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世界の携帯電話端末メーカー、業績二極化 スマートフォン主力で収益拡大、苦戦続く第三極

2011-05-12 | 端末メーカー/世界



 世界の携帯電話端末メーカーの業績が二極化している。

 1-3月期は、アップルや、グーグルの基本ソフト(OS)を採用した台湾の宏達国際電子(HTC)などスマートフォンを主力とするメーカーが収益を拡大した。

 一方で、両陣営に対抗する「第三極」の形成を目指すノキアなどは苦戦を強いられている。


●収益大幅伸張

 1-3月期のスマートフォンの販売台数は、ノキア、サムスン電子、アップル、リサーチ・イン・モーション(RIM)、HTC、モトローラ・モビリティーの6社合計で前年同期比72%増の8414万台になった。

 6社の全販売台数に占める割合は、前年同期より13ポイント高い37%に上昇。2010年、10-12月期との比較でも4ポイント増えた。

 アップルは、米携帯電話最大手のベライゾン・ワイヤレスが新たに「iPhone4」の取り扱いを始めたことなどが追い風となり、販売が拡大。

 売上高が2.3倍に急増し、売上高ではノキアを抜いて「世界最大の携帯メーカー」になった。

 iPhoneの対抗馬として人気が高まっているグーグルのOS「アンドロイド」を搭載した機種を主力とするメーカーも、収益を大幅に伸ばした。

 HTCは販売台数を一気に3倍近くに増やしたほか、「ギャラクシーS」が好調だったサムスンやモトローラも2桁の増収だった。


●続くシェア下落

 一方、スマートフォンで出遅れたノキアなどは業績が伸び悩んだ。ノキアは携帯電話全体の販売台数で首位だが、シェア下落と減益が続く。

 同社は、これまで独自に開発してきたOSを米マイクロソフトからの調達に事実上切り替えて巻き返す方針だが、マイクロソフトもスマートフォン向けで苦戦しており、アップルやグーグル陣営に対抗できるかは不透明。

 「ブラックベリー」を展開するRIMも、10年12月-11年2月期の収益は2桁増だったが、主要市場である米国ではシェアの下落が続いている。

 4月末には3-5月期の業績予想を下方修正して株価が大幅に下落した。アップルなど「2強」の勢いが増しており、独自OSの搭載を続けるRIMの先行きに対しては懐疑的な見方も広がっている。




【記事引用】 「日本経済新聞/2011年5月9日(月)/7面」


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