あれから…

 
　そうですねぇ～、あれから六十年も経ったんですか。
　私が生まれた時間、ちょうど「人丸さん」の西側にあった疎開先の庭からは、
春の夕暮れの淡い夕焼けが見えたそうです。
残念ながら、私の記憶には無いのですが。

そうなんやねぇ～、もう五十年以上のお付き合いなんや。
　学校帰りは遠回りしてたし、夏には何時もトカゲが這い出して来た、玉木さんの石垣。
今でも少しだけ残ってるみたいやけど、
コンクリートで固められて、トカゲは棲まれへんみたいやね。
南隣やった鷹濱の鈴ちゃんは、どないしてるんやろねぇ～。

そうですか、お孫さんがもう高校生ですか。
　私たちの高校時代は、それはそれはアカデミックだったし、
毎日が弁論大会だった気がします。
何でも頭に入る気がしたし、議論している間に議論の中身が知識になったし…。
今でも同じなんでしようね。
興味の対象と、議論の出来る仲間に囲まれていると、
何時までも歳は取らないと思いますよ。

そう言えば、広島も長崎も敗戦も同じ六十年。
　不思議な気がします。
敗戦を境にして、私の同窓は生まれ育った。
前後の学年に比べて極端に生徒数が少なかったから、
高校時代には自らを『少数民族』と称し、何かにつけ反発していた気がします。
大学時代と比べると、決して恵まれた環境だった筈は無いと思うのに、
「花」だって「写真」だって「学生運動」だって、みんなその頃の置き土産。
　直接の戦争体験はないものの、それでも、
どこにでも転がっていた戦争の跡は痛いほど脳裏に残されてしまっている。
だから、敗戦も広島も長崎も、今の私たちに繋がっていると短絡してしまう。
　今年は、不思議な巡り合わせの様な思いで墓参もしたし、幾つかの場所で線香も上げた。私の同窓はそろそろ六十を越え、来年三月末には全員が一巡りの年齢になる。

と、こんな感慨を書きながら、このブログの一年を振り返っている。
　様々なブログと出会い、様々なカメラマン、写真家、写真ヤに出会い、様々な花好きに出会った。
生きてきた時間は六十年、ブログ開設からはまだ一年半、
取るに足らないものの方が多い気もする。
　それでも、ブログ開設当初の昨年五月に、
大船植物園のたった一本のネジバナがとりもつ縁で知り合えた『ドラ猫さんのページ』、
そこから繋がった『宮床さんのページ』、
去年秋、同じ大船・薬草園のミコシグサ、森の小道のセンニンソウがご縁になった『ハム次郎さんのページ』、
つい最近のことだけど「明石城坤櫓」の写真が縁になった『ひろ♪さんのページ』は、
これから先も大事にしたいページになってくれている。
　私のページも、どこかでどなたかの大事なページになってくれていると良いんだが…、
と思うこともあるけれど、なにしろ生来の我儘人間。
　今のスタイルのまま、季節の花たちを撮り続けることで
自己満足しているのが一番性に合っているなぁ～とも思っている。

　  ＯＣＮブログ人　2005-08-25 01:01:00