンテッポウユリ」とする意見が幾つかある。
鉄砲百合に似ているが、葉が細いからホソバテッポウユリの別名も持っている。
それが従来のテッポウユリとタカサゴユリの交雑で生まれた、或いは
交配させて誕生した…などと言う解説が広まっている。
その後両者は種子繁殖することから、シンテッポウユリとタカサゴユリの交雑も普通に生まれているとされる。
ところが解説が多岐にわたる上、交雑の繰り返しもあるのだろう区別が困難になってくると

外観だけの線引きが為されて、花冠に赤紫の筋が入るものをタカサゴユリ
花冠が白いものをシンテッポウユリとするのが普通になっている。

その意味では、ここに何年来咲き続けているものはタカサゴユリの特徴を持つものもあるし
殆どその特徴が消え失せているものも混じって咲く。

どこかで複雑な交雑を繰り返している可能性も充分有りうることだと感じる為
敢えて二種を断定的に区別せず併記することにした。






▲ 外花被片にタカサゴユリの特徴が見えるけれど、個体差が大きい。▼



▲ 全くタカサゴユリの名残の無いものと、基部に辛うじてタカサゴユリの名残があるものとが普通に混在。▼





▲ 基部に辛うじて花被に赤紫の筋が見えるものが混じっている。▼





▲ 花粉を纏う前のめしべの柱頭部分 ▼





▲ 花粉を纏って乾いているめしべの柱頭 ▼



▲ ユリは花弁、萼片を区別せず、内花被片(花弁に当たる部分)、外花被片(萼片に当たる部分)と呼んでいる。
基部に赤紫の残る外花被片と殆ど見えない内花被片各3枚が抜け落ちようとしている。▼

▼ 下は、6枚の花被片が抜け落ち、おしべ2本とめしべの柱頭、子房部分を残した画像 ▼


タカサゴユリ ユリ科ユリ属 Lilium formosanum
シンテッポウユリ Lilium × formolongi 別名ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)
テッポウユリ Lilium longiflorum

「タカサゴユリか、シンテッポウユリか?」
以前全農教発行の日本帰化植友の会通信(No.5 2005.10.23発行)の中で
「タカサゴユリか、シンテッポウユリか?」と題されたメーリングリストでのやりとりが掲載された。
テッポウユリとタカサゴユリの自然交雑種が存在する上、
園芸上では交配種が幾つも作出されいるのが現状、断定的な記述は出来ないのだろうと推測した。
当時の編集部の総括には「タカサゴユリ(別名シンテッポウユリ)」
或いは「シンテッポウユリ(別名タカサゴユリ)」としようか検討中、となっていた様に記憶している。
この様に同じ場所に咲くことから、敢えて二種を断定的に区別せず併記することにした。
(2021.08.15 松江)


▲ タカサゴユリ この明瞭な「赤紫の筋」がある花は見かけなくなった。▲

 
▲ 花の姿 細長い花冠とこの赤紫の筋をタカサゴユリとしていた。 
右はテッポウユリとしている花 明らかに葉の様子は違うし花冠は短く太い。▲
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 シンテッポウユリ(タカサゴユリ) 果実 テッポウユリ(鉄砲百合)
10年前のタカサゴユリ 12年前の交雑種


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