HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

キショウブ

2012-05-22 | 春 黄色系

水辺に咲いていると爽やかです…
日本庭園に明るい雰囲気を作ります…
元気が貰える黄色です…

と、こんな宣伝文句をつけて昔は売られていたし
今も株分けでどんどんと増えている。

河川や庭園の人工池には必ず咲いている。
はっとする色合い、そこが気に入られる部分でもある。
殺風景な場所でも似合う…と、持ち帰られた方が
ため池に植え育てていらっしゃる。

ただちに在来種との競合や影響が出るものではないとはいえ
「要注意リスト」に上げられている繁殖力を考えれば…だ。
おまけに行政主導でこの花を学校のビオトープなどに植えたりもする。
一体、動植物の管理・保護でどれが正しいのかといつも気になる。

栽培に興味がない人間が、危険ですよ…と言うのも口幅ったいけれど
特定外来生物に指定され、罰則規定があるものさえ「販売」されているのが現実だ。

きれいなのだし、花に罪はない…の言葉がまた聞こえる。
とまれ、好きになれない黄色の菖蒲。


 
キショウブの内花被片(花弁に当たる部分)は、極端に小さい。
花被片に零れた花粉を食べているホソヒラタアブ。

飛び出して見えるのは雌しべの付属体と呼ばれている部分。
二裂した基部に雌しべの柱頭部分がある。

外花被片を押し下げるか、雌しべの付属体を上げると
雌しべの柱頭、雄しべが見える。
シャガの雌しべ・雄しべも似た構造になっている。

アヤメの仲間は、花弁、萼片と呼ばずに花被片と呼んでいる。
萼片に当たる部分を外花被片、花弁に当たる部分を内花被片と呼ぶ。
キショウブでは内花被片よりも立派に見えるのが雌しべの付属体。
雌しべの花柱はその先端部分にあり、雄しべが下に見える部分。
黄色で区別しにくいので、別ブログに詳解図を上げた。
 
キショウブ(黄菖蒲)アヤメ科アヤメ属 Iris pseudacorus
(2012.05.12・13 明石公園・玉津)
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去年のキショウブ アヤメ類の簡易区別法

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)の概要 
特定外来生物(植物) 要注意外来生物(植物)


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ありがとうございました (とんちゃん)
2012-05-24 16:29:49
キショウブは水元でも勢いがいいです。
これくらい分かりやすく部分が撮れていればどうなっているのかすんなりです。
雌しべがあんなところに!雄しべも確かに見える!
今までは関心が薄かったのでどうなっているのかも考えもせずでした。
お陰さまで分かったとなると次の見方も変わってきそうです。
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増えすぎても… (林の子)
2012-05-24 17:28:51
きっと緑の葉と黄色の花の組み合わせなので、増えすぎても処分される事は無いでしょうね。
間違ってもこの花が山沿いの渓流などに植えられないことを願うだけです。
きれいなもの、見る方たちにはそれ以上のことは無用なのでしょうから、ホテイアオイ同様に増え続けるでしょう。
アヤメ類の観察に利用する…と思えば、一つ二つダメにしても叱られることはないでしょう。

一つ一つを丁寧に覚えてゆくことも大事でしょうが大雑把でも類似種を見ていると
何とはなしに違いも見えてきたりするでしょうから、
雑多な種類から少しずつ興味の範囲も絞られてくるように思います。
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