NECカシオモバイルコミュニケーションズなどは、NTTドコモの高速携帯電話サービスに対応したスマートフォンを開発した。11月にも発売する。
ドコモは米アップルの「iPhone」に対抗するため、ネット接続や動画視聴機能を売り物にした端末の品ぞろえを急いでおり、富士通など3社も同様の機種を供給する計画。
●対応端末投入急ぐ
NECカシオが開発した端末は高速携帯電話サービス「Xi(クロッシィ)」に対応しており、通信速度は最大毎秒37.5Mビットで、現行の第3世代携帯電話の約5倍となる。高速サービスが利用できない地域は既存の第3世代の回線を併用する。
米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の最新版を搭載。「おサイフケータイ」や携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」機能にも対応する。
ドコモは来週にも秋冬商戦の新モデルを発表する予定。NECカシオに加えて、富士通や韓国のサムスン電子、LG電子も同様のスマートフォンを投入する計画。
NECカシオや富士通は、ドコモが今年末に既存の携帯電話の高機能モデルを廃止してスマートフォンを看板機種に据えることを受け、スマートフォン供給をメインに切り替える。
サムスン電子やLG電子も、グローバル展開する高速携帯電話サービス対応機種をいち早く日本市場に投入する考え。
ドコモは、Xiの契約者を今期100万回線獲得することを目指している。現在はXiに対応したデータカードやタブレット型端末を取り扱っているが、スマートフォンは発売しておらず、対応端末の投入を急ぐ。
高速携帯電話サービス対応のスマートフォンでは、KDDI(au)が毎秒40Mの高速無線「WiMAX」に対応した製品、ソフトバンクモバイルが毎秒21Mの「ウルトラスピード」に対応した製品の発売を予定しており、販売競争が激化しそう。
【記事引用】 「日経産業新聞/2011年10月14日(金)/4面」