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スマートフォン向け新放送「NOTTV」、逆風の船出 ドコモ子会社mmbi、4月開局へ詳細発表

2012-02-18 |  NTTドコモ



 NTTドコモや民間放送局などが出資するmmbiは16日、4月1日に開始するスマートフォン向け新放送「NOTTV(ノッティーヴィー)」の詳細を発表した。

 だが、専用端末の普及や他の配信サービスとの競合など課題にも直面している。ドコモは相次ぐ通信障害問題への対応も抱えており、新たなスマートフォンビジネスモデルの構築は逆風下の船出となる。


●100万契約目標

 「初年度100万契約」――。二木社長は同日、新放送の目標を表明したが、様々なインターネット上の無料動画サービスとの競合も予想され、「目標は簡単な数字ではない」と話した。2015年度に600万契約に拡大し、収支の黒字化を目指す。

 NOTTVには「NOTテレビ(テレビにないものを)」を旗印に、スマートフォン時代に合わせた放送の形を提案していく考えが込められている。

 放送は3チャンネルで構成。月420円で「ワンセグ」の10倍の画質で24時間、ニュースや独自ドラマスポーツ中継を楽しめる。

 例えば、生放送を中心として「NOTTV1」と「NOTTV2」では7時間にわたる冠情報番組「notty☆LIVE 7時間!」を週5日放送する。

 3チャンネル目にあたる「NOTTVニュース」ではTBSや日本テレビと協業し、24時間ニュースを流す。

 新放送サービスは「週284時間という圧倒的な生放送の量」(小牧次郎常務)が売り物。生放送と並び「蓄積型放送」と呼ばれ、スマートフォンのSDカードにコンテンツを保存しておくサービスも提供する。

 まず「東京ウォーカー」などの電子書籍のほか、ミュージッククリップを寝ている間にダウンロードしておくことが可能。

 NOTTVは「1対多」の放送波を使うため、テレビと同様に数百万人が同時視聴しても回線の混雑がないのが利点。このため「1対1」が基本のネット動画サービスに跳べると遅延や回線への負担がない。

 ドコモは今年度だけで8度の通信障害を起こすなど、携帯電話会社の「スマートフォンデータ量の急増」が問題となっている。新サービスはデータ通信混雑緩和の1つの役割を果たす可能性がある。


●他社の反応薄

 ただし、視聴にはアンテナを備えた専用端末が必要となる。まず、4月までにシャープのスマホとNECのタブレット端末を用意。12年度上期中にさらに5機種を発売する。

 契約申し込みはドコモショップやスマートフォンのアプリを使って可能。今のところ、ドコモのスマートフォンでしか利用できない。

 「ソフトバンクのスマートフォンでも利用は可能」(二木社長)としているものの、「参入するメリットがない」(KDDI幹部)など他社の反応は薄いのが実情。

 対応エリアは、12年4月時点で東名阪と福岡と沖縄、12年度中に全国の主要都市、14年度にほぼ全国を網羅する予定。

 ただ、126の基地局で全国をカバーする計画のため、「室内など視聴が難しい地域が出てくる可能性がある」(通信会社幹部)との指摘もある。




【記事引用】 「日経産業新聞/2012年2月17日(金)/3面」


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