神戸駅五時半待ち合わせの約束に少し余裕があった
だから新快速電車ではなく、快速に乗った
一つ手前の兵庫駅で、大勢の客が降りた
一瞬だったけれど、柳原蛭子神社参道の賑わいが蘇った
あっ、そうか、今日は十日戎だ…
躊躇せず、途中下車した
社会人一年生の頃は国道2号線側は倉庫が立ち並び
薄暗い場所だったけれど今はキャナルタウンなどと名前を変えて
再開発された高層住宅が並んでいる
毎朝、缶ピーを買っていた売店は立派なコンビニ風に変わっている
四十年も昔の話だ
途中下車したけれど、蛭子神社に行くつもりはない
今もそのままに残っている、懐かしい喫茶「輪」に顔を出すためだった
店は、戎さん帰りの客で賑わっている
まっさきに、ケイちゃんが声をかけてくれた
『わぁ～、久し振りやねぇ…、なかたにさんの声聞くと元気でるわぁ』
ご主人もお店を手伝っている
『なんや、わしと同じくらいに薄ぅなったなぁ～』
カウンターの奥から、サトルさんのいつもの笑顔
『えべっさんですか？？』
「違う、兵庫駅であんまり人が降りるから、あっそうか、思てな…」
『何言うとんですかぁ、何年ここにいてはったん？？』
「そやねぇ、毎年大騒ぎしてましたなぁ～、仕事サボって…」
サトルさんにブログＵＲＬの入った名刺を手渡す
裏の画像はホオズキだった
ケイちゃんが目敏く見つけて、『私も欲しい…』
ちょうど、薔薇が一枚あったので手渡したら
『わあぁ、ハボタンや…』、とサトルさん
「何言うとんですかぁ 薔薇がかわいそうや…」
兵庫駅で途中下車した顛末、十日戎の賑わい
遠い日の会社の同僚たちの懐かしい話…
半時間程の立ち話…だったけれど、混雑してきたのをしおに別れた
100メートル以上にはなるだろう、道の両側に並んだ夜店が
四十年前よりも増えていた
縁起物のセンリョウ、マンリョウの鉢植えを持っている人も多かった
今日撮った画像ではないけれど、ナンテンやマンリョウの赤は
白い雪の中で撮りたいなぁ～と、霰の中で思った
午後に降った霰が、山では雪になっていたようで
湊川神社の北に見渡せる菊水山は真白だった
--------------- （2009.1.10 兵庫・神戸） ---------------
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「輪」のみなさんもお元気なようで、なによりです。
10年ほど前に一度立ち寄りましたが、今度行かれる機会があれば、よろしくお伝えください。
母をこっちに引き取ったので、ますます神戸と縁遠くなってしまい、寂しいかぎりです。
妹が東灘の住吉と旧今田町に住んでいますが、めったに行くことはないし…
母の衰えが加速しているので、暖かくなったら一度連れて行こうと考えています。
もしお目にかかれる時間がとれれば、ご連絡します。
「兵庫駅」は、小学生のころの「山陽電車・始発駅」のイメージが…(笑)
長田あたりまでは「路面」でしたよね？
懐かしい場所は、歳を重ねた分だけ増えているのでしょうかねぇ～。
その時々に精一杯だった記憶でさえ、上書きされて
消えてしまっているものが多いのだと思います。
消えてしまっていることさえ忘れている。
それでも、幾つになっても突然思い出すことがあって…
この十日戎の日の、兵庫駅の途中下車では、
懐かしい社会人一年生時代のほんの一コマが浮かんだものでした。
「輪」の経営（？）は細々としたものだけれど
私たちにとっては四十年も昔のままの場所。
もちろんですが、杉下、明石、石田の名前は登場しましたよ。
ぜひ、暖かくなれば、顔をお見せ下さい。