ノキアは今後、インド、中国、アフリカの3地域を重点的な戦略地域として、事業展開を強化する。
3地域はともに人口が7億以上、携帯電話の普及率は50%以下、都市化が遅れているなど携帯電話普及の共通点があることから積極的に取り組んでいく。
●製品展開を考慮
インドでは、携帯電話事業主要6社が全国サービスを展開。月間1千万近いペースで加入者が増加しており、08年10月末の加入者数は3億2573万。
GSM方式の事業者が4社、CDMAが2社で、方式別の内訳は、GSM80%、CDMA20%となっている。同社によると、月収350-1735ドルの範囲が加入者全体の47%、350ドル以下が46%を占めるという。
このため、こうした所得層を考慮した製品展開が求められるとしている。
今後は、地方での加入者が新規加入の半分以上を占めようになり、第3世代(3G)サービスの普及、事業者間の競争激化、端末の平均売価の下落などが予想されるという。
●農村部での需要拡大
中国の携帯電話人口は、08年10月末で6億2726万。ノキアは中国で生産2拠点、R&D10カ所を設け、1万2千人を雇用する中国有数の外資系企業になっている。
広い価格帯で端末を販売してきた結果、08年1-9月の中国での販売台数を前年同期比16%伸ばした。
中国では、農村部での普及率が07年で22%と低いため、農村部での需要拡大を図る考え。所得の高い層を狙って、スマートフォンでも攻勢を掛ける。
●将来性ある市場
人口9億人、世界の国の4分の1が集結するアフリカにも同社は注目する。ITUによると、アフリカの携帯電話加入者は07年で2億7千万、前年の40%以上の伸びを示した。
アフリカは固定電話の普及以前に携帯電話が利用され、PCより携帯端末でインターネットを楽しむ環境になっている。しかも、携帯電話の普及率は18%以下というモバイル環境にある。
このため、ノキアはアフリカにキャラバン隊を派遣して各国を回り、ノキアブランドの普及に懸命。将来性ある市場としてアフリカを位置付けている。
【記事引用】 「電波新聞/2008年12月26日(金)/3面」