米マイクロソフトがインターネット通話大手のスカイプ・テクノロジーズの買収を決めた背景には、IT業界の主戦場となっているスマートフォンなどの分野でMSが攻めあぐねている現状がある。
同社買収にはネット検索最大手の米グーグルなども関心を示していたとされ、競争がさらに激しくなりそう。
●追撃ののろし
マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者は、10日の声明で両社の連携により「家族や友達、顧客、同僚と世界のどこにいようとも簡単に繋がることができるリアルタイムコミュニケーションの時代を築く」と語った。
発表文では「スカイプは、ゲーム機『Xbox』や、『ウインドウズフオン』などの幅広いマイクロソフトの機器をサポートする」と説明。
マイクロソフトがソフトや技術を手掛ける様々な機器でスカイプのサービスや技術を展開する考えを示した。
スカイプはパソコン向けの無料ネット電話で知られ、1億7000万人の利用者を抱えるが、利用者の通話時間の約4割はテレビ電話。
マイクロソフトはスマートフォンで先駆者的な立場にありながら、基本ソフト(OS)「ウインドウズモバイル」を使ったスマートフォンではアップルのiPhoneなどに惨敗。
携帯最大手のノキアと提携して追撃ののろしをあげた所だった。
【記事引用】 「日本経済新聞/2011年5月11日(水)/7面」