先月、福岡県宗像市の宗像大社を訪問した。実は昨年5月に車での佐賀県1周旅行の時に立ち寄ったのだが、少し不便な所にあり、時間もなく慌ただしく立ち去った。
実は実はその時、道に迷って「道の駅むなかた」の前に出た。折角だからと立ち寄った所が、新鮮な魚貝類の山だ。3泊4日の旅行初日であり、なま物は買えないとあって、泣く泣く海の幸を前に断念した。
帰って調べてみると、やはり九州一の売上を誇る「道の駅」だった。 昨年9月の南九州1周旅行の時も、帰りに寄ろうとしたのだが、今度は疲れて「また今度にしよう」、ということになった。
本当は、そういう曰く因縁のある「道の駅」が主目的で、おかげで「トラフク」ならず「シマフク」を安く手に入れ、刺し身を味わった。そのついでと言ってはバチが当たるが、今度はゆっくりと宗像大社にお参りした。隣の「海の道むなかた館」にも行った。
宗像大社は遣隋使、遣唐使が必ず立ち寄った所と聞いていたが、陸地の辺津宮、大島の中津宮、沖ノ島の沖津宮の3宮の総称だそうで、当然ながら初めて知った。
特に沖ノ島の沖津宮は神主が10日間の交代で宮を守り、女人禁制どころか立入禁止の秘島だ。古代はこの海の道を通じて韓国釜山と往来していた。「海の正倉院」と呼ばれて、宝の山なのだ。
どう考えても、この地から奈良、京都へ行くより韓国の方が近くて早い。九州・山口は中国-朝鮮-日本を結ぶ一つの文化圏を構成していたことは間違いない。帰ってこの宗像大社を調べてみると、歴史的に大変な土地だと判った。
これからは「道の駅」と「海の道」に誘われて、年に数回は訪れ、遠く玄界灘を眺め、魚貝類を食しながら古代のロマンに思いをはせることになりそうだ。