携帯電話業界ブログ

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ノキア、日本での携帯事業縮小へ 高級ブランド「ヴァーチュ」に特化

2008-12-01 |  ノキア



 携帯電話機で世界最大手のノキアは27日、来年初めをメドに、NTTドコモとソフトバンクモバイルヘの端末供給を打ち切ると発表した。今後は、自社で販売する高級ブランド「ヴァーチュ」に特化する。

 海外向け端末の開発機能は維持するが、大幅な事業縮小となる。


●収益確保が困難

 同社は1994年に日本市場に参入し、現在はドコモとソフトバンクの2社に供給しているが、国内大手に対し明確な特徴を打ち出せず、07年度の出荷台数は20万台以下で、シェアは0.3%程度に留まっていた。

 10%を目指して日本専用製品の開発も検討したが、金融危機の影響で世界の携帯市場が急速に減速する中、日本市場での収益確保は難しいと判断した。

 ソフトバンク向けは28日に発売する機種が最後となる。ドコモは来年2-3月に新製品を予定しているが、「中止も含めて検討する」という。


●富裕層向けサービスに特化

 日本法人のノキア・ジャパンは約400人の従業員を抱えており、大半は海外市場向け製品の研究開発要員。ただ、製品のPRなどを担う人員約35人は、来年上期に削減する。

 1台60万円以上する超高級端末を扱う「ヴァーチュ」を来年初めから展開する計画は維持する。NTTドコモの回線を借りてMVNOとして、富裕層向けに特化してサービスを提供する予定。

 ノキアは07年の世界シェアが38%で、2位の韓国サムスン電子(14%)を引き離して首位。

 だが、金融危機の影響で今夏から世界の携帯市場の伸びが減速。ノキアも世界戦略の見直しを迫られ、iモードや日本語への対応で開発費がかさむ日本市場が対象となった。
                          




【記事引用】 「日経産業新聞/2008年11月28日(金)/3面


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