米マイクロソフトは20日、スマートフォン向けの新たな基本ソフト(OS)「ウィンドウズフォン8」を年内に投入すると発表した。
パソコンやタブレットを動かす次世代OS「ウィンドウズ8」と基本機能を共有し、スマートフォン市場で先行するアップルやグーグルに対抗する。米サンフランシスコ市内で開いた開発者向けイベントで明らかにした。
●高精細な画面表示
ウィンドウズフォン8は中枢回路(コア)が複数ある半導体チップを搭載した端末にも対応し、大型で高精細な画面表示ができる。
非接触ICチップの国際規格「NFC」にも対応し、端末を近づけて画像や文書、連絡先などのデータを非接触でやりとりできるほか、財布代わりにも使えるようにする。
スタート画面はウィンドウズ8とほぼ同じデザイン。タイル状の大きなアイコンを自由に移動したり、拡大・縮小したりできる。それぞれのアイコンの中に画像や簡単な内容を表示できるため、メールやアプリをいちいち開かなくても概況を確認できる。
IT業界ではアップルもパソコンとスマートフォンのOSを連携。パソコン「マック」用のOSと、スマートフォン「iPhone」などに使われているOS「iOS」の機能の共通化を進めている。
米調査会社IDCの調べでは、ウィンドウズフォンを搭載したスマートフォンの世界シェア(2012年)は5.2%。グーグルが開発した「アンドロイド」を搭載したスマホ(61.0%)や、アップルのiPhone(20.5%)に大きく引き離されている。
マイクロソフトは、ウインドウズフォン8をウィンドウズ8とほぼ同時期に投入することでスマートフォン、タブレット、パソコンの機器の壁を越えてアプリやコンテンツを作りやすい環境を確保。
開発・制作を手掛けるパートナー企業を引き留めてアプリやコンテンツを充実させ、ユーザーを呼び込みたい考え。
<スマートフォンOS世界シェア(2012年)>
1位 アンドロイド(グーグル):61.0%
2位 iOS(アップル):20.5%
3位 ブラックベリー(RIM):6.0%
4位 ウィンドウズフォン:5.2%
5位 その他:7.3%
【記事引用】 「日本経済新聞(夕刊)/2012年6月21日(木)/3面」