NTTドコモは、インターネットなどを通じて画像や文書、動画、楽曲などを保存できる個人向けのクラウドコンピューテイングサービスを今年秋にも開始する。
サービス利用者が増えた段階で自社のデータセンターも建設する方針。米アツプルや米グーグル、ヤフーなどがクラウド事業で先行する中、通信事業者のドコモが始めることで、スマートフォンやタブレット端末などの利用者を囲い込む狙いがある。
●利用者の囲い込み
NTTドコモは、今年秋のクラウドサービス開始に向けて準備を進めている。個人データを保存するにはサーバやストレージが必要となる。サービス開始時はレンタルで対応する。
利用料金は国内で展開するクラウド事業者と同程度にする方針で、他社同様に無料で一定の容量を超えると有料にする。同サービスはID(識別番号)で管理するため、スマートフォンなど携帯機器の利用者の囲い込み効果を期待している。
ドコモの携帯通信契約者は約6000万に及ぶため、サービスの利用者が増えた時点で利用状況を見極め、データセンター建設の可否も含めて検討。
建設時には国内にデータセンターを建設する予定で、投資額は1000億円規模になる可能性もある。サービス開始までにセキュリティー面も強化する。
ドコモは、複数の端末でいつでもどこでもあらゆるサービスが利用できる時代が来ると見ている。クラウドによる大容量データと高度な情報処理技術を活用し、異業種との融合で新たなサービス提供も視野に入れている。
【記事引用】 「日刊工業新聞/2012年3月30日(金)/1面」