里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

盆提灯に灯りを灯す

2022年08月14日 | 暮らし

当地方のお盆は8月13日から16日までが一般的。いわゆる月遅れ盆です。
盆の入りの13日の夜には、盆提灯に灯りを灯しました。
多くのお宅で13日は先祖の霊をお迎えする習わしがあることでしょう。
我が家の菩提寺は浄土真宗本願寺派のお寺さんです。世話人を仰せつかって20数年。
両親が亡くなってから20年以上経ちますが、勤め人現役の頃はあまり深く考えたこともありませんでした。多少考えるようになったのはリタイヤ後。
浄土真宗ではお盆に先祖の霊が帰ってくるということはありません。
そもそも浄土真宗では往生即成仏の教えのため故人が霊になるという概念がないのです。
親鸞聖人の「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」の名言は、小生でも昔から知っています。
全ての人は亡くなると同時に成仏し極楽に行けるのですから霊になって迷うことはないのでしょう。
ですから、浄土真宗では故人が成仏できるようにと行う追善供養と言う形もありません。
このようなことからするとお盆に提灯を飾ることもないはずなのです。
しかし、宗派の数は多数あり、地域や親戚でも他宗派の方が多い。
当然多数派の方が一般的な習わしとなるのが自然だと思います。
当地方では、昔から、親戚間で初盆に盆提灯を送る風習があります。
我が家でも両親が亡くなった折り、いくつか頂きました。
菩提寺の歴代のご住職はそれらについては何も仰いません。地域の習わしがより大事と言うことなのでしょう。
昔のように沢山盆提灯を吊すようなことはしませんが、今年も例年のように立て型の盆提灯を二つ準備しました。


夕方に灯りを灯します。


迎え火は昔から焚きません。
昔は、精霊馬等の飾りものはしないものの盆棚も作っていました。
今は盆棚は改めて作らず、ご飯、お萩、菓子などのお供えをします。
墓参りは14日が習わしでしたが、近年はあまり拘らなくなりました。
我が家でも今年は13日にお参りしました。


すでに半数はお参りを終えているようでした。
時代の流れで、集落のお参りの風習も昔とは大分変化しています。
昔、我が家には古い墓地が別にありました。それをここに皆寄せたのです。
ちなみに、この墓石が確認可能なものでは最も古い。天明の文字が明確に分かります。


法名を見ると昔から浄土真宗だったことが明らかです。