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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

今年のハチクは盛り短く典型的な裏年

2025年06月14日 | 山菜

今年のハチクは5月20日過ぎに日当たりの良いところから出始めたので、例年より若干早い程度。
いつもどおり孟宗竹のタケノコが終わる間もなく出てきました。
出始めは竹藪の中ではなく、竹の生えていない周囲から出てきます。


但し、このように早くから周囲に出るハチクは太りが良くないことが多い。
ハチクは地下茎が浅く長く伸びるため、何もないところに突然出ることもあります。
過去には育苗ハウスの中に根が伸び掘り返したことがあります。
5月は雨が結構降ったので順調に出てきました。


竹藪の中に出るようになれば最盛期で、太く良いものが採れます。


5月末から6月早々に盛りになり、これから本格的に出るかと思ったところでした。
ハチクは孟宗竹のタケノコに比べはるかに細く皮も薄い。
皮は赤みを帯び孟宗竹のような産毛が少なく滑らかです。


良いハチクは元が太いものです。これは孟宗竹と同様で細いものは蹴り倒します。
採り頃もあり、このように伸び過ぎれば硬くなってくるのでやはり蹴り倒してしまいます。


伸びていないものは軟らかいもののボリュームがないので、さすがにもったいない。


採り頃はやはり30~40㎝くらいでしょう。


ハチクの根は浅いので採るのに土を掘る必要はなく、地上部を切るだけです。
このハチクを採ってみます。


少しだけ土をどけ鎌で根元から刈り取ります。


これは1週間ほど前に助っ人が採った時のもの。


この後、僅かしか出なくなりました。どうも収束した可能性が高い。
昨年表年だったので順番から言うと今年は裏年です。盛りが短く、典型的な裏年のようです。
ところで、ハチクは漢字で書くと淡竹。しかし、それを知ったのはそれほど昔のことではありません。
今でもなかなか馴染まず依然ハチクとしています。理屈ではハチクの子とすべきでしょうが、やはりハチクです。
タケノコには種々あるもののタケノコ(筍)と言えば孟宗竹の子のみを指すのが不思議なところ。
ハチクはえぐみが少ないため、そのまま料理に使う方もいますが、普通は一旦は茹でてしまいます。
孟宗竹の筍のように米ぬかなどを用いなくともそのまま茹でるだけで十分です。
タッパーなどに入れ水に漬けて冷蔵保存すれば暫く持ちます。


汁物、煮物、炒め物など用途も広く、孟宗竹より扱いが容易で使いやすい。

切わらを掛けた山ウドが盛りになる

2025年05月12日 | 山菜

山ウドが盛んに採れるようになりました。5月早々から採れており、例年並みか若干早い程度。
天然のウドではなく畑に植えているもので、2カ所にあります。
少し早めに出るのが日当たりが良いこちらの山ウド。朝日が当たり少々見にくいかもしれません。


このウドは、37、8年前に知人から株を分けていただいたもの。
その方は室(むろ)でいわゆる東京ウドなどとも言われ丈が1mほどにもなる軟化ウドを栽培していた方です。
当県ではおそらくその方だけだった思われますが、仕事を通じて親しくなりました。
ある時、「坊主」という系統が不要なので欲しければやるよと言うので有り難く頂きました。
「坊主」は山ウドの栽培に向いており、軟化ウドには「紫芽」という系統が向くため選別し除いていた訳です。
この時期になると懐かしく思い出す特別な山ウドなのです。
このウドから近隣の方にも大分分けてあげました。
これまで茎を伸ばすのには専ら土盛りをしてきました。より自然の山ウドが味わえる良さがあります。
今年はさらに堆積していた切わらを掛けてみました。


切わらは昨年秋コンバインで収穫後の切わらを収集したものなので、かなり堆肥化しています。


これで例年よりは大分丈が伸びると思います。近隣の方はもみ殻を掛けることが多い。
これは切わらが掛からなかった土盛りだけの山ウドです。


こちらは別の場所。やや日陰になる関係で少し遅れて出てきます。数日程度の違いですが。


こちらは半分くらいに切りわらを掛けてみました。


切わらを掛けた採り頃の山ウド。


こちらは従来の土盛りだけ。


採ってみます。
普通は葉が少し伸び出したところで採りますが、小生は葉が完全に展開したくらいの方が香りが強く好きです。
丈の伸びた方が切わらを掛けたもの、左の丈の短い方が土盛りだけのもの。


近くの山には天然のウドもありますが、茎は細く真っ青のため利用には一工夫必要になります。
一方、早くから山ウドとして店に出ているのはハウスに伏せ込み茎を長く伸ばしたものです。
我が家の山ウドはより天然に近いため香りが強く、好みの分かれるところかもしれません。
もちろん小生は香りは強いほど好みなので望むところです。むしろ青味が残っているくらいがいい。
最も好むのが味噌漬け。
まず皮を薄く剥きスライスしてから水にさらしてアクを取ります。それに味噌を塗せば出来上がりです。
数時間でもよく、一晩から数日置いても味と香りに変化があり楽しめます。


味噌漬けにするのは専ら茎ですが、葉の天ぷらも美味しく好きです。味噌汁にも合います。



原木シイタケの春子は豊作のうちに間もなく終了

2025年05月10日 | 山菜

4月早々から穫れ始めた原木シイタケは4月中下旬をピークに豊作のうちに間もなく終了です。
気温は一時低い時期があったものの総じて高く降雨も適度にあったことから自然栽培の原木シイタケにとって良い環境だったと思われます。
3月に榾場(ほだば)を整理した後、現在の全体の原木はこのような配置になっています。


右の列手前の空きスペースは今年稙菌した原木を本伏せする予定。次に植菌2年目の原木、その奥に植菌5年目の原木。
左の列手前が植菌3年目の原木、次に植菌4年目の原木、一番奥に植菌5年目の原木の一部。
右に僅か見えるのは番外で、7年目の原木を一部残したものと5年目の原木の一部。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。
これが今年植菌2年目の原木。


本格収穫は二夏を越す今年の秋からです。それでも後半に結構出てきました。


収穫の間が少し開いたため少々大きくなり過ぎましたが、原木シイタケらしい姿になっています。


今年の秋はかなり期待できそうです。


これが今年植菌3年目になる原木。


4月中旬に重なるように発生し大豊作。想定を遙かに上回る穫れ具合となりました。
さすがに本当の終盤になっています。


それにしても出過ぎて原木の皮が剥げ傷み影響が懸念されます。
これまでのトータルで見ても穫れたシイタケの過半はこの原木になります。


相当に弱ったはずで今秋は期待できないかもしれません。
これが植菌4年目の原木。


春子は3年目の原木から少し遅れて安定して発生しました。


今でも結構良いものが出ています。
昨年秋はあまり出ないでしまったので力が温存されていたのかもしれません。
この程度に出てくれれば安心感があると感じました。


これが植菌5年目の原木。一番奥に2列に置いています。


沢山と言えないまでも後半よく出てきました。


太い原木が多く秋に向けてまだ余力があるように思いますがどうでしょう。
こちらは番外。


よく頑張っているものです。
メインの植菌3年目の原木は想定を遙かに上回る穫れ具合になり、他の原木も想定通りで近年の春子では一番の豊作となりました。
今回は穫るのが少し遅れてしまいましたが、原木シイタケらしいものが穫れました。


我が家でこれだけ取りあとは助っ人に。


生シイタケで消費しきれなければ乾燥するか冷凍するかです。
容易なのは冷凍シイタケですが、スペースが一杯になったようです。

タケノコは一気に盛りも今年は裏年か

2025年05月07日 | 山菜

孟宗竹のタケノコを4月20日過ぎから採り始めました。
今年は昨年並みで例年よりは1週間ほど早いようです。
適度の降雨があり急に気温が上がったため予想より早まりました。
出だしのタケノコは竹藪から外れたところのやや痩せたものが多く、1週間経った頃に良いタケノコが採れてきます。
しかし、今年は気温の関係か一気に盛りになり4月末から5月早々がピークでした。
タケノコも出る場所によって早晩があり、通常20日間以上採れますが、今年はやや短縮されそうです。
今年は裏年と言われています。確かにそうなのかもしれません。
小生も早朝に竹林を少し見回ってみましたが、十分なくらい出ている印象です。
良いタケノコとはこのように根元がどっしりと太いもの。細く長いものは不可です。


竹林でもより良いタケノコが出るところがあります。それは有機物が多く地力が高いところです。
土が肥えているところのタケノコは地下深くから伸びているので太く柔らかいのです。


これなら申し分なし。


我が家の竹林はこのようなところはやや遅めに出るのですが、今年は早くから出ている感じがします。
タケノコ掘りにも要領があります。


タケノコの根元には僅かながら反りがあるので、表面の土を少しどけ反りの内側から鍬を入れると綺麗に掘れます。


10数年前から当地にもイノシシが侵入するようになり、タケノコの被害は甚だしいものでした。
イノシシはタケノコが地上に出る前に片っ端から食い散らかします。人間は完全にお零れ頂戴の有様になりました。
殆ど諦めの状態でしたが、3、4年前から様子が変わりました。明らかに被害が減ったのです。
今でもこのようにイノシシが侵入し食い散らかした跡は見えます。しかし、酷いときの1/10くらいのものでしょう。


被害が減ったのはイノシシに豚熱(豚コレラ)が発生したからではないかと言われています。
対策もそれなりに効果が上がっているのかもしれません。
タケノコの生長は早いので見逃すとすぐ採り遅れになります。


これでは遅い。ギリギリと言ったところでしょうか。


僅かの時間で数本採れました。


この季節は野良仕事とまともにかち合うため主に採っているのは助っ人です。
しかし、今はタケノコが沢山採れても喜んでばかりいられない時代になりました。
採れれば処理しなければならないからです。
昔は、生のタケノコを親戚、知人に多数配りました。遠方には宅配で送ったものです。
しかし、今配るのは慣れた元気な高齢者のいるごく限られたところだけ。下手に配ると面倒でゴミが出ると迷惑がられます。
ですから採るのは良いタケノコだけです。助っ人も小さいものや伸びすぎのものは踏み倒しています。
考えてみればイノシシに散々な目に遭っていた時はそんなものも採っていたのでした。
タケノコは鮮度が落ちやすいので直ちに茹でるのが最良。店ざらしになったタケノコは願い下げとしたものです。
これは以前助っ人が茹でたタケノコを撮ったもの。


ボイル済みのタケノコなら貰う方は楽して美味しいタケノコが味わえるので喜びます。
配るのも容易でない時代になりました。


沢ワサビが少し増え僅か採って葉わさび漬けに

2025年05月02日 | 山菜

かつて春の楽しみの一つは沢ワサビでした。
一面に純白で小さく可憐な花を咲かせる姿を見ることで実に清々しい気分になったものです。
そして、心ゆくまで葉わさび漬けを味わうのが山菜の季節一番の醍醐味でした。
ワサビのあるところは我が家からは大分離れた少々不便なところにあるため日常的には行けません。
それで指標にしているのが裏山のシイタケの榾(ほだ)場近くのワサビ。


これは沢ワサビを移植し畑ワサビにしようと試み少しだけ定着したもの。
しかし、簡単には殖えてくれません。それでも、元が同じなので生育の進み具合が分かります。
ワサビの旬は花が咲く時期です。この畑ワサビの花が咲いたので様子を見に行くことにしたわけです。
沢ワサビの花が咲いていました。


このワサビは天然のものではありません。50年余りになるでしょうか、知人が数株植えてくれたのでした。
ここは北向きの山で立木に囲まれ常に日陰になっています。細い沢があり綺麗な湧き水が流れています。
ワサビに適した環境だったようで草を取る程度のことをしただけで自然に増殖し、一面に広がりました。
但し、根を太らすような管理はせず自然まかせなので、主に葉ワサビとして利用します。
花の咲く時期は葉や茎が柔らかく葉ワサビとして最も美味しいのです。その後は次第に硬くなっていきます。
そんな楽しみを奪ったのがにっくきイノシシ。当地方にまでイノシシが北上するとは夢想だにしませんでした。
10年ほど前に散々荒らし回りこの沢ワサビは壊滅状態に陥りました。
わずかに残ったワサビも2019年10月の台風19号の豪雨が追い打ちを掛けました。
それでもここ2、3年はイノシシが少なくなっているようで復活の兆しが見えてはいました。
しかし、昨年は殆ど殖えた気配がなく試食程度の採取もしませんでした。
今年は僅かながら新たに殖えたと思われるワサビが確認できます。
この辺りは昨年も主に生育しているところであまり変わっていません。


この辺りに何株か新たに見えるようになりました。


この辺りには若い株が殖えたようです。


セリなどが生えている所に殖えたワサビが大きくなっていました。


この中の一つだけ採ってみることにしました。


ワサビの周辺の湿地には他にもいくつか山菜がよく生えています。
野ぜり。


クレソン。

三つ葉


採ったワサビは花、葉、茎、葉柄、根茎と余すところなく使います。


全てを葉わさび漬けにしました。


辛味もしっかり出て風味豊かに出来上がりました。


少しだけですが小生の待っていた春の味です。もっと復活し心ゆくまで味わってみたいもの。