里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

今年のイネの出穂は平年並、ただ今花盛り

2022年08月08日 | 田んぼ

今年のイネはほぼ穂が出揃いました。
自宅に一番近い田んぼ。


今が、花盛りと言ったところ。
先日、幼穂を取って調べ、予測をしたように先月末からいわゆる走り穂が出始めました。
別の田んぼ。


この辺りでは、イネの花が咲き花粉が出て受粉していることを「花が掛ける」と言っています。

好天で開花が集中すると花粉が匂い立ちます。


出穂期は半数の穂が出た時となっているので。我が家の今年の出穂期は8月3日頃でしょう。
8月5日には9割の穂が出揃いました。
昨年に比べると数日の遅れですが、平年並です。昨年の出穂は早過ぎたので例外。
平年並と言っても、昔に比べると穂の出るのが相対的に早まっています。数日から1週間くらい早くなっているでしょうか。
この辺りが最も早く穂が出始めたところ。やはり進んでいるのが分ります。


こちらの田んぼも穂が出揃いました。


穂の出るときには水が欠かせません。イネは受粉するときに多くの水を吸収します。
昔からこれを花水と言っています。


早く穂が出たものは少しこごんできました。


中には穂の出るのが遅れているところがあります。
一つは水の取り入れ口周辺。水温の関係でどうしても遅れます。


もう一つは肥料が多く降り込まれたところ。栄養が良すぎて穂の出るのが遅れ、倒伏が少々心配ではあります。

このような所は全体から見ればごく一部。
どの田んぼも病害虫などは見られません。但し詳細に探せばカメムシは見つかるでしょう。
翻って、中干しを終了した直後には穂の基となる幼穂形成期に入ったものと思われます。
結果的に見ても、雑草の刈り払いや追肥などのタイミングは問題なかったようです。
特筆すべきは今年の7月の天候。特に中旬は雨続きで県北部では豪雨災害となりました。
例年、当地方この時期の悪天候はヤマセの低温を伴うことが多い。ところが今年は気温だけは高かったのです。
これは当地方では稀なことで、冷害が心配される目安となる一日の平均気温20℃以下や最低気温17℃以下の日は現れませんでした。
しかし、日照が少ない条件では素質の良い穂が生長できる訳はありません。
また、穂の出る時期になって連日高温。当地方では珍しい猛暑日を記録しました。
気温が高ければ人間同様作物も弱ります。
特に、穂が出てから日照不足で夜温が高いのは最悪。光合成産物が少ない上にイネが消耗し、米粒が充実せず品質が低下します。
但し、当地は里山なので平場より夜温が1、2℃低いメリットはあります。
ここしばらく、太陽の光りをほとんど見ていません。今日は少し期待できそう。
コメの作柄は天候の影響を受けやすい。9月下旬の穫り入れまで心配の種は尽きません。