里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

夏秋キュウリの仕立て方(2本仕立てに誘引)

2024年06月14日 | 畑:果菜類

夏秋キュウリはネットに誘引いわゆる蔓上げして2週間ほどです。
品種は今年3年目になる「OS交配ニーナ」。
蔓上げ後数日は雨模様、その後は天候が回復し、最近は気温が高く経過しています。
当地方の平年の梅雨入りは6月12日。間もなく入梅となるのでしょうか。それとも今年も空梅雨か。
蔓上げ時点では乾燥しており葉色も濃かったですが、雨が適度に降ったので本来のキュウリらしい葉色になっています。


現在、本葉が14、5枚と言ったところでしょうか。概ね順調と言って良さそうです


植付け時の苗はやや徒長気味でしたが、まずまずの姿になってきました。
過去2年の経験で大分品種の特性も分ってきました。
もともと雨除けハウス用の品種だけあって、節間が短く、葉は小振りです。
ハウスキュウリの生産者は大きな葉になることを嫌いますからそのような品種を育成したと推測します。


この時期になれば仕立て方を明確にして誘引していくことになります。
いわゆる夏秋きゅうりの仕立て方は大きく1本仕立て、2本仕立て、3本仕立て、そして半放任です。
仕立て方は株間との関係で決まります。
何れの仕立てにも共通するのは親蔓主体ではなく、子蔓、孫蔓と側枝主体に収穫すると言うことです。
基本はやはり1本仕立て。我が家も以前は株間60㎝の1本仕立てでした。
初期の収量は植付け本数が多いほど有利ですし、主枝としても親蔓が強いからです。
当地方の夏秋キュウリ生産者の大半は親蔓1本仕立てです。
念のためながら、1本仕立てと言ってもわき芽を搔いて親蔓をどこまでも伸ばすという意味ではありません。
子蔓を主枝として伸ばさず、親蔓だけを主枝として1本仕立てにすると言う意味です。
あくまで収穫の主体はその親蔓主枝から出る子蔓、孫蔓で摘芯しながら収穫、あとは臨機応変と言うわけです。
現在の我が家の仕立て方は2本仕立て。
老朽化したハウスを解体し、苗を購入するようになってからです。
一昨年までは株間75㎝、昨年は株間80㎝、今年はさらに広く90㎝です。
株間90㎝以上になれば3本仕立てや側枝を適当に間引く程度の半放任も可能です。
初期収量は植付け本数が多い1本仕立てが有利ながらトータル収量ではいずれも大差はないと言われています。
我が家の2本仕立ては、親蔓と3~5節目から出た勢いの良い子蔓1本を主枝として誘引します。
この株で見ると、1、2節のわき芽(子蔓)はすでに搔き、3節目以降は伸ばしたままになっています。


根元に近い部分はこのようになっています。


3~5節目のわき芽のうち勢いの良い子蔓を1本だけ残し、他は搔きます。
残した子蔓1本を誘引して伸ばし、親蔓とともに主枝とします。


この子蔓の根元2、3節から出るわき芽や雌花は搔きます。
親蔓の方は通常6節目以降の子蔓は伸び具合を見ながら摘芯していきます。
但し、今年は節間がより詰まっていることからわき芽は6節目まで搔きました。
この品種は節間が短く節成り性が強いため親蔓の各節にほぼ100%雌花が着きます。
一般の露地向きのキュウリは親蔓の着花率は数10%が普通で、親蔓からの収穫はごく一部です。
通常親蔓7、8節目までの雌花は全て搔きます。


仮に着けていればとうに収穫は始まっていました。
この品種は着花率が高く、樹勢のことも考慮し雌花を着けるのは10節目からにしています。
わき芽と雌花を整理し誘引しました。


夏秋きゅうりでは親蔓から穫る実はごく一部、勢いの良い子蔓、孫蔓をいかにして長期間確保するかが勝負です。
そのためにまずはしっかり株を作ることを第一に考えます。
親蔓の下方に着いた実を太らせると株は弱ります。葉で作られる養分は実に優先的に配分されるとされます。
他の株も同様にわき芽と雌花を整理し誘引しました。
これが誘引前。


これが誘引後。


よく分らないかもしれませんが、親蔓と強い子蔓1本を主枝としてネットに均等に配置し誘引します。
親蔓の雌花は蔓上げ時点ですでに見えている雌花を搔いていますが、さらにこのくらい搔きました。


この程度の雌花は収穫期全体から見れば微々たるもの。これが中後半の成りを左右するかもしれません。
全ての株を2本仕立てに誘引しました。


植付け時はイマイチの姿でしたが、現在はほぼ想定した姿になっています。


今月20日までには収穫が始まるでしょう。
夏秋きゅうりの収穫期間の目標は100日以上。3年連続の達成を目指します。

ナスは3本仕立てに整理し簡易な誘引支柱を立てる

2024年06月13日 | 畑:果菜類

ナスは植付けて30日余。品種は渡辺採種場の中長なす「くろべえ」。
植付け時の苗は蕾は結構大きくなっていたものの茎は細く徒長していました。
2週間ほどで不織布を外し支柱に誘引しましたが、樹勢は弱い状態でした。
わき芽は整理するほどでなかったため手を掛けませんでした。
その後適度の降雨もあったことから、それなりに樹勢が付きわき芽も伸びてきました。


ここでわき芽の整理をします。仕立て方はごく一般的な3本仕立て。
主枝と1番花直下のわき芽2本を残し、その下のわき芽は全部搔きます。


この株は少し進んでいる方です。1番果は成り行きに任せていましたが、自然に留まっています。


しかし、これでは樹勢が十分付いたとは言えません。わき芽を搔き小ナスの状態で摘果しました。


他の株も実を肥大させるのはマイナスなのでわき芽を搔くと同時に小ナス以下で摘果しました。


これで綺麗に3本仕立てに整理されました。


今、2番花が開花から花収まりで、近年では速いペースです。
ここで、誘引用の支柱を立てます。資材は全て老朽化したパイプハウスの廃材利用です。
かつて仕立て方や誘引法を幾つか試行しましたが、この方法が最も簡易でやりやすく、続けています。
畝の中央に植えられているナスの両側に適当な間隔でパイプ支柱を立てます。
支柱は上の方が少し広くなるように打ち込みます。


昨年、枝が非常に伸びたので今年は支柱を少し長めのものに替えました。
この縦の支柱に、直管パイプを横にフックバンドで止めていきます。


このようにフックバンドは完全に止めないでおきます。この状態で、横パイプは最後まで十分持っています。


枝が伸びるのに合わせ、横パイプを下から軽く叩き徐々に上げていきます。


枝はパイプに密着すると、誘引止めしなくても動かず垂れ下がりません。
但し、昨年のように非常に丈が伸びた場合は後半に一部誘引止めする可能性はあります。
これでわき芽の整理と簡易な誘引支柱の立て方は完了です。


今月下旬には2番果が穫れ本格収穫となりそうです。

ピーマンのわき芽を整理し支柱に誘引

2024年06月04日 | 畑:果菜類

ピーマンの植え付けをしてからほぼ20日経過しました。
当地の植付け適期より早い植え付けになったので、不織布をトンネル掛けしています。


品種は「京みどり」。
花芽がごく小さい苗でしたが、気温が高かったためそのまま直ぐ植付けました。
今年は度々強風が吹き、不織布の効果が十分に発揮されたと言えます。
丈が延び不織布に着くくらいになりました。


被覆期間が想定以上に長くなってしまいました。さすがにここで不織布を剥ぎます。


気温が高く不織布掛けが長引き軟弱に育つ懸念がありました。しかし、しっかりした姿に見えます。


本葉は12、3枚に達してようやく1番花。まだ蕾が白くなってきたところで開花に至っていません。


それでも数日中には咲き揃うと思います。
葉色も良く姿は伸び伸びしており、2番花も沢山見えます。
少し収穫が遅くなるだけで気にしなくて大丈夫でしょう。
わき芽も大分伸びてきたので整理してから支柱に誘引することにします。
1番花の下から出ているわき芽は全て搔き取ります。


掻きました。


ごく小さいわき芽は搔いたつもりでも再生するので、楽に掻けるわき芽だけを取りました。
全ての株のわき芽を掻きすっきりしました。


そして支柱を立て誘引。


ピーマンは花芽が着いたところで2本に分枝し、ねずみ算式に次々と枝が増えます。
さらに生長した後は、株の両側に廃材を利用した支柱を立て簡易な誘引と整枝をして行きます。


花芽のごく小さい苗を植付けましたが、今月中には穫れるでしょう。
まずは体を作ることが大事。収穫は急ぎません。
ピーマンで一番気になるのはエソ系のウイルス。潜伏期間があるのでまだ安心はできないものの大丈夫そうに見えます。




夏秋キュウリをネットへ誘引

2024年05月31日 | 畑:果菜類

夏秋キュウリをネットに誘引しました。
当地方では通称蔓上げ。普通はハウスで植付け後最初に誘引する時に言います。
植付け時にすぐに誘引する場合は蔓上げとは言いません。
我が家では植付けた後不織布で覆いをしており、しばらく後に誘引するので蔓上げと言っています。
蔓上げの目安は植付けから約2週間、本葉7枚程度です。
天候や生育など状態が良ければ早い方が望ましく、遅れると樹勢に影響します。
当地の適期より早い植付けで、保温強風対策のため周りをこのように不織布で覆っていました。


今年は強風に見舞われた日があったので不織布の覆いがなければかなりダメージがあったはずです。
十分な効果を発揮しました。


最低気温も上がり当地でもキュウリの適温に近い時期となりました。
ここで不織布を剥ぎます。


品種は今年3年目の「OS交配ニーナ」。
植付け時の苗は本葉3枚半~4枚。葉色がやや落ち芯が細く徒長気味でした。
現在は本葉7枚くらいまで生育が進んでいます。
葉色はかなり濃くなっています。当地は植付け後異常乾燥状態で、その影響が大きい。
もう少し伸び伸びした姿になって欲しいところでしたが、苗と天候を考えればこの程度で良しとします。


蔓上げが遅れると蔓が地べたを這うようになります。そうなる前に誘引するのがタイミングです。


苗はネットの内側に植付けているので、蔓をネットの外にくぐらせて誘引します。


これで誘引、いわゆる蔓上げは完了です。


ネット支柱の外側から見るとこうなります。


今年は株間をさらに広げて90㎝。植付け本数は僅か6本。
株間を広くしても昨年と同様親蔓と子蔓1本を伸ばす2本仕立てを行います。


すでにわき芽や雌花が見えてきました。
2節までの伸びているわき芽と見えている雌花は全て搔きました。


過去2年作ったので品種の特性はかなり把握できました。
節間が短く葉はややコンパクト、殆どの節に花芽が着きます。
もともとハウス向きの品種と理解できます。しかし、露地でも十分に作れると分かりました。
収穫目標日数は100日以上、3年連続の達成を目指します。先は長い。


ナスは不織布を外し支柱に誘引するも樹勢は弱い

2024年05月27日 | 畑:果菜類

ナスは植付けて2週間ほど。不織布を外し支柱に誘引しました。
品種は渡辺採種場の中長なす「くろべえ」。
品種優先の苗選択ですが、植付け時の茎は細く徒長していました。
最近では珍しく蕾だけは大きくなっていました。
当地の植付け適期には早いので不織布をトンネル掛けしました。


どちらかと言うと保温よりも風対策ですが、今年は効果が明らかです。
強風の吹き荒れた日があり、不織布掛けをしなければ相当傷められたはずです。


殆どの株の一番花が開花しているので不織布を外すことにしました。


想定しているより茎の太りはイマイチで樹勢は弱い。、


下葉の黄ばみは取れないものの新葉の方はナスらしい葉色になってきました。わき芽も伸びてきました。


ここで支柱を立て誘引します。
仕立て方は、ごく一般的な主枝と1番花直下のわき芽2本を残す3本仕立てです。
わき芽は整理するほどになっていないので、今回は手を掛けません。
支柱を立て誘引しました。


早いものは花収まりした株もあります。


樹勢が弱いので一番果が留まることは期待していません。
成り行きに任せますが、留まるものがあっても大きくしません。小ナスの状態で穫ってしまいます。
まずは樹勢優先。2番花以降が着果すれば十分です。それでも確実に6月中から穫れます。


この後、生長すれば株の両側に廃材を利用したパイプ支柱を立て、誘引します。

夏秋キュウリ(2本仕立て)の植付け

2024年05月17日 | 畑:果菜類

夏秋キュウリの植付けをしました。2本仕立てにします。
夏秋キュウリとは夏から秋にかけてネット栽培するキュウリのこと。
収穫日数100日以上の長期収穫を目標にしています。
近年は目標を達成できずにいましたが、昨年、一昨年と2年続けて達成できました。
ここ2年と同様に畝作りからネット張りまで準備を整えています。


苗も昨年と同様のところから同じ品種「OS交配ニーナ」を購入。
たまたま一昨年に苗を見つけ作ってみたところ思いがけず結果オーライ、昨年も作柄良好でした。
しかし、今年の苗は昨年の苗からみると姿はイマイチです。


この「OS交配ニーナ」は埼玉原種育成会の品種。
埼玉原種育成会はときわ研究場と並ぶキュウリ専門の種苗会社です。
昔はキュウリは何れかの種苗会社の品種を作っていました。
「ニーナ」はもともとはハウス用で、夏秋期も雨除け用の品種となっています。
しかし、2年作ってみて特性も大分把握でき、露地でも多収できることが分りました。
今年は株数を6本に減らし、株間は90㎝に広げました。
この株間だと3本仕立てや半放任も可能なくらいですが、これまで通り2本仕立てにします。
助っ人から例年大量の塩漬けをすることになるので植えるのを少なくしてとリクエストがありました。
ただ経験則で言うと初期収量は多少少なくなるものの最盛期は株数とあまり関係なく穫れます。
ホーラーを使用し植え穴を開けます。植え穴に少し水をやりました。


害虫予防の粒剤を施用。


株間90㎝となるとさすがに広い。従来は株間75㎝、昨年は80㎝でした。


植付けました。昨年の苗から見ると今年の苗は葉色がやや落ち芯が細く徒長気味です。


ネットの内側に植付け、蔓上げ時にネットをくぐらせ誘引します。


今年は気温が高いものの当地の植付け適期は最低気温が12、3℃になる5月下旬。
保温強風対策のため蔓上げ時まで不織布で覆いをします。


強風対策が一番ですが、十分効果はあることが分っています。


上部を支柱の中段の横パイプにパッカー止めし、下はマルチ止めで抑えます。
これでキュウリの植付けは完了です。


ピーマンを不織布のトンネル掛けで植付け

2024年05月15日 | 畑:果菜類

ピーマンを植付けました。
今年はナスの次がピーマンの植付けとなりました。
既述したように畝作りは田植え前までに終わっています。


苗は購入したもの。ナスの購入先とは別です。
品種は「京みどり」。
苗選びの最優先はエソ系のウイルスに汚染していないことです。
しかし、これは潜伏期間があるため苗の段階で見分けが付きません。
この購入先は今年で4年目。病気に対しては信頼度が高いと判断し今年も購入しました。


苗は色艶が良くしっかりした印象です。
但し、花芽はよく観察して辛うじて確認できる程度で小さい。
本葉12、3枚出てようやく一番花のようです。
当地のピーマンの植付け適期は最低気温が12、3℃になる5月下旬です。
昨年は1週間ほど置いてから植付けましたが、今年は気温も高い傾向なので植付けてしまうことにしました。
ホーラーを使って植え穴を開けます。


植付け本数を少なくしたので隣のナスとの畝間は130㎝、そして株間は55㎝と広げました。
植え穴に害虫予防の粒剤を施用。


植付けました。


年々少なくしており、今年は10株まで減らしました。


出だしは少々物足りないかもしれませんが、想定通り生長すればこれで間に合うはず。
花芽は何とか確認できます。一番果には期待していませんが6月中には穫れ始めるでしょう。


最後に防風保温対策に不織布をトンネル掛けします。


今年は気温が高い傾向ながら油断は禁物。特にこの場所は風当たりが強いので植付け時は特に注意が必要なのです。


ナスを不織布のトンネル掛けで植付け

2024年05月13日 | 畑:果菜類

ナスを植付けました。
畝の準備は田植えの前にピーマンの畝と同時に終わっています。


苗は購入しました。
老朽化したパイプハウスを解体して以来、果菜数種の苗は購入しています。
我が家で作っていた当時は植付け時期に合わせて育苗したので良くも悪くも納得して植えていました。
購入苗ではなかなか思い通りには行きません。
それでも以前は信頼できる苗生産者がおり良かったのですが、コロナ禍を機に廃業してしまいました。
その後は特定の所を定められず、数カ所を見て回り良さそうな苗を購入しています。
果菜類の苗だけは良い苗であれば苗代はさして惜しくありません。苗代の10倍の収穫は可能ですから。
とは言え、資材も高くなっており、出来るだけ集約して無駄をなくすことにしました。
我が家郎党の消費を賄うのが目的ですが、年々消費も減っています。
そもそも当地の果菜類の植付け適期は、トマトで5月半ば、キュウリ、ナス、ピーマンは5月下旬。
しかし、近年は気温が高い傾向が続き、1週間程度早まっているのかもしれません。
当地方の苗販売も需要の多い5月の連休から半ば頃までが中心になっています。
本来なら最初に植えるのはトマトにしたいところですが、今年、最初に植付けることになったのはナス。
ナスの苗選びは品種優先です。
品質、収量とも安定して使い慣れた渡辺採種場の中長なす「くろべえ」にしたい。
これは馴染みの農業資材店からの購入です。他にこの品種を扱っているところはありませんでした。


近年では珍しくかなり蕾が大きくなっています。しかし、鉢が小さく茎は細くて徒長気味です。
おそらく一番花は留まらないでしょうが、これで良しとしました。
ホーラーを使用し植え穴を開けます。


今年は本数を少なくした分畝間130㎝、株間70㎝と広くしました。
植え穴に害虫予防の粒剤を施用。


風が吹くと倒れるくらいながら液肥をやっていると見え色艶は良い。

蕾がこのくらいまで生長した苗は久しぶりです。


2畝に6株ずつ。さすがに畝に余裕があり過ぎ、減らし過ぎた気もしてきました。

結局2株を追加で購入し、2畝に7株ずつになりました。皮肉にもこちらの方ががっちりして良い苗でした。


本来なら当地のナスの植付け適期は最低気温が12、3℃になる5月下旬。
今年はたまたま気温が異常に上がる日が多くなっていますが、不織布をトンネル掛けします。


但し、保温よりも風対策主体で効果は確かです。


かつて畑作農家だった我が家には不織布の在庫が沢山残っています。


主な夏野菜の畝作り

2024年05月12日 | 畑:果菜類

昨日、キュウリの畝作りについて記しましたが、他の主な夏野菜の畝作りについて纏めて記します。
すでに田植え前にはマルチ掛けまで終えています。
ナスとピーマンは全く同じ。
1ヵ月以上前に苦土石灰を全面散布し一度ロータリー耕耘しています。


今年は畝間を少し広げ130㎝。畝の中心位置に目印線を付けます。


幅60~70㎝に有機肥料と化成肥料を帯状に散布、いわゆる帯状全層施肥です。


ロータリーを深くセットし最低速度で再度耕耘。
再び畝の中心位置に目印線を付け、管理機で畝立て。


畝立てロータの爪の向きをセットし、目印線が畝の中央になるよう逆転ローターで往復し土を盛ります。


鍬でならしてかまぼこ形に成形します。


黒マルチを掛けナスとピーマンの畝は出来上がり。


2畝がナス、1畝がピーマンです。一部他品目も予定。
次はトマトの畝作り。
前作の関係でタマネギと春キャベツの間に作ることになりました。
後に畝を跨ぐように雨除けの支柱を立てることになります。
やはり1ヵ月以上前に苦土石灰を全面散布し一度ロータリー耕耘しています。
畝の中央になる位置に目印線を付け、幅60~70㎝に元肥を帯状に散布。


元肥はナス、ピーマンよりは少ないものの一般のトマト栽培よりは多くします。
これは連続摘芯栽培を行うためで、果実数が多く樹への負担が大きくなるからです。
ロータリーでゆっくりと深く耕耘。これほど土が湿気った状態とは思いませんでした。


再び畝の中心位置に目印線を付け、管理機で畝立てし、鍬で成形。
湿気った状態のためごろ土が酷くなってしまいました。


黒マルチを掛け畝は出来上がりですが、思いがけず過湿な状態の畝になり少々不安ではあります。


後に雨除けの支柱を立てました。この頃の畑はカラカラです。


資材は全て老朽化したハウスを解体した廃材を利用し、自分で曲げ加工したもの。
この後、筋交いをして取り敢えずトマトの畝作りは終了。後に雨除けを掛けます。
こちらはインゲン、サトイモ、カボチャ、エダマメ等々の畑。見るからに強粘土質の土壌です。


畝間は150㎝とインゲン用の支柱に合わせ広くなっています。
品目を考え畝によって施肥量は異なりますが、基本は同様に帯状全層施肥です。


ロータリー耕耘後、管理機で畝立てし鍬でならして成形。


黒マルチを掛けて終了です。


作るのは少し先になりますが、蔓ありインゲンのネット張り、そして筋交いまで終えました。


ここには蔓なしインゲンやカボチャの種播き、サトイモの植え付けなどをすでに終えています。
助っ人達が自由に作れる畝も用意しました。


夏秋キュウリ長期収穫のための畝作り

2024年05月11日 | 畑:果菜類

いわゆる夏秋キュウリとは夏から秋にかけてネット栽培をするキュウリのことです。
目標とするのは長期栽培で収穫日数100日以上です。
幾つかある果菜類の中で長期収穫が最も難しいのはやはりキュウリ。
近年はなかなか目標を達成できずにいましたが、一昨年、昨年と2年続けて達成し、満足できました。
要因は幾つかあると思いますが、変えてみたのが畝作り。
かなり昔にやったことのある深層の溝施肥を、2年間やってみました。
少々手間はかかりますが、今年もやることにしました。
耕耘からネット張りまでは1ヵ月くらいの期間があるので一連の作業を纏めて記します。
すでに1ヵ月以上前に苦土石灰を全面散布し一度耕耘。半月余り前に畝作りを行いました。
畝の間隔はパイプ支柱に合わせて160㎝。畝2列のうち1畝に深層の溝施肥を行います。
もう1畝は7月に直播きする短期栽培なので溝施肥は行いません。
畝の中央になる所に目印線を付け、70~80㎝の幅で元肥の有機肥料と緩効性肥料を帯状に散布。


トラクターでゆっくりと出来るだけ深くロータリー耕耘します。これは2畝共通でいわゆる帯状全層施肥です。
溝施肥を行う位置に再び目印線を付けます。


目印線が畝の中央になるよう管理機で溝上げします。


鍬で手直しし深さ30センチくらいの溝を作ります。


そこに稲わら堆肥、有機肥料と緩効性肥料を入れます。


土を平らに埋戻し、畝の中央位置に再び目印線を付けます。
溝施肥が畝の中央になるよう管理機の逆転ローターで往復し土をはね上げます。

鍬でならし仕上げれば、帯状の全層施肥と深層の溝施肥を合わせた畝が出来上がります。
最後に、黒マルチを掛ければ畝作りは終了です。例年より畝が少し短くなりました。


左が長期栽培用、右が遅まきの短期栽培用です。


次は支柱立てです。


支柱などの資材は、全て老朽化したパイプハウスを解体した時の廃材です。
自分で曲げ加工したものなので不成型で、大分腐蝕もしています。
横の直管パイプは、頂点、両肩、中段、下段の7本設置します。横パイプはフックバンドで止めます。


下段の横パイプは、ネットを張るときにネットの端を通してから固定します。ここまでは一人作業です。
最後のネット張りだけは助っ人の協力を得ます。
一人で張る場合はシングルネットを利用しますが、ダブルネットを利用し両畝を一度に張る場合は2人作業になります。
キュウリ専用支柱ではないためネットサイズはピタリとは合いません。したがって少々強引に止めます。


ここまでは田植え前に終わっていました。
最後にやったばかりのが筋交い。筋交いにはパイプよりしなりのある竹の方が適します。


強度を保つため筋交いは必須。筋交いをしなければ強風で飛ばされるリスク大です。
これで長期収穫を目指す夏秋キュウリの畝作りは完了しました。


畑の土壌改良にピートモスを利用する

2024年02月16日 | 畑:果菜類

畑の土壌改良にピートモスを利用しています。
ピートモスは元々はイネの育苗用に土に混合して用いていました。
それを畑に使ってみたところ良さそうなので継続して使うようになりました。
我が家の畑は強粘土質土壌で扱いにくい。ただ、悪いことばかりではありません。
ミネラル分が多く肥料持ちが良いので上手く作れば味の良いものができます。
しかし、土が固まりやすく湿害を受けやすいと言う大きな弱点があります。
その改善策の一つとして行っているのがピートモスの利用です。
土壌改良にはわらや落ち葉なども利用していますが、ピートモスは効果が長く持続することは確かです。
但し、経費が掛かるので毎年畑を変えながら順繰りに使っています。
作業は畑が空く冬期間になることが多く、畑の状態を見ながら進めます。
この場所はダイコンや秋キャベツなどの跡地です。


まず、一度ロータリーで耕耘し均します。


用いるピートモスがこれ。カナダ産の225ℓ入りです。


ピートモスは欧州産が長持ちすると言われているようですが、違いは分かりません。
前は毎年3袋を購入してきましたが、価格が上がってからは2袋に減らしました。
ピートモスを全面に散らします。


圧縮されており大きく重いので扱うのは少々大変。
しかし、よく出回る20ℓ入りの袋よりははるかに割安なので、ここは我慢です。


この後、くずの木炭も全面に散らします。


昔、父が作った木炭で在庫として残っているものを利用します。
木炭は活性炭と同様の効果があり、湿害防止に有効と言われています。
特にピートモス自体は酸性なので、アルカリ性の木炭との組み合わせは悪くないと考えています。


そして、ロータリーで耕耘。


繰り返しゆっくりと深く耕耘し、均一に混じるようにします。


次第に馴染んでいくでしょう。


この後、別の場所でも同様に行います。これで夏野菜の出来が良くなることを期待です。


長期貯蔵したカボチャはまだイケる

2024年01月26日 | 畑:果菜類

「冬至カボチャ」用に作っているカボチャがまだ残っています。
長期の貯蔵を試すため敢えて残していました。
これが作業場の中に保管しているカボチャで大小2個。


品種はサカタのタネの白皮系カボチャ「雪化粧」。
昨年は夏の気温が高すぎ干天続きで、遅穫りのカボチャの着果には厳しい年でした。
そもそも高冷地や北海道が適地なので難しい作型です。
それでもなんとか小さい果実1個を含め5個が確保できました。
これが10月に完熟で一斉収穫した時のもの。


「雪化粧」は極粉質で貯蔵性が極めて高い。
サカタのタネでは1カ月程度の貯蔵で食味が最高になるとしており、11月に2個は消費。
冬至の時点で残っていたのはこの3個。


そして、冬至に食したのがこの1個。


「雪化粧」は白皮系ですが、やや青みがかった灰色です。
収穫したばかりの果実から見ると少しずつ色合いが変化していきます。
切ったときのもの。


それから、さらに1ヵ月以上経ちました。収穫してからは100日以上です。
作業場の中に保管していたので、暖冬とはいえ常温でもほぼ冷蔵に近い状態です。
明るいところに出してみても、大きな劣化とかは見られません。


軸だけは当然劣化していますが、皮はなめらかで、かびや腐れも全く見られません。
色合いは変化しているのが分ります。
皮は青味は殆どなくなり全体に白っぽくなったように感じられます。


ピンクがかってきたのは低温によるアントシアニンの発色ではないかと思います。
大きい方のカボチャを半分に切ってみました。


綺麗な黄橙色で、冬至の時より色が濃くなっているようにも見えます。
中心の綿の部分は多少乾燥し空洞気味ですが、劣化した感じはありません。
我が家と助っ人宅とで半分ずつ食してみることにしました。
一部をシンプルなカボチャ煮にしてみました。


ピーク時のようなホクホクの食味とはいきませんが、問題なく美味しく食べられます。
「雪化粧」は極粉質で貯蔵性が極めて高いことがよく分ります。


冬至に「雪化粧」カボチャ

2023年12月22日 | 畑:果菜類

今日は冬至です。
冬至と言えばカボチャ。
何とか冬至カボチャを確保できました。
冬至カボチャ用に作っている品種はサカタのタネの「雪化粧」。
7月1日に直播きしたものの初期の生育が思わしくなく、最後に残したのが5株。
9月の姿がこんな感じでした。


気温が高すぎ干天続きで、着果には悲観的でしたが、このような白い果実数個が辛うじて着果。


そもそも厳しい作型ですが、今年の酷暑ではなおさらでした。
これは収穫時。茎葉も大分傷んでいました。


サカタのタネでは、「雪化粧」は開花後50日で最高の品質になるとしています。
今年の気温を積算すると45日くらいで同等に達しましたが、遅い開花のものに合わせたので完熟は間違いありません。


10月9日に小さい果実1個を含め5個を一斉収穫しました。これが収穫直後のもの。


過去には収穫ゼロの年もあったので、今思えばあの猛暑でよく実が着いたものだという気がします。
「雪化粧」は極粉質の貯蔵性が極めて高い品種です。
サカタのタネでは、1カ月程度の貯蔵で甘みが増し食味が最高になるとしています。
冬至カボチャへの利用が目的ですが、最も美味しいところで食してみようと2個はすでに消費済みです。
確かにホクホク感抜群で美味しい。助っ人の評判も頗る上々。
今残っているのは小さい果実含めて3個です。


九重栗カボチャの3番果もまだ残っています。


こちらは9月13日に一斉収穫。沢山穫れましたが、ここまで置けばかなり劣化しているはず。
冬至カボチャの確保のため取り敢えずはここまで取っておきました。
外観上の傷みは見られないので利用するのは十分可能でしょう。
これまでに何度か作っている同じ白皮系のカボチャに渡辺採種場の「白爵」があります。
「白爵」はほぼ純白ですが、「雪化粧」はやや青みがかった灰色。
収穫当初に比べると色合いが少し変化しています。


「雪化粧」を切ってみました。綺麗で良さそうに見えます。


見た目では11月に食した「雪化粧」と変わりないようです。
「九重栗」など黒皮カボチャと比べ黄色味がやや薄いのが白皮カボチャの特徴です。特に皮に近いところ。
冬至にカボチャを食べる風習は全国各地にあると思います。
当地方でも昔からの習わしで、カボチャを食べると風邪をひかないと言われます。
当地方の冬至カボチャは小豆と一緒に煮込むのが一般的。我が家ではシンプルなかぼちゃ煮です。
冬至にカボチャを食べ、先日頂いたユズで柚子湯に浸かれば某かの御利益はありや。


ピーマンは5ヵ月半収穫して終了

2023年12月05日 | 畑:果菜類

夏秋野菜で唯一残っていたピーマンはここで終了となりました。
今年はナスを片付けた後も特に支障がないので霜で駄目になるまでとそのまま残しておきました。
当地、先週複数回霜が降り、このような姿になりました。


特に12月2日朝は前日から西高東低の気圧配置で晴れ上がり、放射冷却で氷点下2℃まで下がりました。
これが大きなダメージとなりました。


葉は軟らかいので、強い霜に当れば激しく傷みます。
ピーマンは6月20日過ぎから穫り始めたのでほぼ5ヵ月半。
品種は「京みどり」。
今年は一貫して株の勢いが非常に良かった。根元の主枝は木化しています。


誘引は中央の1本の支柱と、畝の両側に立てた支柱にフックバンドで止めた横パイプを上げていく簡易な方法です。
支柱は9月中に最大限まで上げました。これまでで最も早い。
整枝は簡易な「ふところ枝」の整理を行っています。例年なら後半は放任です。
しかし、今年は ジャングル状態になり収穫にも支障を来すようになったので枝を間引きました
歩くのに支障がある枝は切り戻していますが、それでも後半は枝が大分垂れています。


降霜で葉は傷んでも果実にはまだ傷みは殆ど見えません。


果実は葉より硬く、多くが葉に隠れて直接霜に当っていないためです。


果実は穫り頃のサイズのものから小さなものまで多数着いています。


片付ける前に助っ人に纏めて穫ってもらいました。
少々小振りのものまで穫り、篭が山盛りになりました。


助っ人が我が家の分と半分置いていったもの。これが今年最後のピーマンです。


ピーマンは当地でも11月中旬まで穫ることは珍しくありません。
しかし、大概はその頃には株も弱り霜が降りて終りになることが多い。
今年は夏から一貫して気温が高く、11月以降もその傾向は変わりません。
ようやく先週末に一時的に12中下旬並の真冬の気温になりました。
もともとピーマンは高い気温を好みますが、生育後半は低温にもよく耐えるようです。
昨年は後作の関係で強制終了させてしまいましたが、一昨年もちょうど同じくらいまで穫りました。
近年一番心配なのはエソ系のウイルス。潜伏期間があるため始末が悪い。
苗がこれに罹っていれば長持ちしません。ここ4年は免れているので長期収穫が出来ています。


ナスは長期収穫して終了

2023年11月24日 | 畑:果菜類

ナスは6月末から穫り始めたので間もなく5ヵ月です。


さすがに気温が下がり、肥大も鈍ってきたため片付けることにしました。
我が家では多分これまでで最長と思うので記録に留め置きます。
品種は中長なすの「くろべえ」。


1ヵ月ほど前、タマネギの畝を作るため1畝を強制終了させました。
これがその時のもの。ナスの畝跡がタマネギ畝になりました。


まだ旺盛な生育だったので少々勿体ない感じではありました。今、残っているのは1畝。
草丈は人の背丈をはるかに超し、一部は通路にまで湾曲して垂れていますが、放任しています。


タマネギの畝が日陰になり、タマネギにとっては迷惑でしょう。
仕立て方はごく普通の3本仕立て。切り戻し剪定も更新剪定もせず伸ばして来ました。
誘引は、中央の1本の支柱と畝の両側に設けた横パイプを上げていく簡易な方法です。
酷暑をものともせず想定以上に草丈が伸び、9月10日には最大限まで支柱を上げました
支柱の高さはこれまでで最も早く限度に達しました。
これまではこの支柱で大きな支障はなかったのですが、今年はこれでは足りませんでした。


やむを得ず、その後は中央の支柱に出来るだけ枝を引っ張りました。
それでも引っ張りきれない枝は湾曲し通路に垂れています。歩くのに支障がある枝だけは切り戻しました。


整枝は簡易な「ふところ枝」の整理ですが、9月いっぱいまでで以後は放任。下枝も復活し伸びています。
追肥は、マルチの裾をたぐり上げ敷きわらの上から速効性肥料をバラまきました。
9月になって十分に雨が降ったので追肥もよく効いたようです。10月以降は追肥していません。
結局成り疲れらしい姿を見せず今日まで来ました。未だ良い実が結構成っています。


11月に入ってからは週2回程度の収穫ペースです。
肥大には時間が掛かかるようになりましたが、小振りながらもそれなりの果実が穫れます。


思うに、今年はまず苗が近年では一番しっかりしていました。やはり出だしが大事と分かります。
天候も今年のような酷暑の年は、寒冷地でしかも里山には有利に働いたようです。
日照が多く夜温が低いため長持ちしやすい環境だったのでしょう。
これまで十分に働いてくれ、一方でタマネギにはマイナスなのでここで打止めとします。
これはピーマン。


こちらはさして支障がないので霜で駄目になるまで続けてみます。