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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

タラの芽を採った後のタラノキの大事な管理

2025年07月19日 | 山菜

里山の春の恵みと言えばやはり山菜。
そして、春の山菜として一番に挙げられるのは何と言っても山菜の王様と言われるタラの芽です。
今年は昨年よりは遅れたものの例年より数日早く採れました。
タラの芽は春に芽吹く新芽のことなのでそもそもの木はタラノキです。
我が家では元々自生していたタラノキをかなりの年数を掛けて手入れをし、自然に増殖させてきました。
2カ所に纏まったタラノキがあります。
これが一番群生化した所で4月下旬の収穫時のタラノキ。


タラノキは新しく伸びた枝の先に新芽(頂芽)が出来ます。その新芽を採るわけです。
そして、毎年良いタラの芽を採るためには採った後の管理が大事になります。
タラノキの枝は1mくらい伸びるため、放置すればどんどん高くなり容易には採れなくなってしまいます。
そこで、タラの芽を収穫した後は、速やかに2、3芽を残して枝を切り戻します。
ここのタラノキも採り終わった後、1週間後くらいにはすべて短く切り戻しました。
そして、これが1ヶ月後くらいのタラノキです。


切り戻した枝に残されたわき芽が生長し、新しい枝葉が伸びてきます。
これで枝の高さは抑えられ、翌年の収穫も容易に出来るようになります。
その後もタラノキの生長は早く枝も葉もどんどん伸びてきます。
しかし、辺りには雑草も伸びてきます。今はこんな状態になりました。タラノキのためにはよくありません。


雑草の刈り払いを行います。もっと早く行えば良かったのですが、手が回りませんでした。


タラノキにはトゲがあり、混んでいるのでやりにくい。少々痛い目に遭うのはやむを得ません。
刈り払い機を使うので無理をするとタラノキまで簡単に切ってしまうため、多少の雑草は残ります。


この場所は側に篠竹が群生しているため普通の下草よりは主に篠竹が生えてくるので篠竹刈りがメインです。


この程度で刈り払いは終わりです。これからさらに茂っていくでしょう。


もう1カ所纏まってタラの芽が採れる所がここ。収穫はこちらの方が早くこんな感じでした。


やはりタラの芽を採った後、枝を切り戻しました。
今はこんな具合で大分雑草も伸びてしまいました。


タラノキの数も明らかに殖えているのが分かります。前の場所に近いくらい群生化してきたようです。
こちらは篠竹は殆どなく普通の雑草で、特に目立つのはチガヤです。


刈り払いをします。


タラノキは地下茎で繁殖します。
タラノキは古くなると自然に枯れる場合があり、代わりに地下茎から新しい芽が伸び出し殖えていきます。


新しく伸び出したタラノキは小さいため切り倒さないよう多少雑草が残ってしまうのはしょうがありません。


これで切り戻したタラノキとともに新しく地下茎から伸び出したタラノキも生長するでしょう。
タラの芽を採った後の大事な管理、切り戻し剪定から雑草の刈り払い作業は終了です。



原木シイタケを本伏せする

2025年07月02日 | 山菜

今年1月末に植菌し、仮伏せ していた原木シイタケを本伏せしました。
梅雨入りすれば気温も湿度もいい案配になると様子見をしているうちに連日の高温。大分遅くなってしまいました。
にわか雨が上がったところで重い腰を上げることにしました。この後も多少降雨があることを期待です。
本伏せするには湿度の確保が必要です。通常なら今時は梅雨期の真っ只中のはずながら真夏の様相。
これが植菌した後、仮伏せしておいたもの。


仮伏せする際には散水し、こもとビニールで覆いをしました。さらに途中チェックをし再び散水しています。
こもでしっかり覆いをしているので温度、湿度は適度に保たれているはずと思います。
とは言え、しばらく放置したままだったので少々不安でした。
ビニールを剥ぎます。こもは十分過ぎるほど湿っています。


こもを剥ぎます。


今年は種駒1,000個を使い切ったところで打止めにしたため本数は23本と僅かです。
一目、原木に白い菌糸が見えたのでまずは安堵しました。
太い原木の切断面もすっかり白くなり、シイタケ菌はかなり繁殖しているように見えます。


一方、雑菌も出ています。いまさらどうしようもないので運搬車に積み込み運びます。
何しろ年代物の運搬車。中古エンジンに付け替え、修理しながら使い続けています。
亀のごとくゆっくりとほだ木の置き場まで運搬しました。


ここは半日陰で雨も適度に当たるためほだ木置き場にしています。
ほだ場は古いほだ木を整理し、この植菌した原木を本伏せするための準備は早くに出来ていました。
手前の空きスペースに今年の原木を本伏せします。


伏せ込みの方法は例年どおり慣れている合掌式です。


今年の原木の切り口は例年と比べても菌が多く吹き出ているように見えます。


スペースが足りないかとも思いましたが、間に合いました。


これで本伏せは完了です。


本格的な収穫は今年、来年と二夏を越した植菌3年目の春からが目標になります。
それでもこれまで稙菌2年目には結構穫れています。菌の繁殖が良さそうなので期待はあります。
全体ではこのような配置になりました。


右の列手前が今年稙菌した原木、次に植菌2年目の原木、その奥に植菌5年目の原木。
左の列手前が植菌3年目の原木、次に植菌4年目の原木、一番奥に植菌5年目の原木の一部。
右に僅か見えるのは番外で、7年目の原木を一部残したものと5年目の原木の一部。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。それにしても梅雨期とは思えない異常な高温。
影響はどれほどのものか、小生にシイタケの知識はなく分かりません。
灌水できる環境にもなく半放任なので、原木に頑張ってもらうしかないのです。



今年のハチクは盛り短く典型的な裏年

2025年06月14日 | 山菜

今年のハチクは5月20日過ぎに日当たりの良いところから出始めたので、例年より若干早い程度。
いつもどおり孟宗竹のタケノコが終わる間もなく出てきました。
出始めは竹藪の中ではなく、竹の生えていない周囲から出てきます。


但し、このように早くから周囲に出るハチクは太りが良くないことが多い。
ハチクは地下茎が浅く長く伸びるため、何もないところに突然出ることもあります。
過去には育苗ハウスの中に根が伸び掘り返したことがあります。
5月は雨が結構降ったので順調に出てきました。


竹藪の中に出るようになれば最盛期で、太く良いものが採れます。


5月末から6月早々に盛りになり、これから本格的に出るかと思ったところでした。
ハチクは孟宗竹のタケノコに比べはるかに細く皮も薄い。
皮は赤みを帯び孟宗竹のような産毛が少なく滑らかです。


良いハチクは元が太いものです。これは孟宗竹と同様で細いものは蹴り倒します。
採り頃もあり、このように伸び過ぎれば硬くなってくるのでやはり蹴り倒してしまいます。


伸びていないものは軟らかいもののボリュームがないので、さすがにもったいない。


採り頃はやはり30~40㎝くらいでしょう。


ハチクの根は浅いので採るのに土を掘る必要はなく、地上部を切るだけです。
このハチクを採ってみます。


少しだけ土をどけ鎌で根元から刈り取ります。


これは1週間ほど前に助っ人が採った時のもの。


この後、僅かしか出なくなりました。どうも収束した可能性が高い。
昨年表年だったので順番から言うと今年は裏年です。盛りが短く、典型的な裏年のようです。
ところで、ハチクは漢字で書くと淡竹。しかし、それを知ったのはそれほど昔のことではありません。
今でもなかなか馴染まず依然ハチクとしています。理屈ではハチクの子とすべきでしょうが、やはりハチクです。
タケノコには種々あるもののタケノコ(筍)と言えば孟宗竹の子のみを指すのが不思議なところ。
ハチクはえぐみが少ないため、そのまま料理に使う方もいますが、普通は一旦は茹でてしまいます。
孟宗竹の筍のように米ぬかなどを用いなくともそのまま茹でるだけで十分です。
タッパーなどに入れ水に漬けて冷蔵保存すれば暫く持ちます。


汁物、煮物、炒め物など用途も広く、孟宗竹より扱いが容易で使いやすい。

切わらを掛けた山ウドが盛りになる

2025年05月12日 | 山菜

山ウドが盛んに採れるようになりました。5月早々から採れており、例年並みか若干早い程度。
天然のウドではなく畑に植えているもので、2カ所にあります。
少し早めに出るのが日当たりが良いこちらの山ウド。朝日が当たり少々見にくいかもしれません。


このウドは、37、8年前に知人から株を分けていただいたもの。
その方は室(むろ)でいわゆる東京ウドなどとも言われ丈が1mほどにもなる軟化ウドを栽培していた方です。
当県ではおそらくその方だけだった思われますが、仕事を通じて親しくなりました。
ある時、「坊主」という系統が不要なので欲しければやるよと言うので有り難く頂きました。
「坊主」は山ウドの栽培に向いており、軟化ウドには「紫芽」という系統が向くため選別し除いていた訳です。
この時期になると懐かしく思い出す特別な山ウドなのです。
このウドから近隣の方にも大分分けてあげました。
これまで茎を伸ばすのには専ら土盛りをしてきました。より自然の山ウドが味わえる良さがあります。
今年はさらに堆積していた切わらを掛けてみました。


切わらは昨年秋コンバインで収穫後の切わらを収集したものなので、かなり堆肥化しています。


これで例年よりは大分丈が伸びると思います。近隣の方はもみ殻を掛けることが多い。
これは切わらが掛からなかった土盛りだけの山ウドです。


こちらは別の場所。やや日陰になる関係で少し遅れて出てきます。数日程度の違いですが。


こちらは半分くらいに切りわらを掛けてみました。


切わらを掛けた採り頃の山ウド。


こちらは従来の土盛りだけ。


採ってみます。
普通は葉が少し伸び出したところで採りますが、小生は葉が完全に展開したくらいの方が香りが強く好きです。
丈の伸びた方が切わらを掛けたもの、左の丈の短い方が土盛りだけのもの。


近くの山には天然のウドもありますが、茎は細く真っ青のため利用には一工夫必要になります。
一方、早くから山ウドとして店に出ているのはハウスに伏せ込み茎を長く伸ばしたものです。
我が家の山ウドはより天然に近いため香りが強く、好みの分かれるところかもしれません。
もちろん小生は香りは強いほど好みなので望むところです。むしろ青味が残っているくらいがいい。
最も好むのが味噌漬け。
まず皮を薄く剥きスライスしてから水にさらしてアクを取ります。それに味噌を塗せば出来上がりです。
数時間でもよく、一晩から数日置いても味と香りに変化があり楽しめます。


味噌漬けにするのは専ら茎ですが、葉の天ぷらも美味しく好きです。味噌汁にも合います。



原木シイタケの春子は豊作のうちに間もなく終了

2025年05月10日 | 山菜

4月早々から穫れ始めた原木シイタケは4月中下旬をピークに豊作のうちに間もなく終了です。
気温は一時低い時期があったものの総じて高く降雨も適度にあったことから自然栽培の原木シイタケにとって良い環境だったと思われます。
3月に榾場(ほだば)を整理した後、現在の全体の原木はこのような配置になっています。


右の列手前の空きスペースは今年稙菌した原木を本伏せする予定。次に植菌2年目の原木、その奥に植菌5年目の原木。
左の列手前が植菌3年目の原木、次に植菌4年目の原木、一番奥に植菌5年目の原木の一部。
右に僅か見えるのは番外で、7年目の原木を一部残したものと5年目の原木の一部。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。
これが今年植菌2年目の原木。


本格収穫は二夏を越す今年の秋からです。それでも後半に結構出てきました。


収穫の間が少し開いたため少々大きくなり過ぎましたが、原木シイタケらしい姿になっています。


今年の秋はかなり期待できそうです。


これが今年植菌3年目になる原木。


4月中旬に重なるように発生し大豊作。想定を遙かに上回る穫れ具合となりました。
さすがに本当の終盤になっています。


それにしても出過ぎて原木の皮が剥げ傷み影響が懸念されます。
これまでのトータルで見ても穫れたシイタケの過半はこの原木になります。


相当に弱ったはずで今秋は期待できないかもしれません。
これが植菌4年目の原木。


春子は3年目の原木から少し遅れて安定して発生しました。


今でも結構良いものが出ています。
昨年秋はあまり出ないでしまったので力が温存されていたのかもしれません。
この程度に出てくれれば安心感があると感じました。


これが植菌5年目の原木。一番奥に2列に置いています。


沢山と言えないまでも後半よく出てきました。


太い原木が多く秋に向けてまだ余力があるように思いますがどうでしょう。
こちらは番外。


よく頑張っているものです。
メインの植菌3年目の原木は想定を遙かに上回る穫れ具合になり、他の原木も想定通りで近年の春子では一番の豊作となりました。
今回は穫るのが少し遅れてしまいましたが、原木シイタケらしいものが穫れました。


我が家でこれだけ取りあとは助っ人に。


生シイタケで消費しきれなければ乾燥するか冷凍するかです。
容易なのは冷凍シイタケですが、スペースが一杯になったようです。