カズTの城を行く

身近な城からちょっと遠くの城まで写真を撮りながら・・・

お城&キャラクター土産  ⑧

2008-11-30 18:34:11 | Weblog
江戸城は、東京にあります。・・・以前東京編は載せましたが、もう一つ東京のキャラクターを買っていましたので、「シリーズ 江戸城の旅」に合わせてまた載せます。

東京限定・・・バナナもっこり!

            どうぞ! 




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シリーズ  江戸城の旅  ⑤

2008-11-30 00:36:09 | Weblog
江戸城には、たくさんの史跡があり、櫓や門もあります。しかしそこは大都会の真ん中。現代のビルや建物もたくさんあります。
お城の写真を撮る時、出来る限り現代のものが写らないように気を付けたりもしますが、あえてここでは、江戸時代と現代を一つのフレームの中に収めてみました。


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東京と江戸


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『戦国に散る花びら』  第十九話  青い光の中へ

2008-11-27 22:26:45 | Weblog
三津林と茂助、そして松吉、亀作が、美有や侍女達、門番の宗太、屋敷の警護に残った友太郎らに見送られて屋敷を出て行った。
城中で榊原隊や、石川隊らの鷹天神城攻略軍と合流し、東へ向かった。まず攻略軍は、天稜川を渡り、鷹天神城攻略のために造った横洲架城に入った。
攻略軍は、二日かけて攻略の作戦を練り、出陣の準備をした。その間三津林は、預けられた五百の兵を集めて、出来る限り一人一人に判るように自分の意思を伝えた。
「決して死に急がずに、この戦でも生き残り、次の戦いでまた役に立てるようにして下さい。それが私のためであり、御殿様のためであります。その気持ちが強ければ、あの城も落とせます。・・・そして勝ちます。」
三津林は、自分以外の死を望まなかった。
そして翌夕、鷹天神城攻略軍は、横洲架城を出て鷹天神城へ向け進軍した。
途中、軍は二手に別れ、それぞれ南の大手門側、そして北の搦手門側に陣をとった。三津林達は、搦手側から別れ、鷹天神山の西に陣をとり、道の無い所から攻め込む役目を担った。



「お屋形様、あの崖を登れるでしょうか?」
茂助の指す先には、月明かりに見える山の木々の間から岩が剥き出す崖がある。
「たぶんあの木の生えている所を縫って進めば、西側の曲輪の下には辿り着けるでしょう。」
鷹天神山は、山頂の東側に本丸、二の丸があり、そして西へやや下った先に三の丸、そこからまた上がった所に、本丸の方へ攻め込む敵を攻撃出来る曲輪が存在していた。その曲輪を攻撃して本丸へ攻め込む攻略隊を助ける役目を三津林達が担っているのだ。
「しかし辿り着くまでに気付かれたら、かなりの痛手を受けるでしょう。」
三津林は、腕を組み、木の葉が月明かりを浴びて、光り輝きながら風に揺れる木々を眺めた。
「茂助さん、つるを用意して下さい。・・・長くて切れ難いのを。それと松吉と亀作を呼んで来て下さい。」
「はっ!」
程なく茂助が二人を連れてやって来た。
「お屋形様、つるですが、どうなさるんですか?」
「あの曲輪は、木の柵ですよね。」
「はい、杭を縄で繋いで横木を渡したものだと思いますが。」
「そうですよね。松吉と亀作は、つるを持ってついて来て下さい。」
三津林もつるを抱えて歩き出した。
「お屋形様、何処へ?」
「朝までには戻りますから、もし決行の使者が来たら、茂助さんが部隊を動かして下さい。」
そう言って三津林は、松吉と亀作と共に山へ入って行った。


翌朝早く、搦手側の攻略隊からの使者が来て、三津林達への作戦決行を依頼してきた。
三津林達は、陽が昇る前に陣へ戻っていた。
「よし、行こう!」
三津林は、兵五百に対して出撃の命を出した。
今回は、三津林も鎧兜を見に付け、部隊の将らしい姿をしていた。
「お屋形様、お似合いです。」
「茂助さんもその兜似合ってますよ。それより必ず生き残って下さい。勝とうが負けようが死んではいけません。これは命令ですよ。」
「お屋形様・・・。」
三津林と茂助は、それぞれ兵を引き連れ、別々の所から山へ入った。



鷹天神山に強い風が吹き荒れた。三津林達は、西側の曲輪の柵の下まで辿り着いた。風のせいで五百の兵の足音も消され、気付かれずに上り詰めたのだ。
三津林は、搦手からの合図となる進撃を待った。そこへ見張りの足軽からの知らせが来た。
「三津林様、攻撃が始まりました。」
確かに、攻め入る兵の声が聞こえ、上の曲輪の敵兵達もざわついている。
三津林は、右手を振り上げた。そして四方に分かれたそれぞれの隊に合図となって伝わった。
「よし、行け!」
柵の下で待機していた何人かの兵が、柵に縛ってあるつるを思いっきり引いた。すると柵が倒れ、人が通れるだけの隙間が四ヵ所出来た。そこから三津林隊の兵が曲輪へとなだれ込んだ。
敵兵も応戦してきたが、不意をつかれた者も多く、曲輪内の応戦は、三津林隊の優勢で進んだ。しかし三の丸からの応援や、物見櫓からの弓隊の攻撃で討たれる兵も続出した。
「お屋形様!」
「茂助さん、あの櫓の兵を何とかしないと!」
「はい!」
茂助は、すぐに弓隊を数名連れて来て、櫓の敵兵を狙わせた。
「私は下から行きます!」
茂助は、敵味方が争う間を割って物見櫓へ向かった。三津林もすぐに後を追った。
茂助が櫓の下へ辿り着いた時には、見方の兵が梯子を上ろうとしていたが、上から敵兵が刀で応戦してくるために上れずにいた。茂助は上を見て、敵兵が弓を射るために身体を乗り出していない側面から櫓を上り始めた。
「茂助さん。」
三津林もそれを見て、横からよじ登った。
茂助が櫓の手摺りに手を掛けて身を乗り出すと、敵兵もそれに気付いて攻撃して来た。茂助は、片手で身体を支えて刀を振り応戦した。その隙に横から三津林が上りきり、櫓の中へ入り茂助の相手を討った。他の弓兵も刀で攻撃して来たが、梯子から上がって来た見方の兵も加わって、敵兵をすべて討ち取った。
三津林が櫓の上から搦手側を見ると攻略隊の兵がかなり攻め込んでいた。
「茂助さん、攻略出来そうですね。」
「もう一息です。」
その時だった。
「うっ!」
三津林の胸に矢が刺さった。
「お屋形様!」
茂助が三津林を抱えた。
「大丈夫です。ここへ弓隊を上げて下さい。」
「は、はい!」
三津林は、立ったまま柱にもたれ掛かった。茂助は、心配だったが命令通りに弓隊を櫓に上げるために下へ降りた。
「三津林様、本丸から火の手が上がってます。」
「そうか・・・。」
三津林は目を閉じ、自分の役目は終わったと思った。



「先生、こっちへ来ちゃだめ!」
愛美が川の向こうで叫んでいる。
「俺は、愛美の所へ行きたいんだ!」
三津林は、対岸の愛美の所へ行くために川の中へ入った。
「来ちゃだめ!先生は生きて!」
それでも三津林は、川の中を進んだ。しかし川の流れが速く、なかなか前へ進めない。しかも鎧が水で重くなっていく。
「愛美!愛美!」
手を伸ばしてもまったく近づかない。水は胸の所までになっていた。
「先生戻って、溺れちゃう!」
「愛美!愛美!」
その時、足元が急流にすくわれ、三津林は流された。
「先生!」
愛美は、流される三津林を追った。しかし三津林を流す川の流れは、愛美よりはるかに速く、離れて行くばかりだった。
「愛美!」
三津林の身体は、鎧兜の重さもあり、水に呑まれて見えなくなってしまった。
「先生!」

三津林がハッと気が付くと、櫓の周りは見方の兵達が敵方の兵を押し込んで、曲輪を占領しそうになっていた。
「お屋形様!」
茂助が櫓の梯子を上って来る。弓隊も続いていた。
胸の矢の根元から血が溢れている。しだいに意識が朦朧としてきた。
「茂助さん・・・。」
三津林の手は、手摺りを持って身体を支える力が無かった。
「お屋形様!」
「三津林様!」
茂助達の叫びも空しく、三津林の身体は、手摺りを乗り越えて櫓から落ちて行った。
茂助は、急いで梯子を上がりきり、三津林が落ちた手摺りの所へ行き下を見た。
「お屋形様!」
物見櫓は、柵のすぐ近くに建っていたので、三津林の身体は、柵に当たった後、弾みで柵の外側に落ちてしまい、崖になっている所を転がるように落ちて行っている。
「お屋形様!」
茂助は、また叫んだ。

三津林が落ちるその先に、眩しい青い光が現れた。やがて三津林の身体は、その青い光の中へ消えて行った。

         
                つづく

          ※ この物語は、すべてフィクションです。

          ・・・次回は、最終話です。
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長久手古戦場

2008-11-26 23:24:08 | Weblog
10月12日の名古屋市守山区から尾張旭市、長久手町と回って来た城址、史跡巡りの最後は、長久手古戦場です。
秀吉対家康の唯一の対戦で知られる、小牧・長久手の戦い。その戦いの一つがあった場所が長久手古戦場です。
長久手城址で写真を撮り、住宅地を東へ(血の池公園を通り過ぎ)上がって行くと長久手古戦場がありました。
東側の駐車場の所に資料館があり、中に入って古戦場に関する資料・展示があり、奥方様と見て回りました。


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長久手古戦場


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古戦場をおおよそひと回りして車に戻り、長久手ICから名古屋瀬戸道路に乗り、日進JCTで東名に入り、自宅へと向かいました。


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城№62 <長久手城>

2008-11-23 00:54:19 | Weblog
血の池公園の所の住宅地図看板を頼りに、長久手城址を探しましたが、地図通りに城址はあり、小さな城址公園の脇に車を停め、写真を撮りました。
長久手城も小牧・長久手の戦いに関わっており、家康方の城でしたが、池田隊に敗れたそうです。


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長久手城


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城址からは、御旗山も見えました。旗も立っており、この町全体がお祭りのようでした。ここから先ほどの地図で確認しておいた長久手古戦場に向かいました。


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血の池公園

2008-11-21 22:31:03 | Weblog
長久手町に入って、御旗山を訪れた後、向かったのは長久手城。すぐ近くにあるはずでしたが、住宅地の中にあるので、作ってきた地図がおおまか過ぎたため、なかなか判りませんでした。そんな中、目に入ったのがこの公園でした。



公園の名前を見て、「本当かよ!」と言いたくなりました。・・・知らない人は、何だか入りたくなくなるような公園です。



「血の池公園」です。
きっと小牧・長久手の戦いに関係あるんだろうなと思って、写真だけ撮ってみました。
<Wikipedia>より
小牧・長久手の戦いの時、徳川家康方の渡辺(槍)半蔵らが、血のついた槍や刀を洗った池があった。
この池には、「毎年、合戦のあった4月9日に池の水が赤くなる。」という伝説が残り、「血の池」と呼ばれていた。
この池を埋め立て、整備されたのが、「血の池公園」である。


この公園の脇に住宅地の地図があり、長久手城の位置も表示されていたので、長久手城址に向かいました。



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犀ヶ崖へのコメントありがとうございます。

2008-11-19 22:14:16 | Weblog
犀ヶ崖へのコメントを下さった方、ありがとうございました。
コメント管理が非公開になっており、気付きませんでした。ごめんなさい。

今も時々ですが、あちこち回って城や史跡の写真を撮っています。それをブログに載せておりますので、よろしかったら暇な時に見て下さい。





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御旗山

2008-11-18 23:37:11 | Weblog
旭城のある尾張旭市から長久手に向かう途中で昼食。らーめんでした。
昼食を済ませて長久手に入り、少し迷いましたが何とか御旗山にたどり着きました。
御旗山は、秀吉と家康の一度の対決であった、小牧・長久手の戦いの中の古戦場史跡のひとつです。

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御旗山
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この日、この辺りの町もお祭りのようで、御旗山も関係しているようだったので、邪魔にならないうちに写真を撮って立ち去りました。そして次の目的地もすぐ近くだったので地図を頼りに車を走らせました。


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『戦国に散る花びら』  第十八話  約束

2008-11-17 01:11:50 | Weblog
「先生、ちゃんと帰って来て下さいね。私の桜の木を枯らしたりしたら、化けて出ちゃうわよ。」
愛美は、横になっている三津林の頬に口付けをした。
「判ったよ。ちゃんと手柄を立てて帰って来るから、心配しないで待っててくれ。それより化けて出るとは何だよ、死んじゃうみたいじゃないか。」
「えっ、先生、もう忘れたの?私、死んだじゃない。先生、泣いてたでしょ。」
三津林は、愛美の手を握ろうとしたが握れない。
「何を馬鹿なこと言ってるんだ、愛美、・・・愛美!」
愛美の姿がしだいに遠くへ行ってしまう。
「愛美、愛美!」
やがて愛美の姿が、闇の中に消えてしまった。



「愛美!」
ハッと三津林は気が付いた。周りには、居眠りをしている足軽達がいるだけだった。
三津林は、出陣の準備のために曲輪に入っていた。そしてその支度の合間の休息中に居眠りしていたのだ。
「お屋形様、家康様がお呼びだそうです。」
「えっ、家康様が?」
「はい、榊原様が呼んで来るように言われました。」
茂助の迎えに応え、三津林は対面所へと向かった。
いつものように家康の足音が聞こえてきた。何度かこの場所に呼ばれ、家康を待って座っている経験を積むうちに、廊下を歩く家康の足音が判るようになった。
家康が部屋に入って来て座った。
「三津林、もう少し近くへ寄れ。」
「は、はい・・。」
三津林は数歩前へ出た。
「いよいよ明日ここを出立するが、準備は万全か?」
「はい、茂助と二人なので今すぐでも出立出来ます。」
「そうか・・・。」
家康は、顎を擦っている。
「攻める城は、元々我らが城の一つ、必ず奪回しようと思っておる。しかしあそこは、なかなかの不落の城じゃ、簡単にもいくまい。そなたには兵を五百与える、城攻めの一翼を担ってもらうぞ。」
「は、はい。」
三津林には、戸惑いもあったが自分の中での決心もあり、身が引き締まる思いになった。



「もう一つ、そなたに言っておきたいことがあるのだが・・・。」
また家康が顎を擦る。
「は、何でしょうか?」
「そなたにはいつか、城持ちになってもらう。」
「え、城ですか?」
「そうだ、わしの目指す国の一つを治めてもらいたいのじゃ。」
三津林は、目を丸くした。家康は将来天下人になる。・・・という事は、大名と言う事か?しかし三津林の思いは違う・・・。
「私には、城など身分不相応でございます。」
家康の顔色が変わった。
「そなたには、今度の城攻めを死に場所として行ってもらうわけではない。愛美どの達の不幸はあったが、そなたには、わしが天下を取るまでそばで見届けてほしいのじゃ。・・だから手柄をたて生きて帰るのじゃ。」
見透かされている。そして三津林は涙が出そうになった。あの家康にこんなことを言われるなんて・・・。
「・・でじゃ、そなたの屋敷にすでに下働きと、わしが家臣の娘の中から捜させたそなたに合う女子を用意しておいた。その女子と新しい三津林家を作ってくれ。・・それがわしのそなたへの思いじゃ。」
「・・・。」
三津林は、涙をこらえた。
「さっそく屋敷へ帰って、酒でも交わすが良い。」
そう言って、家康は対面所を出て行った。

「お屋形様・・。」
城の外で茂助が待っていた。
「茂助さんは、知っていたんですか?」
「榊原様から伺いました。私は良いことだと思います。」
「有り難い話です。でも・・・。」
三津林と茂助は、屋敷へ向かった。
屋敷には門番がいた。
「お帰りなさいませ。」
「名は?」
「宗太です。」
「ご苦労様です。」
主人の言葉に恐縮して、若い門番は何度も頭を下げていた。
三津林と茂助が玄関を入ると男が三人、侍女が四人頭を下げて迎えた。
「私は、三津林慶大、これが茂助。それぞれ名前を言って下さい。」
「松吉です。」
「友太郎です。」
「亀作です。」
男達が答えた。若い足軽達だ。
「はなでございます。」
「千夏でございます。」
「こずえでございます。」
「ももでございます。」
侍女たちも若い。
「じゃ、茂助さん、面倒見て下さい。」
「はい。」
「あの、姫様がお部屋でお待ちでございます。」
亀作が頭を下げたまま言った。
「お屋形様、行って下さい。この者達は、私が役割など伝えます。」
「じゃ、頼みます。」
三津林は、奥の部屋へ向かった。



襖を開けると小袖を着た女が頭を下げて座っていた。
三津林は、横を通って上座へ座った。
「顔を上げて下さい。」
三津林は、遠慮気味に言った。女は、恥ずかしそうに少しだけ頭を上げた。
「あ、愛美・・・。」
・・・のようだった。
「すみません、お名前は?」
「五島田佐間之助の娘、美有と申します。」
女は、頭を上げずに答えた。
「五島田様の娘さんですか?」
「はい。」
五島田佐間之助は、家康の重臣、大久保太馬勝の家臣だ。
「お幾つですか。」
「十五でございます。」
愛美より若い。
「私などの所に来て頂き、申し訳ないです。」
「そんな、三津林様のお側に置いて頂けて幸せでございます。」
三津林は、戸惑った。
「とにかく、もう少しお顔を上げて下さい。」
美有は、少しずつ顔を上げた。やっぱり愛美に似ていた。少し幼さはあるが、目元、口元が愛美によく似ている。
三津林は、不安になった。また身近な人間を自分が不幸にしてしまうのではないかと・・・。

侍女達が食事とお酒の用意をして、二人の所へ運んで来た。茂助も美有に挨拶をするために部屋に入って来た。
「茂助でございます。」
美有の顔を見ると、茂助も目を丸くした。やっぱり愛美に似ていると思ったのだ。
茂助は、挨拶を済ませるとさっさと出て行ってしまった。
「茂助さんも一緒に飲めばいいのに・・・。」
「ふふ。」
「何か可笑しいですか?」
「三津林様は、誰にでも丁寧なお言葉使いですね。」
「変ですか?」
「いいえ、とってもお優しい方だと思います。」
美有が初めて笑顔を見せた。
「私は、新参者ですから、こんな屋敷を賜るのも身分不相応だと思っています。」
「そんなことはないと思います。三津林様は、お殿様のお命をお救いになったと聞いております。私は立派な方だと思ってここへ参りました。」
三津林は、酒を一口飲んだ。
「私は、また戦に行きます。・・・気持ちは今までと違います。・・・今まで大事な人達がいて、皆必ず生き延びて欲しいと思っていたけれど、皆を失い、自分だけがこうして生き延びている。・・・生きてることが空しいんです。」
三津林は、また酒を飲んだ。
「飲みますか?」
三津林は、十五歳の美有に酒を勧めた。元の時代なら許されることではないけれど、愛美達が死んでから、どんなに周りに人がいても心が淋しかった。
「・・・。」
美有は、無言で盃を差し出した。
「あなたとは、今夜でもう会うことは出来ないと思います。申し訳ないけれど、良いお方とまた巡り合って下さい。」
また三津林は、自分で酒を注いで飲んだ。それを見て見有が横に来て、酒を注いだ。
「生きて帰って来て下さいませ。私も亡くなられた奥方様もそう思っております。」
そう言う美有の顔が、三津林には愛美に見えていた。・・・三津林は、いつになく酒を飲んだ。
やがて酒に酔った三津林は、横になって眠ってしまった。美有は、その眠っている三津林をしばらく眺めていた。そしてその目からは、涙が流れていた。



奥の部屋に床が用意され、眠ってしまっていた三津林は、茂助達に運ばれた。眠る三津林の横には美有が座っている。

どれくらい時が過ぎただろう?・・・外は月が綺麗だった。そしてその月明かりが部屋を照らしていた。
「先生・・・。」
三津林が寝返りを打った時、そう呼ばれた気がして目を開けた。
「愛美か?」
三津林の横には、愛美がいた。いやそう見えただけかもしれない。
「私の所へ帰って来て下さいませ。庭の桜と一緒にお待ちしております。」
愛美が三津林の胸に寄り添って来た。
「ありがとう・・・。」
三津林は、なぜか礼を言った。そして二人は無言で重なり合った。

二人の最後の夜は、長くもあり、短いものでもあった・・・。


                つづく
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シリーズ  江戸城の旅  ④

2008-11-15 20:58:57 | Weblog
城巡りをしていると、必ずと言っていいほど説明看板があります。そこの歴史がどんなものなのかを知ってもらうためには、当然あってしかるべきものです。
江戸城には、史跡が沢山あります。したがって看板も沢山ありました。

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江戸城の看板
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