世界不況の影響で、世界の携帯電話市場が失速しつつある。
米調査会社IDCによると、08年の世界の携帯電話出荷台数は前年比7.1%の増加に留まり、09年は同1.9%減少に転じる見込みという。
マイナス成長は、01年に同2.3%の減少を記録して以来。
●新興市場成熟
過去数年間、携帯電話市場は、新興市場への注力によって2桁成長を続けてきたが、その新興市場も成熟し、減速している。なお、ノキアは09年の世界出荷台数を前年比5%減と予測している。
部品メーカーを含む携帯電話の主要メーカーもここ数ヶ月、09年の携帯電話出荷台数について、悲観的な見方を相次いで発表している。
また、チップセットメーカーの数社が09年の生産縮小を発表しており、市場に先行き不安感が広がっている。消費者も、可処分所得の減少により、機器の買い替えには慎重になっている。
●スマートフォン需要高
しかし、スマートフオンは依然として需要が高く、出荷台数は08年が同26.9%、09年は同8.9%それぞれ増加する見込み。電話機能に留まらない多機能性と低価格化が人気の要因という。
IDCでは、10年には携帯電話市場全体として回復の兆しが見られ、スマートフォンは2桁成長が期待できるとしている。
【記事引用】 「電波新聞/2008年12月23日(火)/3面」